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『ハーネスながの』65号 (2022年7月)
発行:長野県ハーネスの会 会長 池田純 編集 前野弘美 片山幸子
〒381-0043 長野市吉田3-16-13 (株)Jハート内 Tel. 026-214-0802
振込み:ゆうちょ銀行 00570-7-17991 「長野県ハーネスの会」
ーーーー ーーーー 本号の内容 ーーー ーーー
会長挨拶と総会報告 池田 純
寄稿 『ハーネスの会の皆様、こんにちは』 近藤優香
文芸 『天使と歩む四季の歌 ⑩』 広沢里枝子
旅は犬連れ世は出合い 連載23
トピックス 『信GO(しんごー)』の紹介
事務局から
編集後記 片山 幸子
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会長あいさつと総会報告
『ご挨拶』 池田 純
長野県ハーネスの会の活動にご理解とご支援を賜わり、心より感謝申し上げます。
新型コロナウイルスは、第6波がようやく収束の気配を見せていましたが、はや第
7波が始まってしまったようです。
夕方の電車に乗ると、前後左右から響く高校生の大声の森に入ってしまったようで
、私の存在など無視して、私をはさんで会話をする高校生までいます。
その点について鉄道会社に苦情を言っても全く聞いてもらえません。
これでは感染症が広がるのも当然です。
一方で、道を歩いていると、点字ブロックの上を歩いているにもかかわらす、昨日
は自転車のハンドルにぶつけられました。こちらはいつも会う人で、市役所か会社に
勤める人のようです。
このように書いてくると「安心して視覚障害者は外出できないの?」と想われるか
もしれませんが、善光寺の御開帳でかなり困雑していた長野駅では、ちょっと困って
立ち止まるとすぐに声をかけられる状態が続いていました。
「新型コロナウイルスの関係で困っていても声をかけられることが少なくなった」
と言う視覚障害者も多い中、私は例外なのかもしれません。ただ、声をかけてくれる
人の立場に立ってみると、まず注目するのは盲導犬のワイラーであり、ワイラーは、
道に迷ってしまうと、正しい経路に戻るのが苦手で、本当に困った顔になってしまう
のです。その顔を見ると思わず声をかけたくなってしまうのではないかと勝手に想像
しています。何はともあれ、外出した時に道を尋ねる人がいなくて困ることはあまり
ないのです。
ですからこのコロナウイルスの感染を逆手にとって「盲導犬を使うと道に迷うこと
も少なくなり、困ったら声もかけてもらえます
よ」と宣伝すればよいのに、どこの育成団体も耳を傾けてはくれません。「寄付が減
った」と嘆く前に様々な工夫をしてもらいたいものです。
盲導犬は、今年の3月末で848頭まで減ってしまいました。長野県でも最も多かった
30頭から今や17頭になってしまいました。おまけにユーザーの高齢化が進み、若い人
はほとんど盲導犬を持とうとしません。
長野県ハーネスの会としても嘆く前にしなければならないことがまだまだありそう
ですので、一歩ずつ確実に歩んで参りたいと考えています。何卒よろしくお願いしま
す。
【総会報告】 池田 純
※総会の翌日、会長から出されたメールです。詳しくは総会資料をご覧ください。な
お、ミニ旅行につきましては、コロナの感染状況から『中止』の旨のメールが7月1
8日付で出されました。ご承知おきください。
昨日、総会をオンラインで開催しました。
総会で話し合われたことで早期にお知らせしたいことがいくつかあります。
①ウェルカムチーム主催のミニ旅行を9月25日(日)に小海線の旅をしたいと考えて
います。小淵沢駅10時40分発の小海線に乗り、小諸駅で降りて懐古園を散策します。
②ハーネス基金の活用として、新たなユーザーを開拓するために、共同訓練にかかる
費用の一部を補助する制度などを検討します。
次回の運営委員会(10月23日・日)に具体的な方向性について話し合いたいと考えて
います。
③会員数が80名前後と100名を切ってしまいました。イベントを開けない中ですが、
工夫をして会員を募りたいと考えています。④会報の原稿を募集していますので、ど
んなことでも結構ですので投稿をお願いします。
今年の3月現在の盲導犬数が848頭となり、急激に減少しています。このような状
態が続くと、経営できなくなる育成団体も出てくることが予想されます。とは言え、
急にユーザーを増やす妙案があるわけではありませんので、私たちが身近な視覚障害
者に声がけを続けるしかないようです。
寄稿
「ハーネスの会の皆様 こんにちは」 近藤優香
長野県障がい者支援課の近藤と申します。しばらく育児休暇をいただいておりました
が、昨年12月に復帰しました。休暇前に引き続き、補助犬の担当をさせていただいて
おります。よろしくお願いします。
県では、今年3月に、全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく
、相互に人格と個性を尊重し、共に支え合い、活かし合う社会を実現するため、「障
がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例」を制定しました。
この条例の主旨のとおり、皆さまが、社会的障壁を感じることなく、パートナー犬
とともに社会参加できるよう、補助犬の同伴や使用に関するトラブルへの相談や、普
及啓発等に引き続き取り組んでまいりますので、何かありましたらご連絡ください。
さて、ここで、先日私が読んだ本についてご紹介したいと思います。それは『こんな
夜更けにバナナかよ』(渡辺一史著,北海道新聞社,2003)という本で、映画化もされ
たほど有名なので、ご存知の方も多くいらっしゃるかと思います。内容は、在宅で単
身生活を送る筋ジストロフィーの鹿野さんとそれを支える介助ボランティアとの交流
の様子等を描いたノンフィクションです。鹿野さんは、したいこと、やりたいことを
周りに遠慮なくやり、嫌なものにははっきり「嫌だ」と言う人なのですが、この本の
レビューを見ると、鹿野さんの生き方を「わがままだ」という感想も一部あり、私も
学生の時に初めてこの本を読んだ時は、内心同じような感想を抱いたものです。しか
し、今改めて読み返すと、また違う印象を抱きました。「障がいのある人」ではなく
、「個人」としてやりたいことを貫き、言いたいことは言う鹿野さんの生き方や、鹿
野さんとボランティアの間にある「人」と「人」との関係(障害の「ある人」と「な
い人」の関係ではなく)こそが、ノーマライゼーションの姿なのかもしれないと深く
考えさせられたのです。障がいがあっても、自分のことを自分で決めて生きるという
「当たり前」のことが、「わがまま」だと否定されない世の中にしていきたいものだ
なぁと感じました。
補助犬の普及啓発は、言葉で伝えるより、実際に補助犬を「見てもらうこと」、
「知ってもらうこと」が最も効果的な方法ではないかと思います。
そこで、皆さまにおかれましても、コロナ禍が落ち着きましたら、是非パートナ
ー犬と一緒に外に出て、社会が補助犬を知る機会をたくさんつくっていただき、普及
啓発にご協力いただきたいと思います。
街のどこかで補助犬にお会いできるのを楽しみにしています。
文芸 『天使と歩む四季の歌 ⑩』 東御市 広沢里枝子
今年の3月に「坂田グループ」に参加させていただき、障害のある仲間たちと、ボ
ランティアの方々と、ジャスミンと一緒に、四国へ旅をしました。リーダーの坂田雄
之さんは、ハーネスの会で長年、支援者として活動してくださいましたので、ご存じ
の方が多いと思います。長野県ハーネスの会の上原弘三さんと、丸山訓代さんも、こ
の旅に参加されました。二日間の旅のようすを歌日記にしました。
3月26日(土曜日)
朝、「中野うどん学校」に到着。金毘羅参りかずら橋と琵琶の滝観光。鳴門グラン
ドホテル宿泊
◇ 一生に一度は金毘羅参りをと 遠路来ました坂田グループ
◇ 健脚の旅の仲間は雨のなか 石段上る金毘羅参り
◇ 白杖にて長い石段上がりつめ 奥社詣りをしたる人あり
◇ 健脚の丸山さんは白杖で 1200段上って下りる
◇ 金毘羅さんの長い石段上りたし されど叶わぬわれと老犬
◇ 金毘羅さん石段上る健脚の 人を見送りタクシーに乗る
◇ 高齢の人らとわれは雨のなか タクシーに乗り門前町へ
◇ タクシーの運転手さん雨音に 負けじとマイクで観光案内
◇ 象頭山の桜の花は六分咲き 「これからだよ」と運転手言う
◇ 金こ刀比とひ羅宮らぐうにご挨拶する我が脇に 盲導犬もきちんと
座る
◇ 荘厳な金刀比羅宮を想えども 手に触れたのは賽銭箱のみ
◇ 神殿は心のなかにあるという 御言葉みことば思い本宮ほんぐう下りる
◇ 手を広げ金刀比羅宮の壮大さ 教えてもらい想像めぐらす
◇ 金刀比羅宮のお参り終えて讃岐さぬき富士ふじ 背景にして記念写真を
◇ 讃岐富士は擂鉢すりばちかえした 形だと聞きつつ心に思い描きぬ
◇ お参りのできない人の身代わりを 犬がするとう金毘羅神話
◇ ジャスミンは「お父さんの身代わりね」と 頬を寄せれば舐めて応える
◇ 店員の関西訛りの明るさに 讃岐うどんの美味しさは増す
◇ バスは行く平家の哀話あいわを秘めるとう 秘境祖そ谷たにのかず
ら橋へと
◇ 山深い祖谷の地にて再興を 望みしとう平家の伝説
◇ 蔓つる束ね架けられていし「かずら橋」 追っ手来たなら叩き切るため
◇ まち子さんの肩に手をかけ足裏で 確かめ確かめ「かずら橋」行く
◇ 網あみ籠かごのようなる橋を渡りきる まち子さんの声に合わせて
◇ 落ち武者の伝説遺る琵琶の滝 清き大気を胸に吸い込む
◇ 落ち武者が琵琶かき鳴らす弦音が 聴こえはせぬかと瀑声ばくせいを聴く
◇ 琵琶の滝の由来を聞けば落人おちうどの 嘆きが滝の音に重なる
◇ 「美しいコバルトブルーの滝です」と 教えてもらいわれも見上げる
◇ 宿泊は鳴門グランドホテルなり おしゃべり弾む女子たちの部屋
◇ 温泉をあがり4人の女性らは 色とりどりの浴衣姿に
◇ 海の幸どっさり皿にいただいて 「阿波美人」なる銘酒いただく
3月27日(日曜日)
鳴門の浜で朝稽古。観潮船に乗って渦潮体験・大塚国際美術館見学・淡路島、夜中
に家に戻る。
◇ 鳴門の宿に一人目覚めて潮騒に 耳を澄ませるわれは海の子
◇ 地響きのようなる潮騒聴きおれば 故郷の海に呼ばるるごとし
◇ 潮風を胸に吸い込み朝稽古 鳴門の海の轟きのなか
◇ 潮騒を伴奏にして朝稽古する われを見守る旅の仲間ら
◇ 知らぬ間にわれの周りに聴衆あり 一節終えて拍手いただく
◇ 渦潮の観潮船の港には 観光客が長い列なす
◇ 渦潮の渦のなかへと突き進む 観潮船はしぶきをあげて
◇ 渦潮の激流のなか手を入れて 感じてみたい阿波の渦潮
◇ 渦潮の飛沫浴びつつ揺られつつ 「巡礼おつる」の唄口ずさむ
◇ 西洋の名画を皆で観るために 向かうは大塚国際美術館
◇ 名画をば陶器の板に焼き付けて 後世へ遺す新美術館
◇ 次々と名画の説明受けて行く ルーブル美術館巡るごとくに
◇ 聖書の世界が描かれているとう礼拝堂 今は見えねど点にてまみえん
◇ モネの愛した水蓮の絵の連作に 囲まれている庭園巡る
◇ 色とりどりの水蓮の絵の説明に 見えないわれもうっとりとする
◇ 「真珠の耳飾りの少女」に逢いたくて 広い館内探していただく
◇ フェルメールの少女の像に再会する かつてまみえしオランダ遠く
◇ 淡路島潮風頬に受けながら 海の藍あおさを聞かせてもらう
◇ 空青く海なお藍あおく白波は 春の陽受けて穏やかという
◇ 満ち足りた人々乗せてミニバスは 明石海峡大橋渡る
◇ 皆さんに褒められてるとは夢知らず 狭いバス内眠るジャスミン
※写真 ゴッホの「ひまわり」の前の広沢さんとジャスミン
連載/旅は犬連れ世は出合い 23
≪秋葉道気まぐれウォークその6 -- 高遠から諏訪へ≫ てくてく
旧秋葉道の雰囲気と希に残っている佇まいを求めて静岡県浜松市から国道152号
線を二人一匹で珍道中を重ねてきました。いよいよ旅路も終わりに近づき道中最大の
クライマックス?を迎えようとしています。
高遠町の北に見える杖突峠を越えれば、諏訪の湖と諏訪社四宮のある諏訪盆地です
。これまで歩いてきた風景とは全く異なる景色が広がっているはずですから。
◆赤石山脈と伊那山地の終焉の地点
高遠町は北から南へ伸びた山里です。北側にある杖突峠(1,247m)と守屋山(1,651m)
は伊那谷と諏訪盆地を隔てる壁のような山塊となっています。
ネットのウィキペディア情報(杖突峠のページ)によれば、杖突峠と守屋山は赤石
山脈と伊那山地のそれぞれの北端に位置します。
杖突峠から東南方向に伸びる高い連峰が赤石山脈、守屋山から西南方向に延びるや
や低い連峰が伊那山地です。
高遠の山里はこれらの山脈山地に囲まれた谷合にできた南斜面の扇状地の上に乗っ
ていることになります。
そしてこれまでにも何回か触れましたが、秋葉道(国道152号線)が辿ってきた中
央構造線の長い一筋の谷も杖突峠と守屋山で一旦途切れることになります。
◆戦国時代は軍事、江戸時代は城下町
「高遠」の地名は戦国時代後半にこの地域を支配していて後に武田信玄に滅ぼされ
た高遠氏に由来しています。
高遠城は1,570年前後には武田軍の信州における最重要の軍事拠点になりました。
その後、信州と甲州に侵攻した織田軍に対して最後まで降伏することなく戦い、こ
の城を守るべく3,000人の守備兵と女たちが玉砕したと伝えられています。
これらの史実を基にして直木賞作家の中村彰彦が次のような題名の長編歴史小説を
書いています。
『疾風に折れぬ花あり 信玄息女 松姫の一生』(PHP出版・2016年)
タイトルは誠に古色蒼然というのか仰々しいのですが、物語の重要な場面の一つは
高遠城に設定されています。
簡単にストーリーを紹介します。
戦国時代の1580年ごろから江戸時代の1630年ごろまでを描いています。
武田信玄の五女・松姫は高遠城で少女期を過ごしている。織田軍5万が信濃と甲斐
を制圧のため美濃から伊那谷に侵攻を始めると兄たちの幼い姫3人を連れて従者たち
と高遠城を脱出する。杖突峠を越え、諏訪を経て甲斐の国内を苦難の中を転々とする
。更に笹子峠を超えて相模の国、武蔵の国へと逃げ延びる。武田信玄の直系の男たち
は全滅するが、松姫一行はなんとか武蔵の国の八王子で安住の地を得ることができる
。
松姫は実在の人物である。この女性の凛とした生涯を逞しくもしなやかに、そして
優しく美しく描いている。
これはあくまでも歴史小説ですが、戦国時代における高遠城の位置づけや伊那谷内
の地勢と軍事情勢を俯瞰的に想像する手掛かりになると思いました。
※尚、この図書はサピエ図書館にデイジー音声版があります。
江戸時代に入ると高遠藩は徳川幕府の異なる譜代大名によって明治初めまで引き継
がれました。石高は3万から4万石で隣接する長谷地区から三峰川流域と天竜川東側
までが領内に含まれたそうです。
◆長閑な山里を通る杖突き街道
高遠地区の中心部から杖突峠までは約18㎞です。江戸時代には杖突峠を挟む秋葉
道は「杖突き街道」とも呼ばれ、山頂近くにはその銘碑が残っています。
国道152号線はこの谷合地形のやや西側部分をほぼ一直線に、しかし緩やかに上
って行きます。そのためか歩いている私たちにもきっと相棒のガイダにとっても体力
的な負荷は感じませんでした。
国道より東には畑や水田が段差をつけながら広がっています。緩やかな地形の中で
田畑の広がる里山を感じつつ歩いていると、江戸時代の高遠藩は豊かで長閑な山里だ
ったに違いないなどとお気楽な想像をしたものでした。
国道に沿ってまばらに小さな集落が現れます。峠山頂近くまで民家の点在は続きま
す。
長閑な田園風景に反して国道の交通量はかなり多いと思いました。152号線は茅野
市から伊那市へ一般国道を利用する場合の最短ルートに当たるからです。
※写真:「杖突街道」を示す銘碑
◆期待外れの峠の展望
なだらかな峠道もさすが頂上近くになると道路の傾斜は少しだけ急になったような
気がしました。道路幅は冬季の降雪対策のためかなり広くなっています。
平坦になる辺りが頂上の1,247m地点でした。これまで歩いてきたのは伊那市高遠、
ここから先の北側は茅野市宮川となります。
私は既有の知識から杖突峠の山頂付近からの北の展望はこれまでのどこにもなかっ
たようなすばらしい景色が広がっているはずだと考えていました。
右側には八ヶ岳連峰、正面には霧ヶ峰、左側遠くには北アルプスまで見えるかも知
れない。また、下方には諏訪湖とその周りに岡谷から下諏訪、上諏訪と眼下には茅野
の市街地。諏訪大社の森も見えるのではないか、等々。
同行のKさんの話では正面の霧ケ峰は分ったが北アルプスはもちろん八ヶ岳も雲や
霧がかかっていてはっきりしないとのこと。手前下方の諏訪湖はずっと左の方で山の
地形が邪魔して視界に入らないこと。諏訪市や茅野市の市街地も頂上付近の道路から
は見えないとの説明でした。
※写真:杖突峠から見た上諏訪と霧ケ峰
頂上地点から少し茅野市側に入ったところに「峠茶屋」という観光施設があります
。案内看板には、建物2階に有料展望フロアーがあると記されていました。峠山頂付
近では北側を展望する場所としては最も良い位置にあるようでした。
しかし、日ごろの行いの故か、運に見放された故か、新型コロナ対策のため施設は
完全閉鎖状態でした。こんな場所に観光施設などを立てなければよいのにと憤りさえ
覚えたものでした。
峠茶屋の駐車場で横浜から朝早く車で来たという視覚障害のある女性を含む3人グ
ループと会いました。「六つ星山の会(むつぼし やまのかい)」のメンバーとか。
聞くところでは杖突峠の尾根伝いの西にある守屋山へトレッキングするとのこと。き
っとこの人たちは諏訪盆地とその周辺の山々の最もよいビューポイントについての情
報をもっていたのでしょう。
※写真:「六つ星山の会」のメンバーと
◆下りの峠道のカーブにはナンバリング
杖突峠の峠道は南側の伊那市方面と北側の茅野市方面では道路の勾配が全く異なり
ます。南側は麓に当たる高遠中心部から峠まではおよそ18㎞。その緩やかな斜面を
概ね一直線に上って来ることになります。
一方、峠から茅野市側の麓集落の現れる安国寺交差点付近まではおよそ6㎞。極端
な表現をすれば峠山頂からはまるで崖下を目指して駆け降りていくような感覚です。
そのため国道はつづら折れのカーブの連続でした。気付くとカーブの手前の路側帯
に番号だけ書いた道路標識がありました。最初のカーブ手前に「38」があり、次の
手前で
「37」、更に36、35、・・・と。集落に近い最後のカーブ手前に「1」となり
、ほぼ平坦な道路にもどりました。
結局茅野市側のカーブは全部で38か所あったということになります。このように
目まぐるしくハンドルを切り返さなくてはならないドライバーのために、順番に番号
を付ける(ナンバリング)には、安全運転のためにも良い方策だと感心しました。
◆諏訪大社前宮から上社本宮へ
峠道の最後のカーブを過ぎる辺りから民家がぽつぽつと現れました。安国寺トンネ
ルを過ぎると集落が続き、交差点もいくつか通過したり折れたりしました。あっとい
う間に市街地に入っていて街特有の騒音と喧騒を感じるようになりました。
諏訪大社前宮の石段前の鳥居で社殿に向かって簡単に拝礼して上社本宮に向かいま
した。
茅野市と諏訪市の境界らしき場所ははっきりせず同じような住宅地や街並みが続い
ている感じでした。
※写真上:「諏訪大社本宮駐車場にて」念願の諏訪大社本宮に到達した証拠写真とし
て。同行のKさん、ガイダと筆者。下:2016年、遠州灘への旅が始まったときに
作った旗、と原さんが見せて下さったもの。上の写真はこの旗を広げています。
杖突峠を下りきって実感として分かったことは、茅野市も諏訪市も南の地域は杖突
峠と守屋山の連峰の直ぐ下に広がっているということでした。もちろんその西側には
諏訪湖が広がるわけです。
また、杖突峠を越えた諏訪盆地は遠江との交流が盛んになった戦国から江戸時代に
は、秋葉街道沿いのどの地域とも異なるにぎやかで活発な交易と信仰の里であったの
だろうと想像しました。諏訪大社上社本宮の大鳥居前には峠山頂から2時間15分で
到達しました。そして足掛け4年を要した「秋葉道気まぐれウォーク」は何とか目標
を達成することができました。
(原
哲夫)
トピックス 『信GO』の紹介 池田 純
3月31日、長野駅前の2箇所の信号機で「信しんGOごう」の体験会に参加
しました。
これは、スマートフォンのアプリを使って、信号の状態を音声で知らせるシステム
です。
音声で、「もうすぐ信号が青になります」「信号が青になりました」「信号がもうす
ぐ赤になります」「この信号は、長野駅前北の信号です」などを知らせてくれます。
アンドロイド版のスマホでは、常にアプリが起動しているので、特別の操作をしな
くても、信号に近付くと音声で知らせます。IOSのスマホですと、アプリを起動させ
ないと音声の説明を聞くことはできません。
長野駅前の信号は、交通量の多い大通りを横断する信号のため、昼間は常に音声の
案内が流れていますがこのアプリを使うと、音声が消されている夜間にも音声で信号
の状態を確認することができます。
また、かなり長い横断歩道で渡るのに時間がかかりそうな場合には、スマホの画面
を長押しすることで青信号の時間を長くすることもできます。
そして何より助かりそうなのが、音声信号のない歩車分離信号の横断です。そのよ
うな信号には音声案内は付いていないので、スマホにブルートゥースを使って音声を
伝える機器を信号の上に設置することで、信号を青に変えたり、信号の状態を音声で
確認できるようになります。機器の設置にいくらかかるか県警の人は説明してくれま
せんでしたが、事情通の話では100万円前後だそうです。
スマホを持っていない人には全く使えないものですが、歩車分離信号の横断が楽に
できるようになるということは、視覚障害者にとって大変な朗報だと思います。ちな
みに、松本市・上田市・佐久市に設置されています。
事務局から
◆令和4年度会費納入のお願い
会員の皆さま、日頃のご支援ご協力に感謝致します。同封の振込用紙にて、お近く
の郵便局でお振り込みをお願い申し上げます。
◆ご住所などの情報の確認のお願い
住所や電話番号・メールアドレスなどの変更がありましたら、事務局までご連絡く
ださい。また、盲導犬ユーザーと引退犬ボランティアの皆様は、パートナーや引退犬
の状況に変化がありましたら(代替え・死亡など)、事務局までご連絡いただきます
ようお願い申し上げます。
◆メーリングリストについて
会員の皆さまの情報交換やイベントなどの告知をメーリングリストで配信していま
す。メールアドレスをお持ちの会員の方で加入ご希望の人は、事務局までお知らせ下
さい。
◆事務局連絡先
メール
電話 026-214-0802(会長池田直通)
《編集後記》
日頃「暑さに強い」と公言して憚らない私だが、ある暑い日、息子からラインが届い
た。「知らない内に熱中症にならないように、ちゃんと冷房入れて。」(イヤ、そん
なに鈍くなってはないよ)とは思ったが、(イヤ、こんなはずでは・・)と衰えを感
じることも多い今日この頃、「ハイ、ありがとう!」と素直に返信。「老い」を感じ
たこの夏の出来事でした。(片山)
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