ハーネスながの 2011年 8月 第35号
発行:長野県ハーネスの会会長 前野 弘美
TEL 0263(35)7938 携帯 080-1043-7315
事務局:〒390-0304 松本市大村492-3
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第35号 目次
《総会報告》
『新組織と新役員体制スタート』
『新しい運営委員会のメンバー』
《ご挨拶》
『新しい組織になって』
『これまでの経験を踏まえて』
『新ハーネスの会に期待します』
《チーム紹介 1》
『対策チームのモットーは迅速、果敢、おおらかに』
『事務局の窓から』
《ハーネス基金》
『平成23(2011)年度ハーネス基金支援実施要項』
《信州 こんなところ、こんな話 ②》
《県障害者支援課から》
『障害を理由とした差別事例の募集』
《ハーネス広場》
『会員からのメッセージ』
《事務局から》
『お知らせ』
《編集後記》
目次終わり
これより本文
《総会報告》
『新組織と新役員体制スタート』
長野県ハーネスの会2011年度総会は6月5日(日)、会員20名が出席して長野市障害者福祉センターで開かれました。本年度総会では、平成22年度事業報告と一般会計およびハーネス基金会計の決算報告、平成23年度事業計画案と一般会計およびハーネス基金会計の予算案が承認されました。その後、会組織の改編を中心とする本会規約の一部改正案が審議され承認されました。また、本年度は2年に1度の役員改選が行われ、発足以来13年間に渡って会長を務めてきた原哲夫さんに代わって、新会長に前野弘美さんと副会長に加藤久美さんを選びました。任期は3年(本年度から改正)です。午後は規約改正によって新しくスタートした実行チームのそれぞれチーム会議が開かれ、正副チームリーダーを選び、チームの活動方針などを確認しました。
『新しい運営委員会のメンバー』
会長 前野弘美(松本市) 副会長 加藤久美(長野市)
対策チーム CL 池田 純(長野市) SL 福崎直明 (松本市)
ウェルカムチーム CL 丸山訓代(松本市) SL 上原弘三(上田市)
広報・編集チーム CL 原 哲夫(飯田市) SL 北沢とも江(岡谷市)
ハーネス基金チーム CL 齊藤慎一(松本市) SL 田中安子(松本市)
事務局チーム CL 田中安子 SL 前野弘美 加藤久美
※ CL:チームリーダー SL:副チームリーダー
《ご挨拶》
『新しい組織になって』 会長 前野弘美
皆様、こんにちは。 原会長の後を引き継ぎました。前野弘美です。本年度組織も一新され皆さんが活動に参加しやすい形に変わってきました。今までのハーネスの会の活動とその業績は大きなものです。社会や環境がより良い形に変わり皆さんの生活が豊かで安心できる事が普通であるようになる事を思い描いて皆さんと活動していきたいと思います。是非一緒に活動しましょう。出来るだけ外に向かってのイベントをしながら一緒に歩き楽しみ苦労の出来る仲間を増やしていきたいと思います。意見や要望など遠慮無くお寄せいただき一緒に考えて活動していきます。どうぞよろしく、お願い申し上げます。
『これまでの経験を踏まえて』 副会長 加藤久美
こんにちは。この度ハーネスの会副会長をさせていただくことになりました、長野市の加藤久美と申します。このような大役は初めての経験で、私がお役にたてるものかどうか不安もありますが、前野会長を支え、運営委員のみなさんと一緒にできる限りのことをしていきたいと思っております。会員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 少し自己紹介をさせていただきます。初めて盲導犬と歩いたのは、今から丁度22年前の8月でした。1頭目のパートナーはキュート。私の出身地である愛媛県松山市での盲学校生徒時代から東京で一人暮らしをした大学時代、そして就職して松本市へ。その後結婚して長女を出産。現在の長野市に引っ越して長女が2歳になるまでの8年間、ともに暮らしました。愛媛を飛び出して東京で一人暮らしをすることができたのも、まったく知らない土地だった松本にくる決断ができたのも、キュートがいてくれたおかげです。キュートがリタイヤした後にきた2頭目のパートナーはルクリアです。その後次女を出産したので、彼女は娘達が小さい頃の子育てを応援してくれました。小さな子供をつれて安全に歩くことができたのもルクリアのおかげだと感謝しています。そして、ルクリアがリタイヤした後、5年前にやってきたのが今のパートナーのハバネラです。子供達もだいぶ大きくなり、ハバネラは私の三女のような存在です。よく「末っ子はかわいい」といいますが、本当にそんな感じでかわいくて仕方がありません。と、親ばかぶりを発揮してしまいましたが、このハバネラもまた私の眼となって、いつでもどこでも私の側にいてくれる心強い存在です。 3頭のパートナーと歩んできた22年、いろいろなことがありました。盲導犬への理解は、22年前に比べるとかなり進んできたと思います。でも、まだまだ私達盲導犬ユーザーが暮らしやすい社会になったとはいえないのが現状です。盲導犬を持つことで突き当たる壁もあります。22年間の私の経験がどれだけお役にたてるかわかりませんが、ユーザーもそれを受け入れてくださる方々も気持ちよく暮らしていけるように、役員の1人として努力していけたらと思っております。
『新ハーネスの会に期待します』 前会長 原 哲夫
私は本年の役員改選を機に会長を退かせていただきました。長野県ハーネスの会発足以来13年間、会員の皆様の本会の活動に対するご理解とご支援に心から感謝しております。また、役員として一緒に本会の活動を進めてきてくれた4名の運営委員の方にはいろいろ助けていただきました。皆様、本当にありがとうございました。 13年前に本会が発足するきっかけは、松本市内の一人の使用者の病気がちのパートナーにかかる高額の医療費問題でした。市民のみなさんに広く理解していただき、盲導犬が健康で安心して働けるように支援の和を作ることでした。お陰様で翌年には会員のみなさまの年会費と一般市民の方々からの寄付金やカンパを基金とするハーネス基金を立ち上げ、県内で働く盲導犬と引退犬への健康管理費支援を始めることができました。現在は、疾病治療費の半額支援、死亡見舞も行っています。内容的には必ずしも十分ではありませんが、盲導犬使用者や引退犬飼育者にとっては心の支えとなっています。また、盲導犬使用者の居住する市町村では、本会が取り組んできた「補助犬飼育管理費助成制度」が定着してきました。 一方、この間に国レベルでは「身体障害者補助犬法」が施行され盲導犬(補助犬)が働く上での社会的障壁も少しずつ改善されてきました。しかし、受け容れる側の人や場所によっては情報不足や誤解によって盲導犬同伴を拒むケースもときどきあります。
そこで本会では残された課題の解決と活動の活性化を目指して一昨年から組織の改編を検討してきました。本年度の総会でその形が定まり新しい方向性も見えてきました。できるだけ多くの会員に活動に参加してもらえるようにチーム制を採り入れること、松本市と長野市で交互に役員会を開くこと等々。具体的には盲導犬使用に関わる問題に迅速に対応したり県障害支援課への要請活動を充実するために『対策チーム』を設けました。長野県ハーネスの会の活動はいよいよ第2世代に入りました。前野会長、加藤副会長を中心に今必要としている課題に向かって果敢に且つおおらかに取り組んで行くことを期待しております。会員の皆様、これまで同様ご理解とご支援をよろしくお願いします。ありがとうございました。
《チーム紹介 1》
『対策チームのモットーは迅速、果敢、おおらかに』 チームリーダー 池田 純
新たに新設された「対策チーム」の名称は、福崎さんが名付けました。メンバーは、10名を超え、リーダーを池田純、副リーダーを福崎直昭さんの体制でやっていきます。ハーネスの会が発足してからこれまでは、何か問題があると、原会長に連絡して、取り組んでいただいてきましたが、今後は、みなさんが盲導犬をめぐる問題に遭遇した場合には、まずは対策チームで対応させていただきます。
①利用者が、身体障害者補助犬法の用意しているトラブル解決のシステムとその限界について理解すること。
②トラブルの連絡のあった場合には、まずは、長野県の相談窓口に連絡し、問題の解決を図ります。ただし、長野市内の方は、長野市に連絡をします。
③長野県や長野市の相談窓口での対応が適切ではないと判断された場合には、新聞社等に連絡をします。
このような方針やっていくつもりですので、どんな些細なことでも、ご一報ください。迅速な対応をモットーに問題の解決に当たるつもりです。
『事務局の窓から』 チームリーダー 田中安子
ハーネスの会が発足して13年、その間何頭ものワンちゃんが旅立ちました。亡くなられた会員様も何人か居られ、御家族がご意志を継いで下さっている事に頭が下がります。また年金生活を期に退会のご連絡も何人かからいただきました。今更ながら多くの方の温かなお気持ちに支えられている活動なんだと姿勢を正しています。毎年130名程の会員の方からの年会費(2000円)とカンパにて運営されてきましたが、数名の運営委員の手弁当の活動は負担も多く、またユーザーのみなさんの声がなかなか聞けない事に物足りなさも感じていました。今度は多くのユーザーさんが運営に参加する新体制には、大いに期待しております。願わくはサポート面として、一般会員の方の参加をお願いできないかと思っています。
《ハーネス基金》
『平成23(2011)年度ハーネス基金支援実施要項』 ハーネス基金チーム
本年度のハーネス基金による支援を下記の通り行います。昨年と異なる点は、「疾病治療費助成」は1年分をまとめて2月中に行うことです。
1.支援の内容と金額
①健康管理費支援(フィラリア予防支援) 1頭 5,000円 全員
②疾病治療費支援 支払った疾病治療費の2分の1 申請者
③死亡弔慰金 1頭 10,000円 申請者
2.支援の対象となる期間
平成23年4月1日から12月31日
3.申請締め切り期日
疾病治療費支援 平成24年1月20日
死亡弔慰金 平成24年1月20日
健康管理費支援 申請不要
4.実施までの日程
平成24年2月5日 ハーネス基金チームによる審査
2月末 支援の実施
3月4日 運営委員会報告
5.留意事項
①次のような処置内容は「疾病治療費支援」の対象にはなりません。
(例) 爪切り シャンプーやトリーミング 混合ワクチン接種費用 フィラリア予防費用
②動物病院で発行される領収書には疾病名、処置内容を付記してもらって下さい。
(以上)
《信州 こんなところ、こんな話 ②》
〔ご報告〕
前号で紹介しました、南信州喬木(たかぎ)のイチゴ狩りについてですが、喬木農村交流研修センターの協力により、喬木いちご狩りハウスに、補助犬歓迎ステッカーを貼っていただくことができました。清水純子さんの働きかけのたまものです。清水さん、ありがとうございました。今年のイチゴ狩りシーズンは終了しておりますが、来年のシーズンには、皆様、是非、南信州喬木のイチゴ狩りにお出かけくださいね!
〔今号では、ウォーキングコース〕
盲導犬、愛犬と一緒に、楽しく歩ける、ウォーキングコースのご紹介をさせていただきます。
~諏訪湖遊歩道~
信州のまん中諏訪湖には、湖を一周出来る遊歩道が整備されています。諏訪湖の周囲は山々が連なり、遠くは富士山も眺められる絶好のロケーション。自然豊かな環境の中で、水鳥の羽ばたきの音や、風の音を聞きながら歩く爽快さは一度は体験してみたい魅力のスポット。遊歩道は1周16キロ。遊歩道には岡谷の釜口水門を基点にした現在地の距離が標示されていますので、自分のペースに合わせて歩行距離を調節出来ます。諏訪湖周辺には、多くの観光施設や、温泉入浴施設、公園などが点在していますので、ウォーキングとセットにして、一日遊ぶことが出来ます。河川敷を利用して作られた、無料のドッグランもあります。(諏訪市ヨットハーバー近くの上川河口)自家用車で諏訪湖に行かれる方には、諏訪湖周囲に無料の駐車場が点在しています。
★ 電車利用の場合、岡谷、下諏訪、上諏訪の各駅から諏訪湖までの所要時間
岡谷駅から釜口水門まで、徒歩18分
下諏訪駅から下諏訪町漕艇庫まで徒歩約20分
上諏訪駅から遊覧船乗り場まで、徒歩12分
〔写真紹介~元気にやってます!!~〕
喬木の清水さんの飼育されている、引退犬バイラル、名前をあんずちゃんと改め、ただいま清水農園の看板犬として活躍中。いちごのシーズンが終わってからは、きゅうり畑の見回りに精出しているもよう。ときどき、きゅうりの味も自らチェック??清水さんの観察に寄れば、あんずちゃんの舌が肥えてきたとのことです。
《県障害者支援課から》
『障害を理由とした差別事例の募集』
県では、障害を理由とした差別等をなくし、障害のある人もない人も共に安心して暮らすことができる社会を実現するため、条例の制定を含め、その仕組みづくりについて、障害当事者や弁護士、行政関係者等で構成する「障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会」を設けて検討を始めました。この研究会における検討に資するため、広く県民の皆様から、障害を理由とした差別と思われる事例を募ることとし、その募集内容等を長野県ホームページに掲載しました。
http://www.pref.nagano.lg.jp/syakai/fukusi/jirei/jirei.htm
つきましては、御多用中誠に恐縮ですが、利用者の皆様への周知等について御協力をお願いします。会員のみなさんの中で身近に「障害を理由とした差別の事例」をお持ちの方、またはご存知の方は本会の対策チームリーダーの池田にお伝えください。県庁の障害者支援課に直接お伝えするのもよいと思います。
池田 純
長野県障害者支援課在宅支援係
(お問い合わせ) 長野県健康福祉部 障害者支援課 在宅支援係 半田英俊
〒380-8570(専用番号) 電話: 026-235-7104
《ハーネス広場》
『会員からのメッセージ』
皆様の活動に心から感謝いたしております。 (諏訪市・伊藤さん)
「ハーネスながの」いつも楽しみに読ませていただいています。(佐久市・ 黒澤さん)
厳しい暑さに向かいます。ユーザーの皆様とワンちゃんのご健康を心よりお祈り申し上げます。(松本市・三村さん)
日々の活動ご苦労様です。会報「ハーネスながの」楽しみに読ませていただいています。(松本市・大蔦さん)
ご苦労様です。なかなかお手伝いできなくてすみません(喬木村・清水さん)
会の御発展をお祈りします。(松本市・今村さん)
いつも現役の盲導犬または引退犬を温かく支援して下さり、ありがとうございます。私は盲導犬「ヤヤ」と共に、街中ノルディックウォーキングを楽しみたいと思っております。どうぞ街中で、お声を掛けて下さい。(松本市・滝沢さん)
東日本大震災という大変な出来事がありました。会員の皆様にはお変わりありませんか?気候の変動もいちじるしく変化の多い毎日でしたが、この所ようやく初夏らしくなって参りました。お身体に気をつけて下さいませ(長野市・多田さん)
松本の地震で隣家の犬は驚いて家を飛び出し、一時行方不明になりました。そうした状況下で盲導犬は、どのような行動をしましたか? 暑さに負けぬよう皆様 お身体大切に。(松本市・鈴木さん)
今年から新しく加入させて頂きました。ワンちゃん達の健康に少しでもお役にたてればと思っております。(塩尻市・平林さん)
今年から入会させて頂きました。会が益々御発展されますようにと願っております。(塩尻市・平林さん)
《事務局から》
『お知らせ』
・「長野県ハーネスの会規約」(平成23年改正版)ができました。ご希望の方は事務局までご連絡ください。
・本年度の疾病治療費支援は4月1日から12月31日までに支払った疾病治療費が対象となります。疾病名とおおまかな処置内容がわかる領収書を獣医さんからもらって保管しておいて下さい。
《編集後記》
今年も、連日熱中症で病院に搬送される人が多数出た暑い夏でした。皆様いかがお過ごしでしょうか? 3・11の東日本大震災に始まり、世界各所での異常気象。普通に生活できることの有り難さを改めて痛感したこの半年でした。さて、ハーネスの会が新体制になって初めての「ハーネスながの」をお届けします。発足13年目。新しい組織のもと、柔軟な発想で楽しく、活動の輪がさらに広がっていくといいですね。
(池田)