ハーネスながの №48 〔平成28年8月
発行:長野県ハーネスの会 前野弘美
〒 390-0871 松本市桐2-4-44-1
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「長野県ハーネスの会」
2016 7 月 No.48
~今号の内容~
2016年度総会終わる
事務局からお知らせ
ジャスミンの北海道旅行記 ①
四季おりおり ②
ユリスと歩いて ③
リタイア・デビュー
もっと知りたい犬のこと ⑦
金沢城内を歩く
東中南北 ③
編集後記
『2016年度定期総会』
◆松本市のMウイングにて定期総会無事終わる
前野弘美
6月19日(日)に松本市Mウイングにて開催された定期総会には25名の方が参加、
盲導犬は9頭でした。
内訳はユーザー9名、元ユーザー2名、一般会員10名、来賓1名、付添3名です。
来賓として、県の障害者支援課の補助犬の担当の田中様が参加してくださいました。
今回の総会は一般会員の方が多く出席され良かったです。
会員の皆さま、総会にはできるだけ参加してご意見をお聞かせ下さい。
総会では前年度事業報告・決算報告・監査報告が行われ承認され、
併せて、本年度事業計画案・予算案の審議と承認が行われました。
また、長野県ハーネスの会の規約および
ハーネス基金運営規則の一部改定も行われました。
内容は以下の通りです。
①会規約に慶弔に関する記述に次の項目を追加する。
「会として会員及びその家族に対しての慶弔には関わらない」
②盲導犬と引退犬に対する具体的な支援内容をハーネス基金運営規則に明記する。
*毎年定めていた支援実施要項(計画)は作成しない。
その他、会の活動資金が不足している旨の状況の説明に対しての意見が出されました。
ハーネスの会の目的や活動を改めて確認する機会となりました。
本年度は長野県ハーネスの会と会の活動を知って頂く事に力を入れたいと思います。
また、活動資金を得る目的で、
運営委員会の終了後に街頭募金を実施することになりました。
会の活動を知って頂くと共に運営資金へのご協力を呼びかけます。
皆さまのご理解とご協力をお願いします!!
今回の総会資料は経費節約の為に会報への同封とさせていただきました。
各チームの報告と計画および会計報告と予算案は総会資料をお読み下さい。
◆メーリングリストに参加を!
『長野県ハーネスの会』では、会員の皆さまの情報交換と
事務局からの情報提供をするためにメーリングリストを運用しています。
迅速な情報提供と意見の交換が出来るメーリングリストにご参加ください。
メールアドレスをお持ちの会員の方は、 是非登録をお願い致します。
登録は簡単!下記アドレスまで。
前野弘美
<maeno@harness-nagano.com>
本年度もよろしくお願い申し上げます。
【写真説明:総会の様子】
『事務局からお知らせ』 事務局 田中・前野
◆会計担当者が替わります
本会の一般会計(会運営費の会計)とハーネス基金会計の会計係に新たに細田寛子さんが加わり、田中安子さんとともに担当します。
これまでハーネス基金会計については斉藤慎一さんが担当していましたが、
多忙等の都合により交替しました。
斉藤さん、長い間ありがとうございました。
◆本年度会費納入のお願い
平成28(2016)年度の会費の納入をお願いします。
年会費は2,000円です。
同封の郵便振り込み用紙をご利用下さい。
9月30日までにお願いします。
旅は犬連れ 世は出会い ⑦
≪ジャスミンの北海道旅行記 その1≫ 広沢ジャスミン(代筆 広沢里枝子)
こんにちは。
あたしは、里枝子さんの4代目のパートナーのジャスミンです。
ジャスミンの花みたいに、小さくて愛らしい女の子をイメージしてくださいね。
あたしは、5月の14日から17日まで、里枝子さんと2人で北海道へ旅をしてきました。
手つかずの素晴らしい自然が残る道東を巡る旅です。
せっかく「長野県ハーネスの会」の仲間の皆さんに報告するので、
今回は、あたしがおしゃべりします。
里枝子さんは、家族や友達との旅も大好きですが、
1度あたしと2人だけで旅をしてみたいと思っていたんですって。
でも、ただ行ったのでは、様子がわかりませんから、何かいい方法がないかなと
探していました。
そんな折、北海道の川上郡てしかが弟子屈ちょう町に体の不自由な旅人も
大切に迎えてくれる「ピュア・フィールド風曜日」という、
ユニバーサルデザインのプチホテルがあることを知りました。
弟子屈町には、ユニバーサルな観光地をめざして元気に活動している
「UDプラザ」の仲間もいて、観光のサポートもしてくださるとのこと。
それならあたしと2人で行けるかも!と思ったのが、旅のきっかけでした。
とはいえ、お父さんもお友達もいなくて、北海道まで行くなんて
里枝子さんも初めてですから、できるだけ人の手を借りて、リレーみたいに
安全に渡してもらえるように、念入りに計画を立てたようです。
家から羽田空港までの行き帰りは、今回初めて空港タクシーを使いました。
空港タクシーが羽田空港に着くと、スマイルカウンターのおねえさんが迎えに来て、
手続きをしたり、空港にできたばかりの補助犬トイレにも案内してくれました。
この補助犬トイレは、障害者トイレみたいな個室で、床が金網になっていて、
シャワーがついていました。
あたしは、足の裏が、グレーチングの上を歩くときみたいにへんな感じでしたけど、
しばらく歩き回るうちに慣れて、排泄できました。
飛行機では、座席の下が広く空いている所をとってあって、
隣の席も空けてもらってあったので、あたしはゆったりと寝そべって過ごしました。
飛行機を降りるときは最後だったので、あたしがきちんとお座りして
お客さんたちを見上げていると、お客さんたちはみんな笑顔になって
「まあ、おりこう!」「めんこいなあ!」と口々に言いました。
そして、めまんべつ女満別空港に着くと、「風曜日」の三木とおる亨さん、
かずこ和子さん夫妻が、にこにこ笑って出迎えてくださいました。
「めったにない晴天ですから、ちょっと足をのばしましょうか。
どこへ行きたいですか?」と尋ねてくださったので、里枝子さんは
「オホーツクの海にふれたいです」と応えました。
すると三木さん夫妻は、あたしたちを車に乗せ、北海道の雄大な景色を説明しながら
網走へ向かいました。
オホーツクの海では、高い波が轟きながら、次々と迫ってきました。
里枝子さんは、あたしと一緒に貝殻を敷き詰めたような渚まで行って、
オホーツクの海に手を入れました。
そのとき次の波がざざあっと来ましたから、あたしは里枝子さんをひっぱって
飛びすさりましたけど、二人とも足を濡らしてしまいました。
足がじーんとするくらい冷たい水でしたよ!去年行った、沖縄の海の温かな水とは、
ぜんぜん違いました。
この後、あたしたちは、藻琴山(もことやま)で満開の芝桜の甘い香りを楽しみ、
小清水峠を越えて弟子屈町に入り、摩周湖に行きました。
弟子屈町は、町全体が噴火によってできたカルデラの中にあり、その中に、摩周湖と
屈斜路湖という二つの美しい湖があります。
「風曜日」は、摩周湖に一番近いホテルで、牧草地の中にありました。
弟子屈町は、人の数より、牛の数のほうが多いんですって。
あちこちに大きな牛がいましたし、道端にエゾシカやキタキツネがいました。
そんなときは亨さんが車を止めてくれるので、里枝子さんとあたしは、窓を開けて
覗きました。
エゾシカは、ざわざわと熊笹を分けて逃げて行きましたが、キタキツネは、
お座りしてじっとこちらを見ていたので、あたしも怖がらずにじっと見返しました。
「おねだり狐」と言って、人間から何かもらえるのを待っているんですって。
何ももらえないとわかると、つまらなそうにごろんと寝転んだりして、
なんだか犬みたいでした。
「風曜日」には、3泊しましたが、あたしがいちばん活躍したのは、
ホテルの中だったろうと思います。
ロビーが広くて、里枝子さんは、最初のうち、へんな方向へ向かって指示を出すので、
ちょっと戸惑いました。
でも、あたしは、すぐにあたしたちの部屋を覚えて、里枝子さんが「マイルーム」と
言うと、どっちに向かって指示を出されても、
スイッとドアまで連れて行ってあげられるようになりました。
あたしがドアのノブに鼻をつけて教えると、ロビーから見守っている三木さん夫妻が、
いつも拍手をしてくださるので、あたしは得意になって、しっぽをぶんぶん振りました。
ところで、三木さん夫妻は、見えない人たちのことをよくわかっているなあと
感心することがたびたびありました。
たとえばオホーツクの渚に立ったとき、和子さんは、里枝子さんの手をとって、
左から右へと大きく動かしながら「左手に網走の街が見えます。
前には、このようにオホーツクの海が広がって、はるか向こうには北方の島影が見えます。
右手には、知床半島。
その向こう側には、ここからは見えませんが、太平洋があります」と
教えてくださいました。
他にも丁寧な説明があって、里枝子さんは、その大きな風景を思い浮かべました。
でも、子供の頃から色弱で、地図が苦手な里枝子さんは、今、北海道のどの位置に
自分が立っているのか思い描けなくて残念と言いました。
すると次の日、亨さんが、板に北海道の地図を彫って、
ピンを指し、さわれる地図を作って、里枝子さんに旅の行程をすべて
説明してくださったのです。
里枝子さんは、板に彫った地図に触りながら、歓声を上げていました。
さて、旅の2日目からは、「UDプラザ」のメンバー達が、交替交替にやってきて、
あたしたちをお友達みたいにサポートしながら、あちこちへ連れて行ってくださいました。
びっくりするようなことが次々あって、あたし、ものすごくがんばったんですよ!
次回、続きをお話しますから、また聞いてくださいね。
【写真説明:ペンション「風曜日」、オホーツク海を見る広沢さんとジャスミン、藻琴山で芝桜に触れる広沢さん、北海道の鳥瞰図に触れる広沢さん】
四季おりおり ② ≪鳥のさえずりに心躍らせて≫ 塩尻市 池田 康子
5月のある朝、二階のベランダで洗濯物を干していると、「ツピツピツピ」と
透き通るような高音のさえずりが聞こえてきました。
どんな鳥が鳴いているのかしらと、庭の木々に目を凝らしましたが、青々と茂った葉が
邪魔して、見つけることができませんでした。
数日後、遊びに来た1歳の孫に、外に行こうとせがまれましたが、
お天気が悪くて出られません。
ぐずる彼を宥めながら、居間の窓からふたりで外を眺めていました。
すると、目の前のクルミの木に一羽の小鳥がとまり、「ツピツピツピ」と
鳴き始めたのです。
翼に2本の白線、羽毛が少し毛羽立っていて、黒い頭にちょこんと寝癖のような
羽冠がついた小さな鳥でした。
さっそく図鑑とインターネットで調べると、「ヒガラ」でした。
同じ仲間のシジュウカラは「ツツピーツツピー」と少し長く鳴き、風貌も羽毛が
きれいに整えられて、胸から腹にかけての黒いたてすじは、まるでビシッと
ネクタイを締めているように見えます。
シジュウカラが几帳面な長男なら、ヒガラはやんちゃな次男坊といったところでしょうか。
私たちのウツウツした気持ちを紛らすように現れたこの鳥を、私はすっかり
好きになってしまいました。
以来「ツピツピツピ」という囀りを聞くと、双眼鏡を手に外へ飛び出し、
あの愛嬌のある姿を探すようになりました。
私が住む家の周りには緑が多く、四季を通じて様々な野鳥が訪れます。
今までも、たくさんの鳥のさえずりを耳にしていたはずなのに、こんなにも
心躍ることはありませんでした。
最近では、「鳥ノート」を作って、見つけた鳥の名前、日付、鳴き声や特徴などを
記録するようになりました。
遅ればせながらの鳥デビューで、楽しみがまたひとつ増えました。
【写真:ヒガラとシジュウカラ】
ユリスと歩いて ③ ≪盲導犬ユリス君との入院≫ 上田市 成澤正行
2014年7月の末に貸与して頂いてから早いもので2年になろうとしている私と
ユリスです。
2年と言えば私の身の回りにも何かしら事が起きます。
そんな中、今回は盲導犬ユリスと共に入院をしたお話をさせていただきます。
入院しての治療となりますが、どうされますかとの医師からのお話に、
盲導犬との入院が許可されるのであれば、お願いしたいと申しました。
すると看護師を通して事務局を初め看護の責任者などに問い合わせて居りました。
少々、待ちましたが入院がOKとなり、その場で入院に必要な事務処理を済ませて
その日は家に戻りました。
さて入院当日は前の日までに揃えて置いた荷物を車に積んで出かける事となりました。
単身で入院するのとは違い、盲導犬ユリスのお食事から寝る時の毛布、それと
ワンツーに関する袋、凝固剤それと処理後の袋を納めて置くBOXと、なかなかな
荷物となりました。
病院に着いて先ずは入院手続きのための受付へ向かい、担当者のチェックを
終えるのを知ってか、脇には病棟の看護師さんが来られていました。
その後、看護師さんの指示に従いナースセンターのカウンターまで行きました。
センターの中からは病棟師長が私達の前に来られ、笑顔で挨拶をされました。
「当病院で入院患者さんと一緒に盲導犬が泊まるのは初めての事なので
何も分かりませんので、ご心配の事がありましたら、その都度お尋ねください」と
言って下さいました。
そして病室担当の看護師さんに案内されて病室に向かいました。
病室のドアを開けてもらうなりユリスは明るい窓の方に進んで行ったのでした。
病棟看護師さんが「とにかく初めての事なのですが盲導犬って、
ワンワン鳴いたりチョロチョロ動くことをしないんですね、
おりこうさんなのですね」とユリスを見ながら感じた事をお話してくださいました。
そうして私は用意をして来たクッションマットなどを敷いて、先ずはユリスを
落ち着かせました。
ユリスは変わった光景には気にならないのかマットの上で首を上げて私達の動きを
見ているだけでした。
その後、いつもの時間になったので夕ご飯をやり、ゆっくりとさせていました。
検温や薬などを持って来てくださる看護師さん、お食事を運んで下さるヘルパーさん、
その都度窓際の広い所で寝ころんでいるユリスを見ては、「おとなしくって私達が
入って来ても鳴くことひとつしないし、驚いて立ち上がったりもしないで本当に
教育された犬なのですねぇ」ってお話してくださいます。
その後、最後のワンツーをさせる事となり入口側の広い所で行なわせましたが、
心配を跳ね除ける勢いで済ませてくれたのでした。
そして翌朝、ユリスの朝の一連のプログラムを終えて、やれやれとしました。
廊下のドアは開けっ放しにしておき、ユリスがナースセンターや談話室などの方を
キョロキョロしていると、ナースセンターの中から二人の看護師さんがやって来ました。
一人は病棟師長もう一人はと言えば、この病院の総師長さんでした。
「成澤さん、お早うございます。
総婦長の○○です。
昨晩は良くおやすみになられたでしょうか? この病院で盲導犬との入院って
初めての事なので事務長、病棟師長などと何度かミーティングを行ないました。
そして今朝は病棟師長、病室担当看護師の所へ来て501号室の様子を聞いて、
成澤さんと盲導犬に会って行こうと参った所です。
病棟の看護師から話を聴く限りでは、病棟として何ら困った事も無く、
入院患者さんについても問題はなかったと聞きました。」
そして総師長さんはユリスの方に目線を下げて、「成澤さん、今回はこの病院として、
とても良い経験をさせて頂いたと感謝いたします。
今回の盲導犬を伴って入院した事に関しては関連する会議の際には経過とともに、
受け入れにも何の支障も無いと言う事を総師長の私から発言させて頂きます」と
仰って、ユリスの頭に触れるようにして去られて行きました。
その後も入院生活は続きました。
リタイア 『盲導犬の務めが終わりました』
※引退年月・盲導犬名・性別・引退年齢・引退後の飼育者・所属協会・ユーザー名の順に記載しています。
① 2015年12月・やや・メス・9歳・日本ライトハウス
・滝沢英樹(松本市)
② 2016年3月・ベン・オス・11歳・パピーウォーカー・日本盲導犬協会
・西村あすか(伊那市)
③ 2016年5月・キュエロ・メス・10歳3ヶ月・山梨県内の飼育ボランティア・日本盲導犬協会
・北澤とも江(岡谷市)
④ 2016年5月・ウイング・メス・10歳6ヶ月・パピーウォーカー
・日本ライトハウス・松尾寿美子(上田市)
⑤ 2016年6月・アーニー・オス・10歳・日本ライトハウス
・古田綾夫(安曇野市)
デビュー 『2頭目になりました!』 伊那市 西村あすか
2016年4月に、代替えをしました。
新パートナーの名前はユースです。
1歳7ヶ月になるオスで、体重は25キロ、
チョコレート色のラブラドールです。
日本ライトハウスで訓練を受けました。
よろしくお願いします。
(取材 北澤とも江)
『クーピーと歩き始めました!』 長野市 加藤 久美
2016年5月28日、全国盲導犬協会での3週間にわたる歩行指導を終了し、
私にとって4頭目の盲導犬クーピーと歩き始めました。
クーピーは、現在2歳1ヶ月。
イエローラブの女の子で、体重は24kgです。
全国盲導犬協会は、茨城県ひたちなか市にあります。
日本で11番目の盲導犬育成施設として、3年前に設立されたばかりの
新しい盲導犬協会です。
クーピーは、この全国盲導犬協会第2号の盲導犬になります。
3週間にわたる歩行指導では、クーピーと一緒に、ひたちなか市内の
いろいろなコース(歩道のある道路・歩道と車道が分かれていない道路・
音声信号機のない交差点・踏切や陸橋…と、
それぞれのコースに盛り込まれています。)を歩いたり、バスに乗ったりしました。
JR勝田駅では、券売機や自動改札を探したり、エスカレーターの乗り降りの
練習もしました。
電車に乗って水戸まで行き、その際には、クーピーに電車のドアや空席を探させる練習や、
プラットホーム上で人や障害物を避けながら安全に歩く練習、階段や
エスカレーターを見つける練習もたくさんしました。
歩く以外には、クーピーにブラシをかけたり、歯磨きや爪の手入れ、
シャンプーなどをしながら、クーピーとの信頼関係を深めていきました。
これまで、パートナーの体重は獣医さんのところで測ってもらったり、家では
パートナーを抱っこして体重計に乗り、そこから自分の体重を引いて出していました。
今回は、クーピーが自分で体重計に乗るように毎日練習し、私が抱っこしなくても
自分で体重計に乗ってくれるようになりました。
4頭目にして初めての技、これができるようになったのは大収穫でした。
犬舎にいる犬達にも協力してもらって、肛門腺搾りの練習もさせてもらい、今までは
苦手で上手く搾れなかったのですが、今回、上手に搾れるようになったのも収穫でした。
我が家に来てからのクーピーは、オン・オフのはっきりした子です。
スイッチが入ると仰向けにひっくり返ってごろんごろんしながら大はしゃぎ!
天真爛漫といった感じです。
でも、ハーネスを着けてお仕事となると超真面目になって、良い仕事をしてくれています。
まだまだ若葉マークのクーピーですが、これから時間をかけて、いろいろな経験を積み、
信頼関係を深めて、相性ばっちりのペアになりたいと思っています。
皆さん、クーピー共々よろしくお願いいたします。
【写真:歩行指導中の写真。
茨城県ひたちなか市、JR勝田駅近くの横断歩道をクーピーと一緒に渡っているところ。
横断歩道を渡りきり、歩道に上がる段差を確認している。
】
もっと知りたい犬のこと ⑦
≪レトリバーは特に注意!? 7歳はガン年齢≫ 原 哲夫
◆犬の健康や行動についての豆知識を勉強するコーナー!
犬の種類によってガンになりやすさが異なるらしいことが、ペット保険を扱う
アニコム損害保険(東京都)の調査でわかりました。
犬は人間より若いうちからがんの発症が増える傾向にあることも浮かび上がったそうです。
同社のペット保険「どうぶつ健保」を2008年に契約した0~10歳の犬
21万7150頭について、「腫瘍」の治療代として請求があった犬の種類や年齢を
分析しました。
良性腫瘍も一部、含まれている可能性があるということですが、大半はガンとみられます。
ガンができる年齢は、人間で40代後半に相当する7歳で約10%に達し、
10歳では6頭で1頭に当たる17.5%。
人間の場合、がんの発症率が10%を超えるのは男性で70代、
女性では80代になってからです。
ガンの発症率が最も高かったのはゴールデンレトリバー
(契約した同種犬のうちの15.4%)で、パグ(同11.8%)や
ラブラドルレトリバー(同11.6%)が続きます。
盲導犬ユーザーとしては気になるデータです。
(参考文献「犬猫健康百科/三矢出版」)
『金沢城内を歩く』 池田 純
3月、家族と金沢城に行きました。
金沢市内に住む娘が事前に問い合わせたときには、「盲導犬は中には入れないので、
外で待っていただくようになります」と言われ、娘婿が建物の外でワイラーを
見ているつもりでした。
わたしは、松本城のように古い建物があり、その中をちょっと回るだけかと
思っていましたが、入口で案内をするボランティアの人に尋ねると、中を回るのに
1時間以上かかるとのことです。
短かったら、私は外で待つ覚悟をしていましたが、入場券販売所の女性は
「どうぞ入っていただいても結構です」と言われ、すんなり中に入ってしまいました。
ところが「中に入った」と言っても、かなり広大な敷地に、歴史的建造物が
点在しているのが金沢城公園です。
公園として一般公開が始まったのは1996年、それまでは金沢大学のキャンパスとして
使われていました。
金沢城が前田利家によって大改築されたのは1592年、それから加賀百万石として、
14代続いた前田家の居城となりました。
しかし、度重なる火災で、石川門、三十間長屋以外は焼失したため、
ひし菱やぐら櫓、五十間長屋等が再建され、公園として整備されました。
この金沢城は、江戸幕府に対する配慮から天守閣がなく、2階建の三十間長屋で、
藩の政務が行われていたのです。
この三十間長屋は、釘を全く使用しない工法で建てられているものの、かなりの
耐震強度を持った建物で、まさに当時の宮大工の技術の粋を集めて建てられたものです。
この三十間長屋の見学も盲導犬と全く問題なくできました。
金沢城は、金沢市内を見渡すことのできる丘の上に建てられているため、水の確保が
困難であり、サイフォンの原利を利用して水を引いていたことは、NHKの
「ブラタモリ」で紹介されていました。
兼六園のすぐ近くにありますので、金沢に行ったおりにはぜひ訪ねてみてください。
【写真:金沢城】
東中南北 ③
中信から
◆松本共立病院、盲導犬どうぞ 古田綾夫
JR松本駅アルプス口(西口)に近い場所に松本共立病院があります。
ここはかつて、駅7番ホームと隣接して、その昔には草原が広がっていました。
そこは、子どもたちと草野球をやったり、三九郎などをやる、あそび場でした。
その野原が無くなる事になり、私が反対をするにもかかわらず、この病院が建てられ、
もう30年くらいになりました。
先日その松本共立病院へ行きましたら、以前は、盲導犬は「事務室お預かり」でしたが、
今回は特別の検査室など以外は「犬とどうぞ」との事でした。
診察室はもちろんでした。
こうなると我が家の犬を、もっと・・上品に再訓練をしなくっちゃと、思いました。
あっはっはっ。
それと、「差別解消法かな」などとも思いました。
世の中ちっとは気にして、変える所もあるようです。
南信から
◆飯田市が補助犬の健康支援事業をスタート 原 哲夫
飯田市は平成27年度から補助犬使用者に対して盲導犬・介助犬・聴導犬に掛かる
医療費の支援を始めました。
動物病院に支払われた疾病治療・病気予防ワクチン接種・各種検査・医薬品などの
医療費を年間上限35,000円までの範囲で助成します。
年度末に支払い、明細書に領収書を添えて申請すると後日支払われます。
飯田市内には盲導犬2頭と聴導犬1頭がおり、この事業実施については
盲導犬使用者が2年がかりで要望していました。
医療費に限定した補助犬支援事業は県内では飯田市が初めてとなります。
北信から
◆黒姫高原でオーケストラ演奏会を! 広沢里枝子
秋の信濃町は、町いっぱいのコスモスがゆれ、とってもさわやかです。
ペンションや博物館などでの補助犬への対応もよいです。
その信濃町の広々した自然の中のあちこちで、東京音楽大学の若い音楽家の卵たちが
野外演奏を披露する音楽会が開かれます。
夏の合宿の総仕上げを信濃町で行うようになって今年で6回目。
小さなパーツごとのミニコンサートも町内のいろいろな場所で行われる予定です。
日時 9月25日(日)午後1時開場、1時30分開演
場所 信濃町総合体育館
交通 JR黒姫駅・JR古間駅より町の無料送迎バスが出ます。
入場料 無料。
但し、入場整理券が必要
問い合わせ 信濃町観光課 Tel.026-255-3111
国内から
◆池田さんが全犬使会の理事に
全国の盲導犬使用者の親睦交流団体である全国盲導犬使用者の会(郡司七重会長、
会員320名)は5月28日(土)から30日(月)までの3日間、鹿児島市で
本年度の定期総会と交流会を開きました。
定期総会では長野県ハーネスの会の問題対策チームリーダーの池田純さんが
郡司会長から理事として指名され、総会で選任されました。
任期は1年。
長野県ハーネスの会では5名の会員が全犬使会に加入しています。
編集後記
いよいよ夏本番! 熱中症対策に効果的な飲食物は、牛乳・スイカ・梅干し・
ミネラル入り麦茶・冷たい味噌汁だとか。
皆様ご自愛下さい。 (片)