【会報】ハーネスながの第1号


《長野県ハーネスの会会報「ハーネスながの」第1号をお届けします。
今回は、10月3日に行われた設立総会の様子や例会のご案内を中心に掲載しました。》
ご挨拶「設立総会を終わって」
代表 原 哲夫
去る10月3日、長野県視覚障害者福祉センターにおいて『長野県ハーネスの会』の設立総会が行われ、本会活動の第一歩をスタートさせることができました。このニュースが9月下旬マスコミで取り上げられますと、県内各地から私たちの予想を超えて多くの皆様から入会の問い合わせをいただきました。犬を飼育しているというご家族、引退盲導犬の世話をしているという一人暮らしの方、獣医さん、点訳サークルの会員、更に盲導犬用コートを作ってもよいという方、等々と様々でした。
そして、総会当日は、盲導犬10頭とその使用者を含めて60名近い皆様が会場にお出かけ下さいました。そんな中には、盲導犬について学校で意見体験文を発表したという女子中学生がお母さんと来て、お小遣いを節約してためた寄付金を届けて下さるというようなこともありました。皆様のお気持ちに厚く感謝するとともに、身の引き締まる思いを感じています。 長野県では視覚障害者が盲導犬を入手するための制度は整っていますが、その後の医療費支援などのケアについてのシステムは全く整備されていません。また、盲導犬への理解は進んだとは言え、ホテル利用やアパート入居の際には拒否されることもしばしばあります。私たちは、これらの諸課題の改善に皆様のご理解とご支援をいただきながら取り組んでいきたいと考えています。そして本会の活動が、盲導犬の一層の普及と視覚障害者のより積極的な社会参加を促すものに結びつくことを願っています。 会員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
記念講演会「盲導犬たち」
内藤 敦彦
講師に大阪の日本ライトハウス行動訓練所、盲導犬訓練士の田原恒二先生をお招きし、約1時間にわたり講演してもらいました。まず、私たちが目標としている盲導犬医療費等の公的援助は現在、神戸市が一番進んでいて、予防接種、食費、犬の備品で金額の大きいものに関しては市で援助していることがわかりました。また、先生が訓練士になったばかりの頃の合併訓練での失敗談や訓練を通じて盲導犬が人間の思った以上の能力を発揮してご主人の失敗を見事に解決してくれた話など、おもしろい話をしてもらいました。そして最後に、盲導犬を地域の人や社会が正しいルールをみんなで守りながら優しく見守ったり、時には厳しい意見も言って、皆で現状の社会を良い方向へ持っていかなければいけないということが基本であるとの説明に、参加者はうなずき、講演会は無事終了しました。
懇親会報告
滝沢 秀樹
長野県ハーネスの会設立総会第3部の、懇親茶話会の模様をお知らせします。 第2部の、日本ライトハウス田原氏による記念講演が有意義に終了した後、約30名の参加を得て、第3部の懇親茶話会が始まりました。司会は、運営委員の滝沢英樹が担当しました。 まず、参加者による自己紹介、及び参加した動機、近況などを出し合いました。本当に皆さんの盲導犬に対する熱い思いやりと深い理解が感じられました。 その中で、ある参加者から「盲導犬の普及数が少ないが、何か問題があるのではないでしょうか。」との発言があり、他の参加者からも色々な意見が出され、ホットな議論が展開されました。 S氏からは「盲導犬が増えなかったり、理解されなかったりすることがあるのは、色々な理由があると思う。例えば、盲導犬には臭いがある、毛が落ちるとの苦情が出されることがある。」との意見が出されました。 またM氏からは「盲導犬のユーザーには、一人で歩きたいという独立心の気持ちがあることがある。」との意見が出されました。 N氏からは「私は盲導犬のユーザーであるが、同じ視覚障害者の仲間から、羨望なのか、盲導犬について色々なことを言われてしまったことがある。」との発言がありました。 またK氏より「盲導犬と一緒に歩く、白い杖で歩く、人に導かれて歩く、以上のうちのいずれを選ぶのかは、視覚障害者の選択の自由でありたい。」との意見がありました。 S氏からは「盲導犬ユーザーは、もっと視覚障害者の集まりに出て、盲導犬の良さについてPRをしてもらいたい。」との意見が出されました。 この他にも、多くの意見が出されましたが、時間の制約もあり、議論を打ち切りとし、懇親会は終了いたしました。 なお、どうしたらもっと盲導犬が増えるのかということについては、重要なテーマとして今後もあらゆる機会を利用して議論を深めたいと考えています。
運営委員紹介
この度、会の運営に関わることになりましたメンバーをご紹介いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
代表
原 哲夫
運営委員
伊藤 正幸
加藤 久美
滝沢 秀樹
田中 安子(会計担当)
内藤 敦彦
前野 弘美
丸山 訓代
丸山 良三
吉川 敞子
〈当面の間取り組んでいく課題と役割分担〉
会の組織・規約の原案作成 原、吉川
医療費支援システム作り 伊藤、丸山(り)、前野縫製
盲導犬のコートなどボランティアのネットワーク作り 丸山
田中盲導犬への理解推進 滝沢
内藤会報の編集 加藤、内藤、吉川
募金活動、医療費基金 前野、原
ホームページ作成準備 前野、加藤
☆会の運営に対するご意見・ご要望がございましたら、ぜひお寄せ下さい。
また、会の運営に関わって頂ける方も募集しております。どうぞよろしくお願いいたします。ご連絡は下記までお願いいたします。
〒390-0304 松本市大村492-3 原 哲夫
原 哲夫
例会のお知らせ
下記のように第1回例会を開催いたします。今回のテーマは「盲導犬ユーザーの体験談を聞こう!」です。たくさんの会員のみなさんの参加をお待ちしております。
- 記 -
日時:12月12日(土) 13:30~15:30 
場所:長野県視覚障害者福祉センター(松本市旭2-11-39 )
内容:会員の盲導犬ユーザーから体験を聞き、意見交換をします。
事務局からのお知らせ
10月31日現在の会の状況をお知らせします。
登録会員数:119名(個人116 団体3)
会費納入額:172口 344,000円
寄付金:4件 29,000円
☆銀行口座ができました
会費の入金等にご利用下さい。尚、振込手数料は皆様にご負担頂くことになりますので、どうぞご了承下さい。
(郵便振替については、こちらで用意した振替用紙をご利用の場合は手数料は会の負担となります。)
銀行口座:八十二銀行 普通 210042 (口座名義)長野県ハーネスの会
郵便振替:00570-7-17991(加入者名)長野県ハーネスの会
※お振り込みの際には、「会費 ○口」あるいは「寄付金」などと内容を明記して下さい。
編集後記
「ハーネスながの第1号」いかがでしたか?今回は少し堅い内容になってしまいましたが、次回からは楽しいコーナーも企画していますので、どうぞお楽しみに。「ハーネスながの」では、みなさんからの原稿を募集しております。盲導犬と接していく中での体験記や旅行記・犬の手入れや外出の際に持っていると便利なグッズの紹介など、800字以内にまとめて編集部までお寄せ下さい。お待ちしています。 (加藤)
〈1998年11月号〉

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