ハーネスながの 2009年 8月 第30号
発行:長野県ハーネスの会 会長 原 哲夫
〒390-0304 松本市大村492-3 TEL・FAX(0263)46-9611
第30号 目次
《ハーネス総会》
『2009年度総会終わる』
《報 告》
『2008年度会計報告』
《コメンタリー》
『会報、あえぎあえぎの30号』
《リタイヤ&デビュー》
『ヴェネティーの引退とバイダルとの出会い』
《リタイヤ犬その後》
『マックスとアルスターが車椅子デビュー』
《インフォメーション》
テレビ番組『ペット大集合ポチたま』
参加者募集『”ハーネスながの”MLを始めます』
《国内ニュース》
『日本で最初の盲導犬のハーネスを発見』
《ハーネス交流会》
『平成21年度ハーネス交流会参加者募集要項』
《事務局から》
『ハローアニマル(県動物愛護センター)の訪問検診について』
《編集後記》
目次終わり
《ハーネス総会》
『2009年度総会終わる』
長野県ハーネスの会総会は、7月12日(日)午後、松本市県の森文化会館105教室で行われました。出席者は16名。盲導犬は8頭でした。
総会では、先ず2008年度の取り組み(活動)報告と会計報告および会計監査報告が承認されました。引き続き本年度の取り組み計画案と一般(運営)会計およびハーネス基金会計の予算案を審議し、全員一致で承認されました。
2009年度の取り組みとして、①ハーネスの会の組織と運営の改革、②長野県ハーネスの会のML(メイリングリスト)の運営③ハーネス基金の支援内容の検討を新たな活動とすることを決めました。また、一般会計は前年の2008年度とほぼ同額ですが、ハーネス交流研修会(旧:長野・山梨交流会)の参加者に少額ながら参加費を補助することを決めました。
ハーネス基金会計では、本年度も昨年と同様の支援を続けることが承認されました。しかし、長期的には現状のままでの支援は困難になることが予想されるために、本年度内に、今後の支援内容を見直すことも確認されました。
本年度の支援内容は、次の通りとなります。
①健康管理費助成は1頭当たり5,000円
②疾病治療費助成は支払われた医療費の半額
③死亡見舞金は10,000円
《報 告》
『2008年度会計報告』
昨年度(平成20年度)の「一般会計」と「ハーネス基金会計」の決算報告をします。
1 一般(運営)会計
《収入の部》
科目 決算額 (内訳)
前年度繰越金 212,385
会費より繰入金 136,000 (136名×1,000円)
預金利子 33 (八十二銀行口座預金利子)
合計 348,418
《支出の部》
科目 決算額 (内訳)
事務費 33,562 (封筒印刷 1000枚 10,500)
(現金封筒 2枚 40)
(ファイル、ホルダー、カセットテープほか 2,072)
(点字ラベルテール 4本 9,030)
(助成金振込通知の目隠し用紙 1,050)
(会費振込手数料 82名分 9,320)
(@120×69名、@80×13名)
(振込通知再発行手数料 No.32 500)
通信費 20,890 (封書 191通 18,640)
(助成金振込通知用ハガキ 45枚 2,250)
印刷費 6,725 (会報印刷(紙代含む)220部 6,275)
カセットテープダビング代(9本) 450
HP管理費 3,500 (ドメイン、サーバーレンタル代)
交通費 25,740 出張旅費
(11/7 伊那市役所 4,000)
(ガソリン 2,500 高速1,500)
(1/8 県庁にて懇談会 7名 17,400 出席者交通費)
運営委員 年間交通費 2名 4,000
次年度繰越金 258,001
合計 348,418
ハーネス基金会計
《収入の部》
科目 決算額 (内訳)
前年度繰越金 3,870,800
会費より繰入金 136,000 (136名×1,000円)
カンパ寄付金 165,365 (会員より 28名 149,000)
(一般の方より 16,365)
(竹内里沙様 募金箱 1,166))
(知多市南粕谷 エリン応援団 5,199)
(松本盲学校H20作業グループ 10,000 川手達也君、望月由梨さん)
預金利子 2,977 (八十二銀行 907 郵貯銀行 2070)
合計 4,175,142
《支出の部》
科目 決算額 (内訳)
健康管理費 160,000 (盲導犬25+引退犬7 32頭×5000円)
疾病助成金 841,146 (前期 17頭分 15名へ 411,136)
(後期 12頭分 10名へ 430,010)
送金手数料 5,460 (銀行口座宛のみ有料……30名分
郵貯銀行宛は0円………17名分 )
死亡見舞金 20,000 (香料として 2頭分 カナット、ゼノビア)
次年度繰越金 3,148,536
合計 4,175,142
〈メモ〉 会費2,000円は、運営費として一般(運営)会計に1,000円、ハーネス支援費としてハーネス基金会計に1,000円を振り分けています。また、会員から2,000円を超える送金をいただいた場合も、ハーネス支援費1,000円と超過分は寄付金として全てハーネス基金会計に入れています。非会員の方や団体からのカンパや寄付金は、全てハーネス基金会計に入れています。
《コメンタリー》
『会報、あえぎあえぎの30号』原 哲夫
本紙、会報”ハーネスながの”は、1998年11月の創刊から数えて通巻30号を迎えた。そしてハーネスの会は発足して11年が過ぎた。創刊から第5号までは長野市の加藤久美さんが全ての編集を担当してくれた。2人目のお子さんが生まれて育児が多忙になって、それ以後は私が引き継いで今に至っている。
バックナンバーを辿って見ると、第20号は06年1月に発行しており、記念号として特集「パートナーと私」を企画している。ユーザーの北澤とも江さんがボランティアの井上緑さん、会員の清水順子さんの協力を得て県内の20名余のユーザーとそのパートナーを訪問して書いたインタビュー記事をカラー写真付きで載せた。折しも「戌年(いぬどし)」の新年号であった。
第20号を発行した後、「次は30号だ」と何となく目標を持ったような記憶がある。プールで泳いでいて何回目かのターンをして次のターンに向けて泳ぎだしたときのような気持ちと似ていた。ところが、次のターン直前で喘ぎ始めた。それまでは年間ほぼ3回発行のペースを刻んでいたが、第28号を過ぎて急に失速し、1年間漂ってしまった。やっと第30号のタッチパネルに手が触れた心境である。特集は企画しなかった。「そうさ、人だって社会だって20歳のお祝いは盛大にやってくれるが、30才は誰だってそっと通り過ぎているじゃないか。」と自らを慰めている。
これまで私は、「盲導犬使用者や盲導犬を取りまく社会の状況そして会の活動の様子をできるだけ知ってもらおう」というような気持ちで続けてきた。そのときその都度、思いつくまま行き当たりばったりで原稿をお願いしたり情報を集めたりすることも多かった。長く担当しているとマンネリズムに陥ることは避けられない。紙面の雰囲気をリフレッシュするためにも早くバトンタッチしたい。
最後に会報が会員に届くまでの流れを紹介する。第一次編集は原が行い、原稿が全て集まるとテキストファイルのデータを電子メールで第二次編集の池田康子さんに送る。池田さんは校正と紙面全体のレイアウト、更に写真やイラストを加えて印刷用文書ファイルにする。そしてそのデータを添付ファイルとして印刷所(通所授産施設「ふれっ手」)の吉川敞子さんに送る。墨字版印刷はふれっ手の情報部門で、点訳・点字版印刷は吉川さんが担当してくれている。会報が刷り上がると事務局の田中安子さんが封筒準備から郵便局での発送までを担当してくれている。また、カセットテープ版音訳はボランティアの中村久美子さん、電子メール版は前野弘美さんが必要な手直しを加えた後、配信している。
《リタイヤ&デビュー》
『ヴェネティーの引退とバイダルとの出会い』長野市 樋口あゆみ
4月23日、1頭目のヴェネティーが引退しました。引退後は、同じ市内の動物病院のトリマーさんのお宅でかわいがっていただくことになりました。
そのお宅には同い年のダックスの男の子がいるのですが、新入りのヴェネティーに焼き餅を焼いて威嚇されたり、逆にヴェネティーがダックスくんのご飯まで食べちゃったり、そうかと思えばお留守番中に大きな雷が落ちた時は一緒に寄り添っていたり…(笑い)、しっくりいかなかった2匹も最近は当然のように一緒にいられるようになったそうです。山にいったり川で筏に乗ったり、たくさん遊んでかわいがっていただいているとメールをいただくのですが、ついでにいたずらもし放題だとか(苦笑)。
そして、私は2日後の4月25日から東京のアイメイト協会の歩行訓練を受け、1ヶ月後、新しいパートナーのバイラルと一緒に長野に帰ってきました。
バイラルは、マレー語で「踊り」という意味だそうです。2007年9月9日生まれ、イエローのラブラドールです。いつも尻尾ぶんぶんのお茶目な女の子です。ハーネス・リード・コートなど、お仕事に関係する物がとにかく大好きで、出かける前は大興奮!長野に来たばかりの時は敷物を2枚かじられたり、やれやれと思いつつ、あっという間に2ヶ月経ちました。でも、ハーネスを付けると仕事はきっちりこなし、命令に忠実で、飲み込みも早いです。1頭目のヴェネティーと歩いていた場所はほとんど歩けるようになりました。
9月には、3泊プラスバス1泊の社員旅行があり、バイラルが来てまだ日も浅いので、参加するかどうか迷いました。試しにお泊まりの練習に温泉に1泊し、入浴中に部屋で待たせることも、客室の浴室で袋を付けてのワンツーも、なんとかこなしてくれたので、社員旅行にも参加することにしました。
これから、ヴェネティーのように、色々な経験をさせたいと思います。
《リタイヤ犬その後》
『マックスとアルスターが車椅子デビュー』松本市 茅野永伯
マックスは原さんからお預かりして6年、17歳の超高齢犬になりました。年齢と共に病気がちとなり、不整脈、脳梗塞、肝機能障害、貧血等の症状を発しましたがなんとか乗り越えて来ました。しかし年齢的な衰えは否めず筋力低下が進み特に後ろ足の力が弱くなり、立ち上がりも自力では厳しく介助が必要で、大好きな散歩はサポートバンドで支えながら行っていましたが、私自身の負担が大きいため「犬用車椅子」の使用を決めました。
アルスターは、丸山さんからお預かりして3年、14歳の高齢犬になりました。昨年(2008年)春頃から度々体調を崩し点滴治療等をしてきましたが、8月に右脇腹のこぶ状悪性腫瘍の摘出手術(約1.9kg)を、脾臓血腫で12月に再び摘出手術(約2kg)をしました。非常に厳しい貧血状態が続き体重が35kgから25kgまで減少し、さらに甲状腺異常のため一時はだめかもしれないと覚悟をしました。伊藤動物病院の手厚い治療で奇跡的に回復し散歩が出来るようになりました。しかし、体力の減退が著しくサポートバンド無しでは歩けないのでリハビリのためにも「犬用車椅子」が必要と判断しました。
車椅子のリサーチを始めて、日本サービスドッグ協会様からの紹介で「フントの車いす屋さん」に注文することになりましたが製作に時間が掛かるので、現状ではアルスター用を急いで入手することが必要と考え、「チビ太の車いす屋さん」からレンタルすることになりました。
このタイミングで「フントの車いす屋さん」に、初めて車椅子を使い始めるワンコをTV取材したいとの申し込みがテレビ東京の制作会社からありました。そして、アルスターの車椅子デビューを取材してもらうことになりました。
8月3日の夕方車椅子が届き早速装着、しばらくとまどっていましたがびっくりするくらいスムースに引き回してくれました。
いよいよ車椅子デビュー4日の朝は、1年半ぶりに私たち夫婦とマックス、アルスターで出かけることにし、ご近所の皆さんに顔を出してアルスターを誉めていただき、元気だった頃の楽しい感覚を思い出すよう演出しました。
これが壺にはまった感じで、盛んにしっぽを振って嬉しそうでしたし、マックスと一緒に歩くことで刺激になったのか、1時間15分も散歩を楽しむことが出来ました。
マックスの車椅子も近々届きますので、これからも体調を見ながら二人と二頭で散歩を楽しんでゆきたいと思っています。
《インフォメーション》
テレビ番組『ペット大集合ポチたま』
松本市の茅野永伯さんが飼育している2頭のリタイヤ犬のマックス(17才)とアルスター(14才)の最近の様子がテレビ番組で紹介されます。テレビ東京の「ペット大集合ポチたま」です。
キー局での放送は、9月11日(金)午後7時から7時54分。長野県内ではSBC信越放送(TBS系列)で9月12日(土)午後1時5分から2時までの予定です。8月始めに3日間にわたって茅野さん宅などを中心に松本市内で制作スタッフによる取材が行われました。
参加者募集『”ハーネスながの”MLを始めます』
運営委員会 前野弘美
長野県ハーネスの会の皆さまへ
日頃の会の活動へのご協力に感謝致します。ありがとうございます。
さて、長野県ハーネスの会では会の行事や諸情報を皆さまへお伝えすると共に会員相互の意見交
換の為に、メーリングリストを開設する事となりました。
つきましては、メールアドレスをお持ちの方は、運営委員会の前野弘美までお知らせ下さいますようお願い申し上げます。
このメーリングリストは、ハーネスの会の会員の皆さんを参加者としてハーネスの会からの情報提供と皆さんの意見交換を目的に運用致します。迷惑メールなど配信されないよう管理致しますので是非ご参加下さいませ。
《国内ニュース》
『日本で最初の盲導犬のハーネスを発見』産経新聞記事
日本最初の盲導犬が身に着けたハーネス(胴輪)が、大分市の民家で見つかった。日中戦争で失明した軍人の社会復帰を助けた盲導犬のもので、日本盲導犬協会が28日、発表した。
協会などによると、日本で初めて実用化された盲導犬は、1939年にドイツから輸入された4匹のジャーマン・シェパード。ハーネスは4匹のうち「リタ」という名の雌犬が使用したものという。革製で、構造は現在のものとほぼ同じ。リタは富山市の戦傷失明者から、大分市の安部米吉さん(故人)に譲られた。中国戦線で砲弾の破片を受け失明した安部さんを、農作業現場へ誘導するなどしていた。終戦直後の混乱期に病気で死んだという。
設立40周年を記念し日本の盲導犬の歴史を調査していた同協会が、安部さんの遺族がハーネスを保管していることを突き止めた。(産経新聞/7月29日)
♯この記事は産経デジタル社の許可を得て掲載しました。
《ハーネス交流会》
『平成21年度ハーネス交流会参加者募集要項』
○主催:山梨県ハーネス友の会・長野県ハーネスの会
○幹事:中嶋司郎(山梨県ハーネス友の会)・前野弘美(長野県ハーネスの会)
1 目的:集まった人が疑問や意見を交換し、盲導犬と過ごす中で理解を深める。
2 内容:温泉と研修会・盲導犬と過ごす一日・疑問や不安の解決、意見交換など
参加資格は問いません。楽しい体験や、会話と懇親会のイベントとしてご参加下さい。
3 期日:平成21年9月5日(土)・6日(日)
4 日程:
【9月5日(土)】
9:00 松本駅西口発
10:00 岡谷駅発
11:15 双葉サービスエリアにて昼食
12:15 双葉サービスエリア発
12:45 ホテル到着・集合
13:00~17:00 ホテル内会議室にて研修会(疑問・意見交換)。
19:00~21:00 懇親親睦会
※入浴は滞在中可能です。
【9月6日(日)】
7:00 朝食
8:30 ホテルを富士ハーネスに向け出発
10:00 富士ハーネス到着予定
(施設見学・デモンストレーション・ドックラン・昼食)
13:00~15:00 富士ミルクランド
(いろいろな体験コーナー・ふれあいコーナー・ショッピング等)
15:30 富士ミルクランド発 帰途予定
17:30 岡谷駅発
18:30 松本駅西口発
※長野県からは、バスでの参加を予定しており、山梨でも、6日(日)はバスをチャーターして移動することを前提に計画されています。それらの経費は、それぞれの会にて負担するものとし、他の参加者については、できる限り双方のバスへ乗り合わせていくこととします。
5 研修・見学場所
【5日(土曜日)】
山梨県石和温泉 ホテル甲斐路(会議・懇親会・宿泊)
〒406-0024 山梨県笛吹市石和町川中島1607-40
TEL:055-262-7373
FAX:055-263-5677
【6日(日曜日)】
午前:盲導犬の里 富士ハーネス(日本盲導犬総合センター)
静岡県富士宮市人穴381
TEL:0544-29-1010
FAX:0544-54-3030
午後:ミルクランド株式会社 富士ミルクランド
〒418-0103 静岡県富士宮市上井出3690
TEL:0544-54-3690
FAX:0544-54-2932
6 交通:バスによる移動(坂田様提供)
※バスへの乗車場所:松本駅西口、岡谷駅
7 費用
【大人】
①長野県よりバス利用、研修会より日曜日の昼食まで…16,500円
②長野県より行きのみバス利用、懇親会後帰宅される場合… 7,000円
【小人(小学生以下)】
①長野県よりバス利用、研修会より日曜日の昼食まで…11,500円
※小人の扱いは、宿泊される場合に限らせていただきます。
※バス乗車場所までの交通はそれぞれご負担ください。
※宿泊は、5日懇親会(夕食)、6日朝食と昼食を含みます。
※参加申込みは8月22日(土)までにお願いします。
※最終変更は9月2日(水)までにお願いします。
※ご不明の点はお問い合わせください。
8 申込先:長野県ハーネスの会 前野弘美
※お名前・連絡先(電話・住所)・集合場所をお知らせ下さい。
《事務局から》
『ハローアニマル(県動物愛護センター)の訪問検診について』
ハローアニマルでは毎年10月~11月にかけて盲導犬など補助犬を対象とした無料訪問検診を行っています。ハローアニマルの獣医さんがユーザーのお宅を訪問して診察した後、血液、便、尿を持ち帰り、検査結果を後日伝えてくれるものです。今年で5回目になりますが、これまでは7~8名のユーザーが利用しています。ユーザーが希望すれば、検査結果のデータ(ペーパー)をそれぞれの主治医に送ってくれます。
新しく希望するユーザーは、直接ハローアニマル(有賀課長:0267-24-5071)に連絡するか、事務局(原)までお知らせ下さい。
《編集後記》
残暑お見舞い申し上げます。とはいっても、なかなか夏らしい日差しにはなりませんね。今年は南高梅を購入して、初めての梅干しづくりに挑戦してみましたが、この天候、未だに土用干しできずにいます。7月の日照量は例年の70%とか。野菜の価格の高騰が心配です。
みなさん、暑い夏を元気に乗り切りましょう。(池田)