ハーネスながの 2004年 第17号
発行:長野県ハーネスの会 会長 原 哲夫
〒390-0304 松本市大村492-3 TEL・FAX(0263)46-9611
第17号 目次
《お知らせ》 『2004年度会費納入のお願い』
《イベント案内》 『国際補助犬パートナーズ会議のご案内』
《特 集》 『2004年度定期総会終わる』
【総会内容】
『2003年度の取り組み報告と決算報告を承認』
『2004年度の取り組み方針と予算案の審議』
『ハーネス基金改定』
【総会:交流会】
『日頃の体験を語り合う』・・・・・・・・・・・ 7
【総会風景】
『ワンちゃん10頭、会員30名が出席』・・・・・・ 7
《デビュー》 『小田さんが2頭目のパートナーと歩き始める』
《編集後記》
《お知らせ》
『2004(平成16)年度会費納入のお願い』
事務局
本年度の長野県ハーネスの会の年会費2000円の納入をお願い申し上げます。事務処理の都合のため9月20日までにお願い致します。同封の郵便振り込み用紙でお送りいただく場合は振り込み手数料は無料となります。 既にお納めいただきました方はありがとうございました。お手数をかけますが破棄して下さい。
《イベント案内》
『国際補助犬パートーナーズ会議のご案内』
全会員に招待券(無料入場券)を進呈
事務局
10月11日(月)から13日(水)にまつもと市民芸術館を中心に“国際補助犬パートナーズ会議”が開かれます。これはアメリカ、カナダ、英国から補助犬ユーザーや国際補助犬パートナーズ協会の会長等6名の外国人ゲストと日本国内の補助犬ユーザーや関係者が集まり、「補助犬の利用と障害者の自立」などの問題について幅広く意見交換するものです。
長野県ハーネスの会としましても実行委員会に参加して大会の成功のための一助となりたいと考えています。
本会会員の皆さんには期間中有効の招待券(無料入場券)をお送りしますので、どうぞご参加下さい。招待券がない場合は入場料が必要になります。
尚、詳しい日程につきましては同封の別紙パンフレットをご覧下さい。
【ピーアール文】
「もっともっとやさしい日本を創るために
補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)のことを、伝えたい」
【期日】 2004年10月11日(月・祝日)~13日(水)
【後援】厚生労働省、長野県、松本市ほか
【主催】松本市民、福祉関係者、補助犬ユーザーを中心とする「国際補助犬パー トナーズ会議 in ユニバーサル・シティ松本」実行委員会
【説明】世界1600名が加盟する補助犬ユーザーの会「国際補助犬パートナーズ協会」の会長ほか、米国、英国、カナダから、補助犬ユーザーが来日。補助犬だけでなく、今後の障害をもたれる方々自立や社会参加について、国内外の補助犬ユーザーによる、自由な発言を交換しあう会議です。「障害のこと、補助犬のこと、そして人々が共に生きる」ということを、会場も一緒になって討論していきます。
※補助犬は、2003年10月に完全施行された身体障害者補助犬法によって、その同伴を拒むことができなくなりました。法の強制力も、障害をもたれる方の社会参加、自立へのひとつの促進力ですが、それ以上に、一般の方々が補助犬のことを理解したうえで、あたたかく受け入れていただけることを、この会議では、一番に願っています。
【問い合わせ先】
〔事務局〕厚生労働大臣指定法人(福)日本聴導犬協会
〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村3200
Fax専用:0265-85-5088
Tel(すべてFax兼用)0265-85-4615
0265-85-5290
E-mail: inf@hearingdog.or.jp
〔長野県ハーネスの会〕
田中 Tel・Fax 0263-33-4745
原 Tel・Fax 0263-46-9611
E-mail: harat@go.tvm.ne.jp
《特集》
『2004年度定期総会終わる』
会長 原 哲夫
長野県ハーネスの会の本年度総会が5月23日(日)午後、松本市中央公民館Mウィング401会議室で行われました。当日は会員30名、盲導犬10頭の出席をいただき、定期総会としてはこれまででもっとも盛会なものとなりました。
大変遅くなりましたが本号は総会特集として、出席されなかった会員の皆さんに総会で決めていただいた事項や様子をお伝えします。
【総会内容】
★☆★ 2003年度の取り組み報告と決算報告を承認 ☆★☆
定期総会前半は2003年度の取り組みの報告と一般(運営)会計およびハーネス基金(盲導犬健康管理費支援)会計の決算報告とそれらの承認が行われました。
〈一般会計〉 収入合計が39万1163円でした。その内訳は、前年度からの繰り越しが21万5161円、会費収入17万6000円、雑収入(預金金利)2円でした。一方、支出合計は12万9548円で、次年度へ26万1615円が繰越金として送られることが承認されました。
〈ハーネス基金〉 収入合計が、309万1163円でした。内訳は、前年度からの繰り越しが253万6514円、会費収入が17万6000円、寄付金が38万289円、雑収入(預金金利)が36円でした。一方、支出合計は16万9185円でした。内訳は、26頭の盲導犬と6頭の引退犬の健康管理費として16万円、送金手数料4185円、予備費(死亡した引退犬への香料)5000円でした。盲導犬と引退犬の高額治療費の一部を補助する治療費支援は0でした。そして、次年度へ292万3655円を繰り越しました。
〈会計監査報告〉 2003年度の一般会計とハーネス基金会計の決算報告については、5月9日に会計監査委員の斉藤美枝さんが諸帳簿と預金通帳、領収書類を厳正に監査した結果、適切に会計処理されている旨を総会の場で報告されました。
★☆★ 2004年度の取り組み方針と予算案の審議 ☆★☆
〈取り組みの柱〉 本年度の長野県ハーネスの会は次の活動に取り組みます。
1 ハーネス基金運用規則を改訂して支援の対象を広げます
特に、疾病治療費助成を受けやすくするために請求条件を緩和するとともに、支払い実態に応じて助成額を決めるように改訂します。
2 盲導犬用具の委託製作と販売をします
3 会報“ハーネスながの”の発行をします
発行回数は年4回として、8月に第17号、10月に第18号、12月に第19号、3月に第20号の発行をしたいと思います。
4 『長野県ハーネスの会』の将来像についての研究を始めます
本会は昨年秋に設立5周年の節目を迎えることができました。これを機会に、本会の過去5年間の活動内容と成果を評価するとともにこの間の盲導犬使用を取りまく社会的環境の変化も考慮しつつ、本会の将来のあり方について研究を始めたいと思います。
主な研究の柱として、次の観点から考えます。
(1)本会の目的、取り組むべき活動の内容。
(2)本会の組織形態。
(3)資金作り。
5 事務処理の効率化を進めます
(1)会員名簿の再確認を実施します。
(2)電子アドレスの登録を進めます。
(3)電子メイルによる会報の配信を進めます。
6 国際補助犬ユーザーズ会議への参加と協力をします
10月11日(月)~13日(水)に松本市民芸術館を中心に開催される国際補助犬パートーナーズ会議に協力します。
〈一般会計予算〉 2004年度の一般会計予算は総額で43万7615円を計上しました。収入は前年度からの繰越金が26万1615円、本年度の会費収入を17万6000円と見積もっています。一方、支出では、印刷費6万円、通信費6万円、製作部補助2万円、会議交通費補助1万5000円、総会費2万円、交流費5000円が主な支出項目で、その他は予備費として予算化させていただきました。
〈ハーネス基金会計予算〉 既に報告しましたが、ハーネス基金は2003年度末現在で292万3655円となっています。本年度はこれに会員からの会費収入17万6000円を加えて、合計で309万9655円となる見込みです。一方、支出として、盲導犬と引退犬32頭の健康管理助成費として16万円を計上しました。また、本年度から改訂されます高額治療費支援費は請求条件が大幅に緩和されたために支出の増額が予想されますが、十分に対応できると考えています。
★☆★ ハーネス基金改定 ☆★☆
『高額治療費への助成は支払額に応じて算出』
本年度はハーネス基金(盲導犬・引退犬健康管理基金)の運用規則の一部を改訂して、疾病治療のために高額治療費を支払った盲導犬使用者または引退犬飼育者が治療費助成を受けやすくしました。
(1) どのように変わるか?
ア.1年間の治療費総額が5万円を超えた場合に、5万円を超えた金額の5割(半額)がハーネス基金から治療費助成金として受けられます。
イ.受けられる助成金額=(支払った疾病治療費-50,000)×0.5
(2) 治療費助成を受けられる対象
ア.疾病のための治療費
イ.疾病診断に必要な検査料
ウ.手術料
エ.入院費
オ.投薬料
尚、フィラリアを始め各種の予防薬の投与は助成対象にはなりません。
(3) 手続き
ア.本会事務局に「疾病治療費助成申込書」を請求して下さい。
イ.「助成申込書」を治療を受けた動物病院(獣医師)に必要事項を記載して いただき、治療費支払い証明を受けて下さい。
ウ.獣医師の証明を受けた「治療費助成申込書」を事務局にお送り下さい。
【総会:交流会】
『日頃の体験を語り合う』
総会議事の終了後に丸子町の上原弘三さんと岡谷市の北沢とも江さんの体験談を聴くミニ講演会が行なわれました。上原さんは長年に渡り専業農家を続けており、中途失明された現在もりんごやブドウなどを中心に数種類の果樹栽培をされています。中年になるころから少しずつ視力が低下していましたが、8年前に全く見えなくなりました。上原さんのパートナーはジギー。通常の歩行はもとより果樹園内での農作業でも心強い相棒となっています。中途失明後も農業を続けている視覚障害者の例は全国的にも極めて少なく、上原さんのこれまでの体験と現在の様子は昨年NHKラジオ第2放送の「視覚障害者の時間」で全国放送された他、信越放送の「SBCスペシャル」でもテレビ放映されています。
一方、北沢とも江さんは岡谷市の自宅で治療院を開業されています。40代後半で視力を失われた後、一願発起して松本盲学校の専攻科理療科に入学されました。家族の心強い支えがあったことは言うまでもありませんが、北沢さんは岡谷から松本への毎日の電車通学のために盲導犬訓練を受け、ゼーダーをパートナーとして3年間通い続けました。既に北沢さんの体験記は本会報でも「ベストパートナー」という連載で会員のみなさんには読んでいただいています。夫婦で口喧嘩をするとゼーダーが落ち着かず家の中をそわそわし始めると日頃のゼーダーとの生活の様子などをユーモアを交えて軽妙に語ってくれました。
会場は二人の体験談にしばし驚きのため息と和やかな笑い声が続いていました。
【総会風景】
『ワンちゃん10頭、会員30名が出席』
中央公民館(Mウィング)4階にある会議室には机と椅子がロの字型に配置されており、盲導犬使用者会員はそれぞれ適当な間隔を置いて席につき、その足下にはパートナーが静かに伏せていました。総会に30名の会員と盲導犬10頭もが出席したのはこれまでに初めてのこと。会場内はほぼ満員。ワンちゃんたちはそれぞれ会場に入って来たときはお互いに挨拶でもしたいかのように少し興奮気味でしたが、決して大声で吠えるような不調法なワンちゃんは1頭もなく、会議中はほんとにいるかいないかわからないほど静かに伏せていました。総会には松本市や中信地区を始め長野市、岡谷市、坂城町、佐久町、丸子町などの会員も出席していただきました。
今回は松本市内の会員に総会開始前30分ぐらいの間を松本駅からMウィングの何カ所かに立っていただき盲導犬使用者会員で地理に慣れない人たちの案内をしていただきました。何人かの使用者がJRやバスを利用して来られましたが、「とてもありがたかった」というお礼のことばをいただきました。
《デビュー》
『小田さんが2頭目のパートナーと歩き始める』
千曲市の小田道子さんは3月に2頭目のパートナーとの共同訓練を受け、4年ぶりに盲導犬歩行を再会しました。パートナーの名前は“バル”。雌のラブラドールで色はイエロー。バルは大阪の日本ライトハウス行動訓練所の出身で、現在は2才6ヶ月になります。若い割には落ち着きがあり、お茶目で大変なあまえんぼうだそうです。そして、毎朝、必ず小田さんの顔をなめて主人を起こすことが日課になっているとのことです。(え!?聴導犬もビックリ!?)皆さん、どうぞよろしくお願いします。
尚、小田さんのバルを含めて県内の現役盲導犬は3月現在で27頭となりました。
《編集後記》
猛暑の続く今年はワンちゃんたちの暑さ対策がよく話題になります。暑さの厳しい時間帯はできるだけ外出を避けることが望ましいのですが、盲導犬の場合はそうも言っていられない場合もあります。今年は特殊な素材で作られているアンチオーバーヒートティーシャツ(防暑ティーシャツ)と呼ばれるコートと靴(ドッグシューズ)の売れ行きが好調ということです。私自身はオシャレ感覚で犬にコートやドレスを着せるようなことは好きではありませんが、この暑さから愛しいパートナーを護ってやらなくてはと思っています。
発行が遅れてしまい申し訳ありません。本号は総会の様子を少し詳しく載せました。連載の『コメンタリー』、『盲導犬ミニ知識』、『ベストパートナー』は都合により休ませていただきました。
(原)
(編集係 原)