ハーネスながの 2013年1月 第39号
発行:長野県ハーネスの会会長 前野 弘美
FAX 0263(35)8024 携帯080-1043-7315
事務局:〒390-0871 松本市桐2-4-44-1
http://www.harness-nagano.com
本号の目次
《ニューイヤー》
『新年のごあいさつ』
《特集》
『2012年のイベントを回顧する』
①“戸隠自然散策・啓発イベント”
②“軽井沢マーチについて”
③“補助犬法施行10周年記念長野市での啓発イベント”
《県内ニュース》
『盲導犬への理解深めて ・・・ 歩行体験などでPR』
《コメンタリー 039》
『だれもが暮らしやすい社会を目指して』 2
《連載/信州こんなところ、こんな話(6)》
『烏川(からすがわ)渓谷緑地』
《デビュー》
『これからの人生はライクとともに安全に楽しく』
《連載/旅は犬連れ、世は情け(7)》
『盲導犬は最良のウォーキングパートナー』
《ハーネス基金》
『疾病治療費助成の申し込みをして下さい』
《運営委員会》
『第3回運営委員会を開催します』
《事務局から》
『平成24年度会費納入のお願い』
《編集後記》
《ニューイヤー》
『新年のごあいさつ』
会長 前野弘美
新年、おめでとうございます。
昨年中のご支援・ご協力に心より感謝を申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は、補助犬法の施行10周年の年として全国でイベントが持たれた年でした。
ハーネスの会も長野市において啓発イベントを日本盲導犬協会さんと共催しました。
皆様のご協力に重ねて
お礼申し上げます。
昨年に増して良い年となりますようお祈り申し上げます。
《特集》
『2012年のイベントを回顧する』
昨年ハーネスの会は大変活発に対外的な啓発行事に取り組むことができました。
その前年に会組織の大きな再編を行い、チーム制を採り入れた成果とも考えられます。
年間の行事計画に基づいて行なったイベントの他にも他団体からの共催要請を受けて取り組んだイベントもありました。
本号ではそれらの3イベントの概容を報告します。
①“戸隠自然散策・啓発イベント”
ウェルカムチーム 丸山訓代
8月19日(日)に長野市の戸隠にて盲導犬と戸隠公園を歩くイベントを開催しました。
一般市民を含めて総勢50名の参加者で行なわれ、信州ネイチュア・フィーリングの会のご協力を得て自然の魅力と奥の深さを感じられたひとときでした。
参加者からいただいたイベント参加費より必要経費を引いた32,400円を盲導犬・引退犬の疾病予防と治療費の補助の目的でハーネス基金に組み入れさせて頂きます。
当日、イベントに参加して頂いた皆様、ありがとうございました。
〔参加者感想文〕
「神と妖精の戸隠」
東京都町田市 山本恭之
17年ぶりに訪れた信州戸隠は当時と変わらずすがすがしい空気に満ち溢れていた。
それは古事記由来の神々の伝説でも知られる戸隠であることと、標高1000メートルほどの高地であるからだろう。
8月の暑さも下界に置き忘れたような自然のクーラー。
しかし寒いことはなく実に爽快なのだ。
そんな戸隠森林植物園の雰囲気は17年前の記憶を徐々に思い出させてくれていた。
前回来た時は近くのキャンプ場に泊まり、戸隠神社の奥社と中社と回った。
今回は前回にも来た植物園と、初めて行く「そば博物館」。
博物館と言っても建物の2階には大広間があり、そこでおそばが食べられる。
今回は長野の盲導犬のユーザーの集まりである、「長野県ハーネスの会」に、友人のつてで東京から友人3人で参加させてもらった。
私の足下には前回にはいなかった盲導犬がいる。
名前はアンリ。
ラブラドールの男の子。
男の子と言っても今年の10月には10歳になる。
私とアンリで親父ペアーなのだ。
私とアンリは森林植物園を10人前後のグループに分かれて散策開始。
各グループに案内の人がついてくれて、丁寧に案内してくれた。
前に来た時は、ただなんとなく回っただけだったので、今回は勉強にもなり楽しかった。
途中で「やまね」の死骸があり、触らせてもらった。
とても珍しいらしい。
「やまね」は豊かな森の象徴で、「森の妖精」とも言われているそうだ。
1年の半年ほど冬眠をするために、目撃することはとても珍しいらしい。
死骸とはいえ直接触れたなんてなんと幸運なことか。
緩やかな坂道と、ところどころある木道を歩き植物園を一回りした。
植物には不得意な私であるから、名前はほとんど覚えていないが、少しだけ口にした木の実や葉っぱの香りはいまだに頭の片隅に残っている。
とてもいい経験をさせていただいた。
植物園を後にして、次は「そば博物館」での昼食。
戸隠そばである。
博物館の2階の広間が食堂になっているため、アンリの足を拭いて2階へ上がる。
事前にたのんでいたそばを美味しくいただき、しばしの休息。
多くの盲導犬が一緒なのだがみんなおとなしくしている。
当たり前といえばそうなのだが、このような盲導犬の集まりの中には、吠える犬がいたりすることがあり、肝を冷やすこともあるのだが、さすが「長野県ハーネスの会」といったところだろうか。
東京から来ている私たちはゆっくりしていられず、途中で失礼しなければなりませんでした。
戸隠の爽やかな空気と、天照大神と須佐之男命に迎えられ、森の妖精に送られて、山を後にしました。
【追記】
下界に下りてきた私は、長野から一路名古屋へ向かいました。
私の夏休みも名古屋で終わりです。
今夜は名古屋市内に泊まって明日は友人とあってから東京に戻る予定でした。
その名古屋のホテルで思いもよらない出来事が起こりました。
予約していたSホテル。
全国的に有名なビジネスホテルですが、宿泊拒否にあってしまいました。
交渉の末、結局泊まれる事になったのですが、一時はほかのホテルを案内するというところまで話が進んでしまいました。
前日泊まった長野のホテルは、とても対応が良くて、今回の名古屋の事はとても残念です。
盲導犬は私たちの大事なパートナー。
まだまだ盲導犬の本来の役割りとか実情が知られていないのでしょうか。
盲導犬が日本に生まれて50年以上たっていますが宿泊拒否やレストランなどの入店拒否はあるようです。
それらのホテルやレストランが、1日も早く快く私たちを迎えてくださることを祈ります。
お世話になりました「長野県ハーネスの会」の皆様。
楽しい1日をありがとうございました。
②“軽井沢マーチについて”
対策チーム 池田純
6月の総会で、東御市の広沢さんから、軽井沢での買い物の際に、入店拒否のあったことが報告されました。
それを受けて、対策チームの取り組みとして、軽井沢の集客力のある旧軽井沢商店街とプリンス・ショッピングプラザ(通称アウトレット)の店を全店訪問してみようとの企画を立てました。
身体障害者補助犬法の施行から10年ということもあり、マスメディアの人々にも関心を持ってもらおうと、10社に呼びかけをしました。
しかし、予想外にマスメディアからの反応は皆無でした。
10月27日(土)のユーザーの参加者は、広沢さん、松尾さん、中沢さん、池田、そしてオブザーバーとして北澤さんでした、しかし、参加者も少ないことから、北澤さんにも商店回りをしてもらうことにしました。
サポートしてくれた晴眼者は、6人です。
11時前に軽井沢駅に集合しましたが、あいにくの大雨、旧軽井沢を回ることはできそうもなく、やむなく、全員でショッピングプラザを回ることにしました。
しかし、回り始めて驚きましたが、主要な店には、ほとんど受け入れOKステッカーが張ってあります。
ステッカーの張ってない店を中心にリーフレットを配ることにしました。
回り始めて40分ほどすると、管理事務所の石井という人物が出現し、「こちらとしてもしっかり指導しているので、勝手にリーフレットを配るようなことはやめてほしい。
もし入店拒否があった場合には、管理事務所に連絡をしてくれれば対応する」とのことです。
一見、プリンス側としては努力はしているので、盲導犬を拒否するようなことはないはず、とも聞こえます。
そこで、私が花畑牧場ですぐには入れてもらえなかった経験を話し、「もし入店拒否があっても、管理事務所の連絡先など知っているユーザーはいない」ことを伝えました。
そうこうするうちに雨も上がり、広沢さんと私は旧軽井沢に向かって北上しましたが、時間もなく、回れる店はあまりありませんでした。
回った範囲では特に問題はありませんでした。
〔参加者のメールから〕
東御市 広沢里枝子
軽井沢マーチにご参加くださった皆様、お疲れ様でした。
応援してくださった皆様、ありがとうございました。
そして池田さん、準備から交渉から、本当にありがとうございました。
全体の調査結果の集計は、後ほどしていただけることと思いますが、私達のグループのおよその集計は、坂田さんと帰りの電車のなかでしましたので、ご報告しておきます。
私達のグループが訪ねたのは、アウトレットのウエストのスポーツ店などを中心にした一角と,軽井沢駅の旧軽井沢側の右側の通りのいくつかのお店でした。
グループのメンバーは、坂田さんと、まいちゃんと、広沢と、ネルーダです。
(中略)
感想としては、アウトレットモールは、補助犬のステッカーが思ったよりも貼ってありました。
大いに評価した上で、一層の理解と努力を求めてはどうかと思いました。
また、アウトレットモールのなかのお店の責任者は、若い方が多く、頑固に拒否するような姿勢は見られない一方、
なにごとにつけモール管理者や本社に聞いて許可をもらうか、指示を受けないと、勝手には決められないという様子が見受けられました。
今回、ステッカーを貼りましょうと言ってくださった
お店が貼るようになって、軽井沢にずらりとステッカーが並ぶようになったら、うれしいなあと思いました。
ただ、受け入れたことのあるお店や、補助犬の受け入れについて、これまでに考えたことのあるというお店は少なく、こうして私達が出向くことは、非常に意義があると感じました。
〔参加者感想メールから〕
上田市 松尾寿美子
今回、微力ながら私も軽井沢マーチに参加させていただきました。
ショッピングプラザの味の街についてですが、私が行った時はちょうどお昼時でした。
どの店も行列を作っていて、お話を聞くということはできませんでした。
ざっと見たところ、ステッカーを貼ってある店はほとんどありませんでした。
貼ってあるのは、「ペット犬不可」でした。
味の街のお店ですが、軽井沢フラットブレッズ 西洋亭デリスシダイニングやまととりまる軽井沢高原コロッケと地ビールの店翠天楼 イタリアンレストランボンデール これらの店に関しては大丈夫だと思います。
私がウィングと一緒に入店した時、快く迎えてくれました。
逆に店を出る時は、「また来てくださいね~」と見送られました。
管理事務所の石井さんにも何度か案内していただいたことがあります。
ショッピングプラザで入店拒否された店の名前を教えていただければ、また買い物に行った時にでも入ってみようと思います。
それでは皆様、夜は冷えますのでどうぞ温かくしておやすみなさいませ。
③“補助犬法施行10周年記念長野市での啓発イベント”
会長 前野弘美
急な企画で皆様に慌ただしいご協力のお願いになりました事、申し訳なく思います。
そんな中、ご協力いただきました皆様ありがとうございました。
12月1日(土)から3日(月)にかけて長野市において補助犬法施行10周年の啓発イベントを日本盲導犬協会さんと共催にて実施致しました。
大変寒い中でのイベントにも関わらずご協力いただきました皆様に重ねてお礼と感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
概要をお伝えします。
(1)盲導犬の歩行体験
一般の方も含め歩行体験とユーザーから聞く実際の話で疑問に応えるイベントでした。
盲学校の生徒さんなど20名の体験者があり、新聞に掲載されました。
(2)募金活動
長野駅前の東急百貨店の前にて、実施しました。
寒い中ありがとうございました。
テレビ放送を見て募金に駆けつけていただいた方もいたとの事です。
募金額は202,886円でした。
ハーネスの会の収入は半分の101,443円で、ハーネス基金に組み入れます。
(3)啓発イベント(松本大学)
学生さんと松本の旅館組合・アルピコ・ホテル・飲食店などの会社や団体の管理者の方と一緒に授業・ディスカッション、体験歩行をしました(3時間程度)。
補助犬法・補助犬などの知識と盲導犬の実際、体験など話題も多くこれから拡がりを期待できそうです。
(4)県知事訪問
盲導犬の受け入れ、医療費への補助、柔軟な補助犬貸与の対応などお願いしました。
補助犬の実情を伝え、課題がまだある現状を知っていただけたものと考えています。
知事さん始め職員の皆さんが盲導犬の体験歩行をされました。
以上概容でした。
(※関連記事《県内ニュース》をお読み下さい)
啓発の声を常に発信していくことが大切と感じました。
《県内ニュース》
『盲導犬への理解深めて ・・・ 歩行体験などでPR』
信毎記事から
日本盲導犬協会(本部・東京)などは3日、松本市の松本大と長野市の県庁で、盲導犬への理解を求めるPR活動をした。
身体障害者補助犬法施行10周年を受けて実施した。
松本大では、福祉関係への就職を希望する学生16人を対象に、盲導犬を使った歩行体験などをした。
学生が目隠しをし、同協会職員が「ゴー(行け)」などと盲導犬に指示を与えて歩いてみた。
同大3年生の田々井俊幸さん(21)は「犬に支えられている感じがし、あまり不自由さは感じなかった。
多くの人が利用できるよう、自分たちも理解を深める必要がある」と話していた。
県庁では、同協会と県内の盲導犬利用者らでつくる県ハーネスの会の代表者らが阿部守一知事を表敬訪問。
ハーネスの会の前野弘美会長(55)=松本市=は、補助犬への理解がまだ十分でなく、飲食店に入ろうとして断られる事例があると説明。
「県内の保健所から飲食店に言ってもらえると効果がある」と要望した。
知事は「徹底してもらえるよう取り組みたい」と応じた。
(12月4日朝刊) ※掲載許諾を得ています。
《コメンタリー 039》
『だれもが暮らしやすい社会を目指して』 2
「障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会」座長代理 池田 純
障害者権利条約と障害者制度改革本部
障害者権利条約は、障害のある人も参加し8回の特別委員会によって条約案がまとめられ、2006年12月の国連総会において採択されました。
その後、各国で批准の手続きが進められ、2008年5月に発効しました。
今年(2012)1月末現在で110カ国が批准しています。
我が国は、2007年9月署名し、2009年3月、国会に批准を求める動きもありましたが、国内法の整備が進まない状態での批准に障害者団体が反対し、現在もまだ批准していません。
そこで、障害者権利条約の求める理念に基づいて国内法を整備するため、2009年12月障害者制度改革本部が設置され、その下で推進会議が、障害者基本法の改正を行い、障害の定義について、医学モデルから社会モデルへと大きな転換がなされました。
また、障害者総合福祉法骨格提案が、一昨年の8月にまとめられましたが、2月8日、その提案を無視した障害者自立支援法の改正案が厚生労働省から示されました。
《連載/信州こんなところ、こんな話(6)》
『烏川(からすがわ)渓谷緑地』
岡谷市 北澤とも江
北アルプスの常念岳・蝶ヶ岳から集まる水を源流とした、安曇野市堀金烏川(からすがわ)流域には、水辺エリア、森林エリアと名付けられた二つのエリアからなる、広さ約50haの自然豊かな長野県立公園が整備されています。
11月中旬、水辺エリアを散策するつもりで、環境管理事務所の職員さんに案内をお願いしていました。
ところが、予約した日は、朝からの冷え込みで、標高1,000mの公園には、初雪が降り、約束した時刻には、強いみぞれに変っていました。
こんなときのためには、環境管理事務所内にある、レクチャールームでゆっくり過ごしてみるのが、烏川渓谷緑地の楽しみ方のひとつです。
レクチャールームでは、いつでも気軽に、この公園に生息する動植物について職員さんが丁寧に説明してくださるのです。
珍しい標本や、動物の剥製、図鑑や本なども備えられています。
また、視覚障害者のための点字案内パンフレットも用意されています。
標本のほとんどは職員さんたちの手作り。
その標本の中に、不思議なものがありました。
口が狭く、中が広いガラス瓶の中に、大きな松ぼっくりが入っていました。
松ぼっくりは、瓶の中いっぱいの大きさです。
どうやって、この松ぼっくりをガラス瓶の狭い口から入れたのか、大変不思議なものでした。
方法は、聞けば簡単なのです。
松ぼっくりは、乾燥しているときには、実が堅く小さいのです。
その実が入るくらいの瓶で、中が広いものを用意します。
瓶に松ぼっくりを入れてから、水を注ぐと、だんだんに実がふくらんできます。
反対に乾燥させれば、松ぼっくりは小さく堅く変化するので、狭い瓶の口から取り出すことができるのです。
松ぼっくりに、そんな性質があることを知らなかったので思わぬ発見でした。
もうひとつ紹介したいのは、熊の赤ちゃんの剥製です。
激しい嵐の翌日、生後2ヶ月ほどの熊の赤ちゃんが、森林エリアで死んでいるのを散策中の人が発見しました。
小熊は母熊から離れてしまうと自力では生きられません。
剥製になった赤ちゃん熊は、体調30センチほどで、まるでぬいぐるみそのものの肌触りでした。
環境管理事務所が赤ちゃん熊を剥製にしたのには理由があります。
その赤ちゃん熊の足の爪は、さわれるようにしてありました。
熊の爪は、すでに赤ちゃんの頃から、カギ形に鋭くとがっていることを、人々に知って欲しいとの願いを込めて剥製にしたのです。
烏川渓谷緑地では、「森と渓谷に育まれる生命の輝きと、美しい自然を感じよう。
」のテーマを実現するため、「全身を研ぎすまして、自然を感じよう。
」と、4つの方法を提唱しています。
1 音を聞く。
「何が聞こえる?風の音、川の流れる音、鳥・動物・昆虫の鳴声・・・。
耳を澄ましてみよう。」
2 においをかぐ。
「どんなにおい?風や草花、木々や雪のにおい・・・、季節によっても違う自然のにおいが感じられるよ。」
においは、木や花だけではなく、木の実にもにおいのあるものがあります。
3 目を凝らして、じっと観察する。
「見てみよう!遠くの山を望む、木を見上げる、動植物を探したり、目を凝らしていろんなものを見よう!」
4 手で触れてみる。
「手で触れたら?あくまでもやさしく、落ち葉や木の実を拾っても、決して採ったりしないで、もとの場所にそうっと戻そう。
(触れると危険なものもあります。)」
公園では、四季を通じて各種のイベントや、観察会、学習会が行われています。
3月は、スノーシューを履いて、動物の足跡を追う、アニマルトレッキングツアー。
4月下旬、姿も声も美しい「オオルリ」が烏川渓谷緑地に渡ってきます。
「オオルリ観察会」がスタートします。
そして、ザゼンソウや、カタクリの花も咲き始めます。
公園には、車椅子や、ベビーカーでの散策が出来るようなバリアフリーの散策路も設けられています。
様々な立場の人たちが、一緒に渓谷緑地の自然を体験し、お互いに交流ができるように、春と秋には、バリアフリーのネイチュア・フィーリング自然感察(かんさつ)会を企画しているそうです。
各種イベント、観察会、学習会、ネイチャーフィーリング自然感察会等の、2013年開催予定については、烏川渓谷緑地環境管理事務所のホームページをご覧いただくか、直接、事務所に電話でお問合せください。
【問合せ先】
烏川渓谷緑地 環境管理事務所 TEL・FAX 0263-73-0203
ホームページ 「烏川渓谷緑地」で検索
交通:JR大糸線豊科駅から、車で15分。
《デビュー》
『これからの人生はライクとともに安全に楽しく』
昨年(2012年)8月に、新しく会員になられた、諏訪市在住の飯嶋正昭さん(78才)と、盲導犬ライク(メス、ラブラドールレトリーバー、イエロー、3才)を紹介します。
飯嶋さんは、42才から30年間を、単身赴任で海外勤務を続けていました。
72才のときに仕事を引退。
ご家族が待つ諏訪市に帰られ、これからはのんびり生活ができるものと考えていたそうです。
帰国後、眼科医で受けた精密検査で、視野が極端に狭くなっていることが判明。
盲導犬の助けも借りながら、これからの人生を安全に暮らしていくことを決意した飯嶋さんは、2012年7月に、静岡県富士宮市にある、日本盲導犬協会の「冨士ハーネス」で、ライクとの共同訓練に入りました。
78才という年齢からの盲導犬使用は、稀なケースかも知れません。
飯嶋さんは長い外国生活で培かった柔軟な発想と行動力で見事初めての共同訓練を乗り切ってしまいました。
飯嶋さん一家は、お孫さんも含め6人家族ですが、そこにライクが加わったので、更ににぎやかになりました。
「ライクは、やんちゃな娘。
」と笑う飯嶋さん。
そんなライクと散歩する飯嶋さんには、ご近所さんからのあたたかい声がかかるようになったとのことです。
「ライクとの歩行に慣れてきたら、電車やバスを使って行動範囲を広げたい。
」と、飯嶋さんの希望はふくらみます。
みなさん、飯嶋さんとライクの応援よろしくお願いします! (記事/北澤とも江)
《連載/旅は犬連れ、世は情け(7)》
『盲導犬は最良のウォーキングパートナー』
下伊那郡 原哲夫
仕事を退いて3年が過ぎた。
松本を離れて下伊那に帰郷した。
定職を持たず職場生活の枠組みから外れた者の1日の日課はともすれば拠り所がなく気まぐれに流れがちである。
ましてそれが
目の見えない者ともなれば、「不健全」とか「不健康」、ときには「哀愁」の感さえ抱く人もいる。
「悠々自適」ということばの響きは悪くはないが、なかなかその真なる心境には達しにくい。
在宅中心の生活を始めるに当たって避けたいと思ったことは不規則な日課と運動不足であった。
そんな折り、思いついたことは、「毎日愛犬エリンとのウォーキングを習慣化したらどうか」ということだった。
これは日課の柱として1日の生活リズムを維持する弾み車という目的と運動不足を脱するための健康保持の目的からであった。
ここで断っておきたいが、私に言わせれば、〝ウォーキング〟は決して〝散歩〟を意味するものではない。
ウォーキングは人にとっても犬にとっても一種のトレーニングであり正真正銘のスポーツである。
一方、散歩は気の向くまま犬の行くまま、あっちを見たりこっちを見たり、臭いを嗅いだり足を上げたりと、ペットのポチと飼い主のお楽しみタイムのイメージである。
今も昔も「盲導犬は通勤や買い物のベストパートナー」という評価が定まっている。
賢い上に厳しく躾られており、安全で確実に主人を案内する。
私自身もこれまで3頭のパートナーとのつ
き合いを通して実証済みだ。
実は、私が毎日の通勤から解放されることになったとき、「エリンも定職がなくなってしまうがどうしよう」と脳裏をかすめたことがあった。
エリンの主たる業務は主人の通勤ガイドであった。
主人と盲導犬は一蓮托生、主人が失職すればパートナーも失業することになる。
既に書いたが主人たる私は理性も自律心もある。
一方、盲導犬と言えどもワンチャンには理性もなければ自律心などはないだろう。
予想されるエリンの日課は朝夕2回の食餌を保障され、後はトイレをして寝ているだけ。
故に主人以上にエリンの堕落の方がより深刻とも思えた。
仕事を失った盲導犬はプライドも判断力も案内技術も退化する。
そんな点でも私と一緒のウォーキングはエリンにとってもグッドアイディアだったはずだ。
私とエリンのウォーキングコースは自宅からJR飯田線に沿って次のK駅までの往復コース。
距離は自宅からK駅往復が5㎞、時間は1時間弱。
これぐらいの距離が体調的にも時間的にも還暦を越えた私には合っているように思う。
幸い、この飯田線沿線とその東側を流れる天竜川沿岸の道路には歩道が完備された区間が長く、安全で歩きやすい。
ジョギングやウォーキングをしている人もいる。
5月から9月までのサマーシーズンは、朝4時半には出発して8㎞弱を歩いて6時過ぎに帰宅するコースにもときどき挑戦した。
10月から4月にかけてのウィンターシーズンは、9時に出発して10時過ぎに帰る。
このパターンはこの3年間にほぼ定着した。
エリンとウォーキングするようになって発見したことがある。
盲導犬は最良のウォーキングパートナーであること。
職場への通勤や家事のための買い物などには無縁な人も安全で快適なウォーキングを理由に盲導犬を持つことを勧めたい。
パートナーが主人を誘導している時の集中力はすばらしい。
散歩中のペット犬や軒先に繋がれている番犬に吠えられても使命を忘れることなく誇り高くひたすら顔を前に向けて歩く。
また、スピード感とリズム感も実によい。
医学的な見地からウォーキングでは通常歩行より少し速く歩くのが効果的という。
エリンは10才を過ぎたが5㎞ぐらいの距離なら時速5~6㎞のスピードでは歩き続けられる。
エリンの側からしても距離的にはすこし長いが歩き慣れた道を主人とときどき対話しながら自信を持ってテンポ良く誘導することは楽しい(?)のではないか。
振り返って思えば、私は嘗て通勤をしていたころ、自宅から職場まではエリンとともに往復でも4㎞弱、時間にしてトータル30分ぐらいであった。
通勤時代より今の方が距離も時間もずっと長く私は
エリンに付き合っていることになる。
エリンとのウォーキングをルーティンワークとしたことで1日の日課の柱が据わったように思う。
これも3年前に始めた目的の一つである。
とかくだらけがちな生活に張りを与え、意欲とパ
ワーの源になっているようにも思う。
因みに昨年1年間のウォーキング距離を概算してみる。
夏の早朝などは8㎞コースを歩いた日も多かったが、無理のない通常コース5㎞で計算する。
週に30㎞、月に120㎞、そして1年
間で1500㎞ぐらいは確実に歩いたと思う。
我ながら大した距離だ。
最期に健康状態について触れる。
3年間の体重変化は±0,5㎏以内でほとんど変化無し。
血圧も120から70で安定。
腹囲も80㎝以内を保っている。
内部的には年齢相応の要観察事項は
あるものの今のところ服薬や治療を必要とする症状はないようだ。
視覚障害者が信州の清冷な空気を胸一杯吸って風に向かって長い距離をぐんぐん歩く。
これを快挙といわず何というか?みなさん、やってみよう。
《ハーネス基金》
『疾病治療費助成の申し込みをして下さい』
ハーネス基金チーム 齊藤慎一
○ 2012年(平成24年)疾病治療費助成金について
・ 提出期限が迫っています。
2013年1月31日(木)です。
◇対象期間は2012年(平成24年)1月1日から12月31日までの1年間です。
◇対象は本会に入っている盲導犬使用者または引退犬飼育者です。
◇昨年1年間に動物病院などで支払った疾病治療費の一部助成を希望する会員はお申し込み下さい。
◇動物病院が発行する処置概容の分かる領収書またはそのコピーを添付するか、動物病院(獣医師)の支払い証明書を添えて下さい。
◇疾病治療費として支払われた金額の半分を助成します。
◇フィラリア予防薬や犬の爪切り代金など助成の対象に含まれない項目もあります。
◇助成金は3月中旬までにお届けのあった金融機関の口座に振り込みます。
(申し込み書類の送り先)
事務局 田中 康子
〒390-0305松本市惣社512
携帯: 090-5808-4453
○ 2012年(平成24年)健康管理費助成金について
◇対象は本会会員の盲導犬と引退犬です。
◇申し込みの必要はありません。
◇1頭当たり5000円です。
◇3月中旬までにお届けの金融機関口座に振り込みます。
○ 死亡見舞金について
◇対象は会員が使用する盲導犬または飼育する引退犬です。
◇2012年1月1日から12月31日の間に盲導犬または引退犬が死亡した場合には事務局へご連絡下さい。
◇見舞金は1頭10,000円です。
◇3月中旬までにお届けの金融機関口座に振り込みます。
《運営委員会》
『第3回運営委員会を開催します』
会長 前野弘美
本年度第3回運営委員会を次のとおり開催します。
各チームリーダーの方だけでなく出席を希望される会員はお出かけ下さい。
尚、出席される会員は2月28日(木)までにご連絡下さい。
【期日】 平成25年3月3日(日)
【場所】 松本勤労者福祉センター 又は あがたの森文化会館
【時刻】 10時30分 ~ 14時
【内容】 現況報告と総会に向けて
・会費納入状況の報告
・ハーネス基金支援状況の報告
・本年度の事業反省
・次年度事業計画
・総会期日の決定
・情報交換
以上、よろしくお願いします。
《事務局から》
『平成24年度会費納入のお願い』
本年度の会費を未納の会員の方はできるだけ早く会費2000円をお振り込み下さい。
よろしくお願いします。
(田中)
《編集後記》
新年あけましておめでとうございます。
昨年末は、総選挙など慌ただしい年の暮れでした。
今年は、少しは明るい展望が見られるとイイですね。
昨年から新しい体制になったハーネスの会の
活動、今年もさらに充実したものになることを期待します。
(池田)