会報「ハーネスながの 第54号」


       ハーネスながの 第54号 (2018年8月号)
発行:長野県ハーネスの会  池田純
〒381-0043 長野市吉田3-16-13
(株)Jハート内 Tel. 026-214-0802

振込み:ゆうちょ銀行 00570-7-17991 「長野県ハーネスの会」
            ←ーーー 本号の内容 ーー→
『平成30年度長野県ハーネスの会定期総会報告』  池田 純 ほか
『天使と歩む四季の歌』 ①  広沢里枝子
旅は犬連れ世は出会い ⑬  原 哲夫
『東御市へのミニ旅行』ご案内  丸山訓代
ユリスと歩いて ⑤ 『緑り深き飛騨高山を訪ねて』 成澤正行
『本ほどステキなものはない!』 ④  池田 純
『信濃美術館の実施設計に向けて 』  池田 純
『事務局から』  加藤 久美
『編集後記』  片山幸子
    ◇◇ 『平成30年度長野県ハーネスの会定期総会』 ◇◇
  ◆ 松本市Mウイングにて30年度定期総会開催 池田 純 ◆
【写真/総会の様子】
日時 平成30年6月17日10:30~15:00
会場 松本市Mウイング
参加 19名・盲導犬8頭
来賓 長野県障害者支援課 補助犬担当 近藤優香様
 6月17日、松本のMウィングにおいて今年度の総会が19名参加して開かれました。
長野県障がい者支援課の補助犬担当の近藤優香さんにも出席していただき、盲導犬ユ
ーザーと直接接する機会を持ってもらいました。
 午前中は、2017年度の事業報告と決算の報告があり、2018年度の事業計画案と予算
案も全員一致で承認されました。
 午後は、各チームに分かれての運営委員会を予定していましたが、参加者も少ない
ことから、フリーの情報交換をしました。
    ☆ エスコートゾーンについて ☆
 長野駅前に敷設されたエスコートゾーンの紹介をしましたが、エスコートゾーンに
ついては、視覚障害者の中にもよく知らない人もいることから使用法を誤らないよう
にきちんと広報する必要がありそうです。
    ☆ 歩車分離信号について ☆
 浅間温泉の歩車分離信号については、その後動きがないとのことです。歩車分離信
号については、古田さんがかなり以前から、危険なことを訴えられていましたが、押
しボタンの位置を音声で知らせる等について、県警は具体的な改善策を示していない
ことから、今後もしっかりと訴えていく必要があります。
 長野市のふれあい福祉センター前の信号は、平日は音声が鳴るものの、土曜・日曜
は音が出ないということで、池田が県議会議員に伝えることになりました。
 新しくオープンした松本のイオン前のスクランブル交差点の信号の音声が出なくて
危険という訴えがあります。
   ☆ 地域情報 ☆
・東御市では、災害時に避難誘導が必要な視覚障害者のために、市の福祉課職員が視
覚障害者と近所の誘導者をコーディネートして登録する活動を始めました。
・安曇野の眼科医院では、病院を定期的に開放して、古田さんを中心とする視覚障害
者が、パソコン教室を開くのを支援しています。
・松本市では、「要援護者台帳」に誰を介助者として登録するかでもめることがあり
ます。
    ☆ ロービジョン(弱視)について ☆
 会長の池田から「東京都ロービジョンケアネットワーク」について紹介したところ
、前野さんの所には、ロービジョンで仕事を続けることが困難になりつつある人から
の相談があること、
 諏訪日赤病院では、ロービジョンの人を支援する団体の情報をホームページで提供
していること、等が分かりました。
 また、安曇野眼科では、古田さんが患者さんの支援をしています。
 更に、丸山さんが信州大学病院に入院中の患者さんを訪問しています。
 県外では、名古屋市で名古屋ライトハウス盲人情報文化センターに早期に視覚障害
者の情報が届き、早期対応しているとのことです。
    ☆ その他の情報 ☆ 
・災害時の避難に関して、近隣にグループホームができても、個人情報の保護という
ことで、どんな人が入居しているのか分からない。
・電車の戸袋に指をはさまれて切断した視覚障害者がいる。
・「盲導犬の写真を無断で撮らないで」という文言をリーフレットに加えてほしい。
・長野盲学校にチャールズの写真を使って壁画が飾られている。
    ☆ 里枝子の短歌 ☆  (総会の感想を広沢さんが詠んでくれました)
 「支援者も盲導犬も使用者もみんな私の大事な仲間」
 「仲間らの明るく語る声聞けば自ずからわが言葉もはずむ」
 「建設的にもの言う人の多くして『素敵な会ね』と帰路に語らう」
      ◇◇ 『天使と歩む四季の歌』 ① ◇◇  広沢里枝子
「行く道に雪残るらし盲導犬は右に左に避けつつ歩く」
  「子を背負いハーネス握り幾星霜通いしスーパー今日店を閉ず」
 「幾度も夢に訪ねしふるさとの土盲導犬と踏みしめて行く」
  「諏訪湖畔盲導犬と歩けば漣の音穏やかに耳に寄せくる」
  「眉上げて明日へ続く道を行く盲導犬と語らいながら」
    ◇◇ 旅は犬連れ世は出会い ⑬ ◇◇
  リレーウォーク ≪天竜川に沿って遠州灘へ その5(最終会)≫   原 哲

〔場面1〕 扇状地から遠州平野へ
 天竜川と近づいたり離れたりしながらリレーウォークを続けてきた中で最もドラマ
チックに地形の変化を意識したのは、浜松市天竜区の船明ダムのある里山を下って二
股地区の市街地域に入るまでの4㎞ほど、時間にすれば1時間足らずの間のことでし
た。
 船明ダムは天竜奥三河と山間地の急峻な峡谷や谷間が終わり、傾斜が急に緩やかに
なる場所にあります。上流部山間地の佐久間ダムや秋葉ダムとは形も景観も異なり、
ダム堰堤は低く、都市近郊の平地型ダムと言われます。
【写真/船明ダム】説明:平地型ダムの船明ダムは山間峡谷を堰き止める高い堰堤ダ
ムとは形も景観も異なります。ローラーベートが船明ダムの特徴です。
 そんな場所では川は急に流速を失い、上流部から運んできた土砂石を運び続けるこ
とができません。そして谷の出口付近を頂点として河道は洪水の度に変化しながら運
んできた土砂石を長い時間をかけてまるで扇形のような範囲に堆積させます。このよ
うにしてできた地形が扇状地です。船明地区は南に向かって流れる天竜川を中心に東
西に広がる扇状地の頂点(扇頂)から扇央部に当たります。山地部分は遠ざかり前方
の空間が開けてきたことを感じました。明らかにこれまで歩いてきた天竜川沿いの地
形とは異なりました。左右にも前方にも広々感のある田園風景の中を南に向かって歩
きました。
 最も大きな変化を感じたのは扇状地の扇端部分のやや長い坂道を下りきったときで
した。路面はどこまで行っても平らです。道路沿いには住宅や商店、会社らしき建物
が増えてきます。坂道を1本下っただけで周囲の雰囲気ががらりと変わったことに驚
きました。交差点があり道路は左右にも前方にも延びています。歩いている人は余り
いませんが車は多くなってきました。浜松市天竜区の中心である二俣地区の市街地に
入ったのでした。ここは遠州平野の北縁に当たり、浜松市中心部に対して北に位置す
る山裾の市街地域です。以前は天竜市二俣町と言われ、隣の浜松市のベッドタウンと
して発展してきたそうです。
 交差点を通りました。街の音は雑多で絶えることがありません。車が通過したりバ
ックしたりする音、信号機の電子音、工場の金属音、人の話し声、スーパーの店内か
ら漏れる音楽や案内。人々の様々な暮らしや営みを想像させてくれます。不思議なこ
とですが、市街地音は久しぶりに聞いたような懐かしさを感じました。
 突然、後方から高架線路を通過する電車の音が聞こえてきました。天浜線(天竜浜
名湖鉄道)の電車が二俣駅付近を通過する音でした。大都市の郊外にいるような感覚
に浸った一瞬でした。
 そして鹿島橋で天竜川を渡りこの地区の鉄道の結節点になっている、遠州鉄道西鹿
島駅に向かいました。この付近の天竜川は西から東に向かって流れています。川幅は
200mぐらいあるようで、流量もかなり増えて大河の風格を感じさせるとのことで
した。
河口までは約15㎞となりました。
〔場面2〕 ひたすら河口を目ざして河川敷を行く
◆あらまし◆
 私たち二人+ガイダの天竜川に沿ってのリレーウォークもいよいよ最終段階に入り
ました。天竜川は諏訪湖を源として伊那と佐久間の盆地をつくり、山間地の峡谷部か
ら船明の扇状地を経て、いよいよ遠州平野に入りました。平地に入った流れは一旦東
に向かいますが、間もなく再び南に向かい遠州灘の河口を目指すのです。
 この歩き旅をマラソンレースに例えるなら、スタジアムのゴールを直前にしたホー
ムストレッチの直線部分にさしかかった辺りになるかも知れません。
 天竜川は遠州灘河口から上流14㎞ぐらいはほぼ直線となっています。右岸(西側

は浜松市、左岸(東側)は磐田市でその境界を成して南に向って一直線に流れます。
◆遠鉄バスと遠鉄電車を利用してウォーキング現場へ◆
 遠鉄バス終点の西鹿島駅前で下りた私たちは商店街を東に抜けて天竜川右岸の河川
敷を目ざします。国道152号線バイパスに架かる飛び竜大橋の少し下流に当たる地
点です。
 このように私たちはファイナルステージを遠鉄バスと遠鉄電車(西鹿島駅・新浜松
駅間)を乗り継ぎながら現場に向かい、3回に分けてリレーウォークを締めくくるこ
とにしました。
◆広大な天竜川河川敷◆
 両岸の堤防に当たる部分は河岸道路になっており頻繁に車が行き来しています。そ
こからは広い河川敷の中程に水の流れは確認できるようでしたが対岸も含めて河川敷
内には茫々と丈の高い雑草や場所によっては雑木林のような景観が広がります。
 同行者のKさんの話ではおそらく河川敷の幅は1㎞を超えるのではないかというこ
とでした。河川敷道路は河岸道路の直ぐ下に並行して延びており部分的には舗装また
は砂利道でウォーキングには最適でした。
 新東名高速道路の天竜川橋と浜北大橋の間の浜松市側に運動公園が広がっていまし
た。案内板では野球場4面、サッカー場、陸上競技場の配置が示されているとのこと
でした。
 また、対岸の磐田市側の河川敷には全長10㎞のサイクリング、ウォーキングコー
スが整備されていました。
◆河岸道路の向こうには◆
 場所によっては河岸道路に上って路側帯を歩くこともありました。そこからは左岸
の磐田市側の道路を走る車が小さく見えたり、日ざしに車体が反射して光ったりして
いるようです。更にその向こうには工場らしき建物や住宅が並んでいるようでした。
 右岸に当たる西に広がる浜松側には工場や倉庫らしい大きな建物が続き、ところど
ころに農地が点在しているようです。更に西から南にかけて浜松市中心街を成すビル
群も見えるようでした。
◆長大橋を目安に歩く◆
 河川敷の中の道路を歩くことは周囲の風景も路面の起伏も変化に乏しく単調でした
。歩いた距離や河口との位置関係を測る手がかりとした目標物は橋でした。遙か前方
に横たわって近づいて来て、そして後方に去っていく数々の橋。
 天竜川の浜松市と対岸の磐田市の間には上流部から飛竜大橋を始めとして何と12
本もの架橋があるのです。新東名と東名の高速道路に架かる二つの天竜川橋、東海道
本線と新幹線の天竜川橋梁、国道1号線の並行する新天竜川橋と新々天竜川橋。それ
らの間にバイパスや県道に架かる橋です。河口に最も近い橋は遠州大橋でした。何れ
も全長が1000mを越える長大橋です。私たちは新東名高速道路の天竜川橋の一つ
下流にある浜北大橋を渡って磐田市側の河川敷も歩いてみました。橋梁部分を渡りき
るのに18分かかりました。
 また、たまたま東海道線の天竜川橋梁の真下を歩いているとき、頭上を通過する貨
物列車らしき轟音を聞きました。継続時間の長さと騒音の大きさに度肝を抜かれまし
た。正に日本の大動脈を肌で感じるひとときでした。【写真/浜北大橋・1970年
開通】
◆旅路の果てに夢破れ?◆
 河口に近づいてきたのか河川敷の茫漠とした雑草や雑木林はいつの間にか消えて水
辺を歩くようになりました。天竜川の河道が広がったことと遠州灘の海水が入り込ん
で区別がつかなくなってきているのかも知れません。遠く対岸の河岸堤防道路近くま
で水面が広がっています。
 遠州大橋を過ぎた地点からは河岸道路に上がり河口を目ざしました。当然その辺り
から天竜川が遠州灘に向かって流れ込む風景が目に入るはずだと想像していたのです
が、様子は全く違っていました。前方に見えるのは右岸側から左岸方向に延びる長い
砂山というのか砂丘のような砂礫の高い盛り上がりが壁のように連なる風景でした。
天竜川はその長く高い砂山(バンク)の壁に流れを妨げられるように東に左折して磐
田市側沿岸の海に続いているようでした。あたかもアルファベットのL字型になって
遠州灘と一体になるのでした。きっと遠州平野沿岸を流れる海流によって運ばれた砂
礫が河口付近で流速と運搬力を失って堆積を続け、ここでも長い年月をかけて自然の
砂丘壁を成したのではないかと想像しました。
【写真/河口正面に横たわる砂丘の壁】説明:天竜川右岸の浜松市側から左(東)に
延びる砂丘。長さは1㎞ぐらいあるそうです。写真左端辺りが遠州灘(太平洋)への
出口です。ときは12月中旬の午後3時過ぎ。あいにく曇り空で砂丘の向こうに見え
るはずの遠州灘の海原ははっきりしませんでした。
 「天竜川は遠州灘そして太平洋に悠悠と流れ込んで欲しい」という私の夢は完全に
破られました。私は単純でした。河口では天竜川は海にほぼ直角に注ぎ込んでいると
勝手に想像していたのです。こんなはずではなかったと裏切られたような気分は長く
続きました。
【写真/天竜川河口】〈説明〉L字型に砂山が続き、その先で海につながる天竜川
とは言え、我が少年時代の原風景でもある天竜川に沿って中流域から河口までを寄り
添うように歩けたことは、沿岸の地形や地域そしてそこに暮らす人たちを脚と身体と
皮膚と耳で実感できたことにもなります。昔から身近に流れていた大河の半生という
のか実の姿を初めて知ったような満足感はありました。 (完)
【写真/河口付近で二人と一匹の記念写真】 説明:二人で持つ紙に書いてあること
ば。「旅は犬連れ、世は出会い。天竜川に沿って115km。リレーウォーク全16回。本
日遠州灘に到達。2016.12.12 2016.2.15時又出発」
   ◇◇ 『東御市へのミニ旅行』ご案内◇◇    丸山訓代
楽しみにしていたミニ旅行が近づいて参りました。日程をご案内いたします。
 9月30日(日)午前10時15分しなの鉄道田中駅集合後、坂田さんのマイクロ
バスにて「海野宿」へ。海野宿ではハーネスの会員でもある、宮秋さんのガイドで、
歴史や見どころなどを伺います。その後、12時にはチーズ料理のアトリエ・ド・フ
ロマージュにて、リッチな気分でお食事しま~す!!昼食後「雷電くるみの里」でお
土産などを見て、田中駅で15時30分に解散です。
〔列車時刻〕
◆行き◆ 
〈長野〉9時25分(快速軽井沢行き・7番線)篠ノ井:9時35分(松本組と合流)
〈松本〉8時08分(快速長野行き・2番線)篠ノ井:8時59分着(9時35分の軽井沢行
きに乗る)
〈田中〉10時09分着
◆帰り◆
〈田中〉15時39分(快速長野行き)篠ノ井:16時13分(松本行き乗換)
〈長野〉16時25分着
〈篠ノ井〉16時19分発 
〈松本〉17時20分着
    ◇◇ ユリスと歩いて ⑤ ◇◇
  『緑り深き飛騨高山を訪ねて』 成澤正行
時は6月の半ば梅雨期の真っ最中と言う頃、JA丸子の組合友の会で岐阜の飛騨高山へ
のお誘いがあり、それに参加して来ました。「飛騨高山牛の食べつくし&旧跡巡りツ
アー」と言う大見出しでした。
 さて当日の朝と言えば未明からの雨が無情にも降り続いてる中を、JA・N支所が私
たちの集合場でしたので向かいましたが、大型のロマンスカーが眼前に来るまでの間
の雨降りと言ったら凄い降り方でした。傘は頭が濡れなければいいと言う、そんな悪
条件でしたが、予定の時間にはロマンスカーに乗り込むことが出来、残す3カ所を回
って総勢40余人で254号線に乗ったのです。
バスは、一路飛騨高山までですが、鹿教湯温泉→笠岩→三才山→松本トンネルと滑ら
かに走行して居ました。そして信濃の国をさらばする辺りで第一回目のⅠ・Ⅱタイム
でした(勿論人間用です)。当然なのですが全員が揃った所で組合の責任者などの朝
の挨拶があって、それが終わるなり待ちに待ってた、大人のドリンクをはじめソフト
ドリンク&お一人用おつまみセットでの歓談タイム。お好きな人などは2缶は飲み干
してたのでは? いや、私は洋酒を頂いてたので2缶とはいきませんが結構頂きまし
た。ですので早い人などはポチポチってお時間なのでしょうね、Ⅰ・Ⅱは、まだ余裕
がと思っても皆さんと一緒に行なうようにしていました。
15分のⅠ・Ⅱタイムが終わり、いよいよトンネル工事としては困難をきたしたとされ
る、恵那山トンネルの中に吸い込まれて行ったのです。時々、地上に出るのですが開
放的な窓に映る物と言えば左右とも緑濃い森ばかりでした。季節も良く木々の葉も出
そろって雨が降ってたので、その緑も格別映えていたように映りました。
さて、これから訪れる岐阜県の高山市を少しだけ紹介させて頂きます。平成の大合併
後、市の面積は東京23区とほぼ同じになったそうですが、森林と宅地面積の割合は9
2対8なのだそうです(この様な知識はバスガイドさんがいると色々と分かるので更
に楽しい旅になります)。
凡その見当は付くと思いますが信州も似たか、よったかかもですね。さてさて、飲ん
で・食べて・飲んでなどシテイル間に名所めぐりの地域に近づいたのですかね、ガイ
ドさんがこれから向かう観光スポットの詳しい内容をお話して下さり、それが終るか
と言った所で目的のパーキングに落ち着きました。車外に出た時には雨も上がって薄
い雲を通して陽光が体に当るのですが、暑いと言うよりも雨上がりのためか、むして
ました。
さてバスから降りた仲間は、あのガイドさんが持つ超長い三角形の旗を目印に最初の
見学場所、高山陣屋へと向かったのです。観光客のための商店街、露店商街を抜けて
いくのですが、ガイドさんが言われた通り、飛騨牛のくし焼きを焼きながら売ってる
んでしょうね、とにかく食欲を誘いこむ香りには、ちょいと我慢が出来なかったです
が、しかし、あの三角形の旗は無情にも先へ先へと行ってしまうのです。
どのくらい歩いたですかね、10分そこそこだと思いますが、陣屋の受付にたどり着き
ガイドさんが手慣れた手さばきで事務処理を終えて、各々にガイドブックを渡した所
でガイドさんと離れて陣屋の中へ進んで30分ほどして出口にたどり着きました。
☆この高山陣屋の内容は巻末に記します。
さて朝市と言う用語は良く観光地に行くと耳に致しますが、ここでも、かなり広い敷
地内が朝市の開催場となり雨上がりと言う事でシートが掛けられて居る露店がちらほ
らでしたが、とにかく賑やかでした。ここに飛騨牛のくし焼きが売られて居るのを鼻
でキャッチしてしまい、どうにも我慢が出来なくなり、提灯が揺れる露店の前まで来
てしまい注文をしました。この先20分程先に古川町が有るのですが、そこのAホテル
での『飛騨牛の食べ尽くし』ってのが待ち構えている事は重々承知はしていたのです
が、2本を焼いて頂き立ち食いをし、残りはロマンスカーの中でウイスキーを友に頂
いたのです。
そして正午を少し過ぎた時に古川のAホテルの正面玄関にバスが付けられ、ホテルマ
ンが二人、最上階のレストランへの案内をしてくださいました。廊下もフワフワな絨
緞が敷きつめられており心地良かったです。
レストランは既に、お席は作られており、皆さん御揃い次第御膳が運ばれてくると言
う段取りにまでなっておりました。何と言っても、この旅のメインと言っても過言で
ないコーナーですので味合わなければと腹に力を入れました。主催者側から二人の人
の挨拶があり、参加者代表の挨拶が済むと乾杯なのですが、数名の担当者がライター
で飛騨牛のしゃぶしゃぶ鍋に点火しているカチカチと言う音の聞こえる中、大きな声
で乾杯の声を上げたのでした。
広いお膳には色々なお料理が並べられているし、運ばれてくるしで、飲む・食べるで
大忙しでしたね。お食事の内容は頂く人の味覚によって異なるのではと思い、記しま
せんが、とにかく飛騨牛のお料理が三種、その他に、これは珍しいと思う物に『飛騨
牛の生寿司』と言う初物もあり、舌にヒットしましたね。私は勿論、皆さんお腹がは
ちきれそうになりながら階下におり、次はお土産選びです。このホテルでは2時間ほ
ど滞在したでしょうか、F1には郷土物産店(売店)があり、「これ孫が喜ぶかなあ
ぁ?」などと、ご夫婦の会話が耳に入って来ました。
さてそれからホテルを後にすれば、無情にも帰路と言う事になるのですが、やはり旅
と言えば、その地のお土産を買い求めたいと言うのは素直な所ですね。勿論ガイドさ
んは、その様な事は充分に理解されており、信濃の国に入る手前に「赤かぶの里」な
る道の駅があると言うので、そこが最後の、お買い物の場所だと言われました。そこ
まで、1時間以上かかると思いますので、そこに着くまでの間は、お昼寝でもしては
いかがですかと言うので、皆さん寝てしまったんだと思います。赤かぶの里へ着くと
皆さん、お買い物は後回しにしてⅠ・Ⅱの方へ歩を進めてたです。
さて、お土産売り場ですが、とにかく広いスペースなのですが買い求めるお客さんが
多いので賑やかなこと、賑やかなこと、凄いものでした。岐阜県の名産品が勢ぞろい
してると言うので、お客さんも目移りしてる様でしたね。観光バスと個人で観光に来
られている人は、ここで買わなければ恵那山トンネルになってしまうと言うので必死
でした。予定の時間になろうとしてたので、Ⅰ・Ⅱを済ませてバスに乗り込んだので
す。
ところが、お客様は全員そろったのにバスは発車しないのです。「???」そうだっ
たのです!ドライバーさんのドライブ時間と、それに見合った休憩を取らないとバス
会社のパソコンに、そのまま記録されてしまうので、相応の休憩を取らないと発車し
ないのだそうです。軽井沢の碓氷峠でのスキーツアーのバス事故以降、厳しくなった
んでしょう。
お買い物も終わり、この先は一路自宅を目指します。バスツアーでの帰路と言えば定
番はDVD観賞もしくはのど自慢ショーですが、今回の旅はDVDの方でした。恵那
山トンネルを抜け松本トンネルを出た辺りでガイドさんが 三才山トンネルの料金所
にⅠ・Ⅱの施設が有りますが皆様如何でしょうかと尋ねて来ましたが、誰一人手を挙
げる人もなく、傘岩・鹿教湯温泉トンネルと抜けた所辺りで今日の担当者などのお話
が有り、最後にバス会社からのお礼のご挨拶がガイドさんからあり、いよいよ先発隊
は下車を始めたのでした。私達もゴールの一つ手前のN支所前で降りマイカーに乗り
換えて自宅へと向かいました。
今回の旅では、お夕飯用の飛騨牛のお弁当まで頂きましたので家に着いてからは、お
すましを作ってお弁当を頂きながら今日を振り返ったのでした。
【巻末付録】
◆高山陣屋:歴史的建造物で徳川幕府の陣屋(役所、役宅)。米蔵などが、ほぼ完全
な形(復元を含む)で残されている。全国で残されている陣屋で、国の歴史的建造物
に指定されている。
◆お土産物産店『赤かぶの里』:高山市。岐阜県の物産が勢ぞろいの売り場・飲食店
(道の駅の色濃し)この辺りでは赤かぶが特産品で、色々な加工品として売られてい
ます。(おわり)
【写真/高山教会前で、ユリスと】
    ◇◇ 本ほどステキなものはない! ④ ◇◇  池田 純
『あえて、つながらない生きかた』  高野登著 ポプラ社
 高野さんは、ホテルの専門学校を卒業後ニューヨークに渡り、いくつかのホテルを
経て、マリオットホテルチェーンが経営する最高級ホテルリッツカールトンで働くこ
とになり・ハワイ・大阪・東京で新しいリッツカールトンの開業に参画しました。
 この本は、ビジネス書の一種であるものの、若者に対するネット依存の警告の書で
す。 結論から言うと、「人間関係の断捨離が必要」ということを訴えています。
 SNS、ツイッター、ラインに支配された人々のスマートフォンには常にどこかから
メッセージが届き、TPOに関係なく、画面をのぞきこんでいる人々は、いわば「いい
ね」という主体性のない意思表示をすることでのみ、人とつながっているのではない
かとの疑問を提起しています。
 競争の厳しいアメリカのホテル業界に身を置いていた高野さんは、戸隠に帰郷した
と           
きになんとも言えない安らぎを感じました。顔も名前もみんな知っている濃密な人間
関係がわずらわしくてアメリカに渡ったはずだったのですが。
 そして、「接点とつながりは違う」とも言います。表面的に知っていることとつな
がっていることとは別で、SNS等では、名前だけ知っていて会ったこともない人のな
んと多いことかと嘆きます。
 人間と人間がもたれ合うのではなく、ありかたで、人とつながる努力が必要と強調
し、流行語にもなった「おもてなしの心」は、1回や2回の研修を受けて身に付くよ
うなものではなく、一流のアスリートがするくらいの日々の努力の結果身に付くもの
と主張します。
 また、人間の幅を広げるのはネットでは不可能で、勇気を持って周囲の人々と関わ
ることの重要性を訴え、人生の価値は「どれだけ人のために尽くしたか、どれだけ人
に与え続けたかで決まる」と強調しています。
    ◇◇ 信濃美術館の実施設計に向けて ◇◇  池田 純
 7月10日、長野市障害者福祉センターにおいて、障害者のために信濃美術館の実施
設計の説明会が開かれ、さらに、7月24日、県庁において視覚障害者のための説明会
がありました。
 プランズアソシエイツの氏が、設計者としての説明をし、信濃美術館担当参与の松
本氏が、主として運営面の説明をされました。善光寺との位置関係がよく分かる立体
模型、建物の立体模型に触らせてもらえ、詳細な説明を受けることができました。建
物は地上3階、地下1階で、2階で東山魁夷館と結ばれるようになります。
 視覚障害者に対する配慮として明らかになっているのは、「無料で入れる部分に触
れる展示物を置く」というものでこれはフリースペースに置かれることになるので、
視覚障害者だけではなく、子どもも触って美術を楽しめるようにと考えられているも
のです。
 原さんからは「有料の展示物には触れられないのか?」との質問がありましたが、
松本氏の説明は「ブロンズ像と言っても、ブロンズを固めてから作家が細かい部分ま
で磨いて独特の作品に仕上げている。それに対して触れさせるかどうかは、作家の意
向を聞かなければいけない」とのことです。
 池田より「対話型鑑賞について」も質問しましたが、「美術館では絶対に話をして
はいけないということはない。周囲の人々に迷惑をかけているかどうかが問題」との
ことで、これからの課題として、おしゃべりできるような日を特別に設定することも
検討していただけるかもしれません。加藤さんからは「作品のイメージをつくるため
に、レプリカを用意するとか、大きさを実感できる工夫をしてほしい」との要望もあ
りました。原さんからは「美術館の周辺も含めての立体模型」と「館内の立体模型」
についての質問がありましたが、立体模型を置く場所、置き方については今後の課題
です。
 また、美術館の周囲の目立たない場所に「補助犬トイレ」を設置することも要望し
ました。当日の参加者は、原さん、加藤さん、視覚障害者パソコン教室の松本さん、
長野盲学校の更級さん、片山さん、その他2名の参加でした。
    ◇◇ 事務局から ◇◇   加藤久美   
〔盲導犬・引退犬の近況報告〕
◆松本市の福崎直昭さんの盲導犬ディライトが、4月に引退しました。また、安曇野
市の古田綾夫さんの盲導犬ビンカが引退し、7月から新しいパートナーのデイジイと
歩き始めたとのことです。ディライト・ビンカ、お疲れ様でした。
◆飯山市の石澤一芳さん宅の引退犬チャールズと、上田市の清水栄さん宅の引退犬タ
ームが永眠しました。引退犬ボランティアとして犬達のお世話をしてくださった石澤
さん・清水さんに感謝申し上げますとともに、チャールズ・タームのご冥福をお祈り
いたします。
〔盲導犬ユーザー・引退犬ボランティアの皆様へ、健康管理費の振込について〕
盲導犬ユーザーと引退犬ボランティアの皆様には、毎年1頭あたり5000円の健康管理
費を振り込ませていただいております。ゆうちょ銀行宛の振込料は月に3回まで無料
になることから、ゆうちょ銀行の口座を指定されている方には、8月頃から複数月に
わたって振り込ませていただきます。振込時期がそれぞれ異なりますのでご承知おき
ください。
〔.会費の納入について〕
会費をまだ納入していただいていない方は、9月30日までに振込をお願いいたします
。振込用紙は、前号の会報とともにお送りしております。紛失された場合は、会報表
紙に記載のゆうちょ口座宛に、振込をお願いいたします(振込用紙は、郵便局の窓口
に置いてあります)。なお、振込手数料は会員様のご負担でお願いいたします。ご協
力よろしくお願い申し上げます。
    《編集後記》
 暑い、暑い、夏でしたね。ユーザーの皆さんもご自分のことよりパートナーの体調
に気をつかわれたのではないでしょうか。
 我が家でも「冷房なし」生活に終止符を打ち、とうとう導入することにしました。
生来が暑さに強いので、それ程必要とは思わなかったのですが、「孫や猫がかわいそ
う」のひと言に決心しました。勿論、ひとりの時は使わない。時々吹く風で全然大丈
夫なんですが、取り付けに来てくれた人が軽井沢在住の人で、暖房も灯油よりは安い
ですよと仰る。それに5時間以下の外出なら、つけたまま出かけても電気代は変わら
ないとか。冬は大活躍しそうです。
 ところで、暑がりの人と寒がりの人の違いは何でしょう。調べてみました。
 一般的に女性よりも男性の方が暑がりです。これは体感温度の違いで、実は温度を
感じ取る能力に違いがあるからなんだとか。その能力の違いを決めているのが、脳に
温度を通知するためのTRPM2遺伝子なのだそうです。人間が周囲の温度を感じ取るこ
とを手助けする遺伝子で、感じ取った温度情報を脳に信号として通知する役割を果た
している。人それぞれ体感温度が異なる原因の1つとなっているんだそうです。実は
私の母も娘も冷房嫌いです。生活習慣もあるでしょうが、ナルホドそういうことか、
と妙に納得した夏でした。少し遅い夏号お届けします!(片山)

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