ハーネスながの
2012年8月 第38号
発行:長野県ハーネスの会 会長 前野 弘美
fax 0263(35)8024 携帯080-1043-7315
事務局:〒390-0871 松本市桐2-4-44-1
http://www.harness-nagano.com
本号の目次
《特集》
『東日本大震災で、被災した犬たちの里親を探しています』
《コメンタリー 038》
『だれもが暮らしやすい社会を目指して』 1
《報告》
『2012年度定期総会』
『第2回運営委員会』
《イベント》
『戸隠癒しの森を盲導犬と一緒に歩く交流会』
『軽井沢での盲導犬啓発デモンストレーション』
《連載/信州こんなところ、こんな話 (5)》
『戸隠森林植物園』
《連載/旅は犬連れ・・・⑥》
『北海道旅行』
《デビュー》
『61才を節目に大決断』
《ニューフェイス》
『皆さんと一緒に』
『ハーネスの会に参加して』
『よろしくお願いします』
《情報ファイル》
『盲導犬のコート製作ボランティアグループの紹介』
《事務局から》
《編集後記》
《特集》
『東日本大震災で、被災した犬たちの里親を探しています』 編集チーム
本年度長野県ハーネスの会の総会の席で、
一人のユーザーさんから、こんな声が上がりました。
「大震災で、被災した犬や猫がいる。
何か、我々の会でもできることはないのか。」
いくつかの議論を経て、
「長野県の中で、被災した犬や猫の支援をしている団体か、個人がいるかどうかを調べて、
ハーネスの会の発行する会報にその支援内容を紹介してみたらどうだろう。」
との結論が出ました。
編集チームでは、ハーネスの会のメーリングリストにも呼び掛けて、
情報収集を図りました。
いくつかの情報の中から、今回は、松本市で、
主に被災犬のシェルターを作って、最終的には安住できる家庭を探している
「ゆめまるHAPPY(ハッピー)隊」の活動を紹介することにしました。
〔ゆめまるHAPPY隊とは?〕
一般社団法人ゆめまるHAPPY隊
(代表 国本和哉さん)は、以前から、保健所に引き取られた犬や猫を引き受けて保護、新しい飼い主を探す活動を続けてきました。
昨年の東日本大震災で、飼い主と一緒に避難できなかったり、はぐれたり、
又は飼い主が飼うことができなくなり手放した犬、猫も引き受けるようになり、
現在、松本市梓川で、民家を借りて、
主に犬たちのシェルターを作って一時保護をしながら、
新しい家族となる里親探しをしています。
〔シェルターを訪問〕
7月21日(土)、松本市梓川にある、シェルターを訪ねてみました。
迎えてくれたワンちゃんたちは、計9頭。
普通の民家の屋内にケージが用意されていました。
現在、この屋内には、4頭のワンちゃんが生活。
ワンちゃんにとって、この個室はうれしい。
庭だったところを全面、人工芝を敷き詰めてドッグランスペースに改造。
そのドッグランをぐるりと取り囲むように、スタッフ全員で手作りした板塀は、
事故のないようにと、二重にしてあります。
このドッグランが、ワンちゃんたちの大のお気に入りの場所です。
どのワンちゃんも、ここで初めて家族となったのに、みんな偉いなあ。けんかもせずに、仲良く遊んでいる姿は微笑ましい。
ドッグランを取り囲むように、防音装置、冷暖房完備の居住スペースもありました。
ここにいるのは、大型犬の兄弟と、ただいま病気療養中のワンちゃんや、
事情があって預かっているワンちゃんたち。
ワンちゃんは、みんな毛がさらさらで随分きれい。
松本のビジネス専門学校・動物看護科の学生さんたちに
しっかりシャンプーしてもらっているとのこと。
獣医師の協力もあり、消毒も徹底されているため、たくさんの犬が生活しているのに、まったく犬のニオイがしなかったことも犬を大切に思えばこそと感じられました。
〔里親探しは難航〕
ゆめまるHAPPY隊の活動は、最終目標が、ワンちゃんに、
新しい家庭を提供してあげること。
シェルターの環境は、何頭もの犬が同居しているので、
どんなに大事にしていても、寂しがりやさんには、行き届かないことも。
やっぱり、どのワンちゃんも、専属の家族がいるほうが幸せにちがいない。
新聞店に頼んで1,500枚の折込チラシを配ってもらったこともあった。
でも、一人も問い合せしてくれる人はいなかった。
〔まず、知ってもらうことから〕
被災犬たちの存在そのものを知ってもらいたい。
まだ知らないでいる人たちに知らせてもらう。
そのことこそもっとも大きな支援、応援になる。
もちろん、何か役に立てて欲しいという寄付金や、
カンパなどのお金の支援もありがたいけれど、気軽に、
シェルターにいる犬をかわいがりに来てもらえればうれしい。
〔里親さんへの条件〕
これだけは譲れないと言う条件が一つ。必ず屋内で飼育することが条件になります。
ここまでつないだ命だから、どの犬も幸せに長生きしてもらいたいと願っています。
〔会員になって支援する方法も〕
ゆめまるHAPPY隊でも、ハーネスの会と同様に会員登録して、
年会費を通じて活動を支えることができます。
参考までに、入会金と年会費を掲載。
正会員は、入会金2,000円、年会費3,000円。
賛助会員は、入会金3,000円、年会費4,000円、
団体賛助会員は、入会金5,000円、年会費(1口)5,000円。
ホームページから会に入会する方法があります。
http://www.yumemaru.net./
応援お願いします。
会員登録/問い合せ 電話番号 08010232354
《コメンタリー 038》
『だれもが暮らしやすい社会を目指して』 1
「障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会」座長代理 池田 純
「障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会」がスタートしました。
一昨年8月の県知事選挙で当選した阿部守一さんの「基本政策集2010」の中には、
四つの条例制定が公約として掲げられています。
「子どもの権利条例」「中小企業振興条例」「市民活動支援条例」、
そして「障害者差別禁止条例(仮称)」です。
このうち「障害者差別禁止条例」については、昨年3月から準備会が開かれ、
7月に「障害のある人もない人も共に生きる社会を目指す研究会
(島崎潔座長)」としてスタートしました。
この研究会は、15名の委員で構成され、
過半数の8名が障害のある人、障害のある人の家族、その支援者で占められています。
このような構成の研究会は、長野県においては初めてのものであり、
8月から10月までの間に、県民から寄せられた
700件を超える差別事例の分析を行い、その解決策について研究しています。
「差別」と言われると、構えてしまったり、抵抗感の強い人もいるかも知れませんが、今回の事例募集では、「障害があるために暮らしにくさを感じた経験」を広く募りました。
寄せられた事例は長野県のホームページで公開される予定です。
(次回へ続く)
《報告》
『2012年度定期総会』
会長 前野弘美
平成24年6月3日(日)に松本市あがたの森文化会館にて開催されました
長野県ハーネスの会総会の様子を報告します。
本年度総会は来賓として県障害者支援課の田中徳也様を始め、
会員21名とパートナー11頭の参加でした。
身体障害者補助犬法施行10年に当たる本年、
更に盲導犬に対する正しい理解が広まることを願い、
県の田中様に対して生の声を伝える事ができました。
本年度、イベントとして戸隠散策についての意見交換や、
被災した犬などのペットに対して何らかの支援が出来ないかとの発言に対して、
支援をしている団体などの情報を集め会員に会報などで紹介することになりました。
総会に合わせて第1回運営委員会を開きその後皆で懇親の食事会を持ち
総会は終わりました。
本年もよろしく、お願いします。
『第2回運営委員会』
副会長 加藤久美
7月16日(海の日)に、長野市のトイーゴ学習センターにて
今年度第2回運営委員会が行われました。
参加者は、10名と盲導犬が7頭でした。
大まかな内容は以下のとおりです。
① 情報交換
新ユーザーの紹介・イベント情報など。
② 戸隠でのイベントについて
8月19日(日)に行われる戸隠でのイベントについて、
具体的な内容が話し合われました。
一般参加者の募集方法や当日の交通手段・雨天時の対応など。
③ 対策チームの活動について
6月の総会で軽井沢の店での入店拒否が多いという話題になったことを受け、
対策チームで軽井沢地区の各店舗を訪問し、盲導犬の啓発活動を行うことになりました。
10月27日(土)に予定しています。
④ 編集・広報チームより
「ハーネスながの第38号」の発行計画について、報告がありました。
⑤ ハーネス基金について
今年度の医療費補助については、
2012年1月1日~2012年12月31日分の医療費を
2013年1月31日までに申請してください。
2013年2月中に給付の予定です。
⑥ 事務局から
ハーネスの会の事務局の住所について、これまでは原前会長の自宅になっていましたが、前野会長の自宅住所に変更します。
《イベント》
長野県ハーネスの会では今年度二つの大きなイベントを計画しております。
会員に限らず一般のみなさんの参加をお待ちしています。
〝その1〟 『戸隠癒しの森を盲導犬と一緒に歩く交流会』
盲導犬と戸隠の森を歩きませんか!
みなさんの参加をお待ちしています!
小中学生の親子連れも大歓迎です!
〈主催〉 長野県ハーネスの会
〈協力〉 信州ネイチュア・フィーリングの会
〈内容〉 ◇盲導犬の仕事ぶりを見ていただきながら自然散策します
◇森林植物園を歩きながら草木や動物に関心を持ち親しみます
◇信州ネイチャーフィーリングの会メンバーが説明してくれます
◇盲導犬ユーザーを含むグループ毎に自然探索をしたり会食と懇親会をしたりします
〈とき〉 平成24年8月19日(日) 10:30~14:00
〈ところ〉 戸隠森林植物園
〈参加費〉 1000円 (交通費と食事代は含まず)
*諸費用支払い後の残金はハーネス基金へ組み入れさせていただきます。
〈募集人員〉 50名(スタッフ含む)
〈申込締切〉 8月10日(土)
〈日程〉 詳しくは別送した「案内ちらし」をお読み下さい。
〈問い合わせ・申し込み〉 長野県ハーネスの会http://www.harness-nagano.com/
前野弘美 080-1043-7315、hmaeno@avis.ne.jp
〝その2〟 『軽井沢での盲導犬啓発デモンストレーション』
◇ 最近、軽井沢のレストランで盲導犬同伴による入店を断られたという事例が
何件か続いています。
◇ 盲導犬ユーザーとサポーターたちが
2グループに分かれて啓発キャンペーンを行います。
◇ 対策チームでは商店街を尋ねて「身体障害者補助犬法」を知っていただき、
盲導犬同伴に よる入店OKの確認をしたいと思います。
◇ 盲導犬ユーザーのみなさん、サポーターとして同行していただける会員のみなさん、秋の 軽井沢で会いましょう!
〈日時/日程〉 10月27日(土) 10時30分 軽井沢駅集合
2班に分かれての各店訪問:12時30分まで
昼食:13時より
解散:14時30分
雨天決行です。
〈連絡先〉 対策チーム池田純 ℡026-214-0802 (携帯に転送)
EMAIL:池田純
《連載/信州こんなところ、こんな話 (5)》
『戸隠森林植物園』
岡谷市 北澤とも江
今回は、パワースポットとして名高い戸隠神社を訪れてみました。
戸隠神社は標高が上がるごとに、
宝光社、火之御子社、中社、九頭龍社、奥社の五つのお社に分かれています。
そのうち、宝光社、中社周辺には、そば屋、みやげもの屋、旅館などが多数あり、
大層賑わっています。
一番奥となる奥社は、静寂な空気に包まれた霊場といった雰囲気になります。
豊かな森林がどこまでも続いている環境ですが、奥社入口には、
気軽に森林の中を散策できる整備された遊歩道がありました。
来る8月19日(日)に行われる、
長野県ハーネスの会・自然観察の交流会の会場となる「戸隠森林植物園」は、
この森林の中に作られています。
森林植物園は、老若男女どんな立場の人でも自然の中を散策できるよう、
幅の広い木道を敷き詰めた遊歩道が設けられていて、
車椅子でも散策可能なバリアフリーの公園と考えてよいでしょう。
ここの入口は、2箇所あります。どちらからスタートするかの違いは、森林植物園が、中社からのハイキングコースとつながっているからで、
中社から、右側を登って奥社に向かうコース(女人堂跡、
稚児の塔経由)で歩いてきた人は、
「奥社入口」バス停のある入口から植物園に入ることができます。
一方、中社から、
左側のハイキングコース(池めぐりコース)を登って奥社に向かった人は、
植物園専用駐車場のある植物園中央入口から植物園に入ることができます。
木道の左右には、様々な種類の広葉樹や針葉樹、水芭蕉などの水生植物、
高山植物の群生が見られます。
遊歩道の中ほどには、池があり、ここは珍しい蛙や昆虫たちの宝庫。
木道の幅が広いので、三脚を立てて望遠鏡や双眼鏡で、
小鳥たちの生態を観察している愛好家に出会うことも。
戸隠の小鳥の声は、心なしか一段と美しく聞こえるのですが、これは単に標高が高く、空気が澄んでいるという理由だけでもなさそうです。
美しい声で、
訪れる人間をもてなしてくれているように感じてしまうのは私だけだったのでしょうか。
あるいは、ここは小鳥たちにとって鳴き声の美しさを競う
「ステージ」であるのかも知れません。
小鳥の種類がまったくわからない私が、
「あの鳴声は、何という名前の小鳥なのかしら」と独り言をつぶやいてみたら、
近くで三脚を立てていたひとりの男性が「あれは、シジュウカラの鳴声ですよ。」と、
声を掛けてくださいました。
しばらく、その方に小鳥の種類や生態についてお話を伺うことに。
「ずうーと小鳥の生態を観察していると、小鳥の気持ちがわかってくるので、楽しくてね。今の鳴声は、こちらを警戒しているな、今は楽しいんだなとかね。私は45年間、
小鳥の観察を続けているけれど、まったく飽きないんですよ…。(笑い)」
お話を伺っているこちらの心も、弾んできます。
このような偶然の出会いがあれば、日常生活では気付くことのできなかった、
生き物の営みに耳を傾けられ、戸隠の魅力のとりこに。
ゆるい坂道を、周りの植物や生き物の生態を観察しながら散策してみれば、
自然の持つ浄化作用が働き、心身ともにリフレッシュできることでしょう。
☆森林植物園の入場料:入口に募金箱が設置されています。
☆森林植物園のバス停留所:「植物園前」「奥社入口」の2箇所
☆自家用車利用の場合、駐車場は、「植物園駐車場(大型車不可)」、「奥社駐車場(大型車可)」の 2箇所あります。
☆トイレは、各駐車場と、植物園内に少なくとも1箇所あり。
〔ハーネスの会・交流会(8月19日)にご参加ください!!〕
長野県ネイチャーフィーリングのグループの皆さんが、森林植物園の中を一緒に散策、名前がわからない植物や小鳥の生体を説明してくださいます。
日頃はお会いできない会員同士、ご一緒に自然の中で交流できる絶好の機会。ぜひ、交流会にご参加くださいませ。 (キュエロも行きますよ!)
《連載/旅は犬連れ・・・⑥》
『北海道旅行』
千葉市 中川あゆみ
少し前の話になりますが、去年7月、北海道に
新婚旅行に行った時のことを書きたいと思います。
行き先は札幌で、定山渓温泉・中山峠・サクランボ狩り・札幌市内観光などです。
行きは寝台車、帰りはフェリーを使って、5泊の長旅です。
ただ一つ心配なことがありました。6月にデビューしたばかりの愛犬、
マドンナは、協会から自宅に帰って一月。なかなかワンツーをしなかったのです。
そこで、余り時間に縛られない旅にすることにしました。
寝台車は、ワンツーを促しやすいようにとシャワーがある個室を予約したのですが、
旅行者の手違いでシャワーがありませんでした。
いろいろ計算して、ワンを少し我慢させて乗車したのは19時頃。到着は翌日11時過ぎ。
いくらマドンナでもそんなに我慢できるはずありません。
袋をつけてデッキでワンツーといっても、
「こんな所でしてはいけません」と言わんばかりにドアを見つめています。
車掌さんに長めに止まる駅を教えてもらって、停車中にホームでさせることにしました。
駅の停車時間が短かったため、止むを得ず列車の出入り口で袋を付け、
私は手引きされながらリードを持ちホームに降りたとき、
マドンナが足を踏み外して列車とホームの間にはまってしまいました。
かなり怖かったようで、ホームに上がってからもワンツーというよりは、
ちび黒サンボに出てくる虎のようにぐるぐる回り、
手を離したらどこかに逃げ出してしまいそうな勢いでした。
あまりの恐怖にツーだけして、我慢していたワンはひっこんでしまった様子。
仕方なく電車に乗りましたが、すぐに催しました。
さすがに我慢できなかったようで、しぶしぶデッキでしてくれました。
その後のワンツーは、ホテルでも船でも袋をつけて、
子犬のトイレトレーニング用のペットシートを使って部屋のバスルームで
上手にしてくれました。
市内観光では、幌馬車の御者席に乗せてもらいました。
マドンナも抱っこして上に上げてもらい、
足下で馬を見たり景色を見てきょろきょろしています。
休憩時間に馬に触らせてもらっていると、マドンナがやきもちをやいていました。
ベロタクシー(チャリタク)にも乗りました。
初めは信号待ちの時に下りようとしたりしましたが、90分も乗っているうちに、
おとなしく座って乗っていられるようになりました。
マドンナにとって初めての体験いっぱいの旅でしたが、
この旅行を通して大きく成長したと思います。
(追伸)自宅にもどったマドンナは、やはりなかなかワンツーをせず、
数ヶ月苦労する日が続くのでした。
《デビュー》
『61才を節目に大決断』
飯田市 井原通雄
初めましてこんにちわ。飯田市在住の井原通雄と申します。
齢重ねること61歳にもなってしまいました。
この度縁あって盲導犬を取得することができ、
ハーネスの会に入会させていただくこととなりました。
相棒はポールという2才の雄で黒のラブラドールです。
今後とも皆様よろしくお願い申し上げます。
実は盲導犬には以前から興味があり、
できれば早くその機会を得たいものだと思っていたのです。
しかし、これまでそれを実現できなかったのには幾つかの理由がありました。
一つは、取得するための共同訓練に4週間もの間、家を留守しなければならないことと、もう一つは犬を家の中に入れて一緒に生活をしなければならないことでした。
これらがどうにも妨げとなりまして、
その先に踏み出すことができずに歳月を過ごしてしまったのです。
今般、前にも書きましたが61歳という年齢を節目として、
会社であれば定年退職ということになるわけです。
そこで1ヶ月の休みを下さいと家内を説得しました。
更に、ことばの勢いで、犬の手入れと掃除は全て私が責任を持って行いますと、
見事に大見得を切ってしまったのです。
そんなこんなで始まりました盲導犬ポールとの生活です。
もうすぐ5ヶ月になるのですが、ここ1ヶ月くらいでしょうか、
やっと自動車であれば仮免をいただいたといった気分です。
最近の私の生活は朝5時前に起床。
ポールもストレッチとあくびをしながら起きてきます。
お互い排泄をすませて、まだ涼しさの残る屋外に出ます。
天竜川の堤防を巡るコース、おおよそ6㎞を1時間と20分くらいかけて家にもどります。
「高血圧症を治さなければならない」、盲導犬をいただいた目的の一つがそれです。
これまでは最高血圧150、160という数字が常でしたが、
最近では130ときには120ということになっています。
最低血圧はそれほど下がってはいませんので、そうは問屋は卸してくれないようですね。
我が家では、たった一人の娘も嫁に行き、同じ障害のある家内との二人暮らしです。
少々マンネリ化した日常生活をポールが新鮮なものに変えてくれています。
調子に乗りやすく、甘えん坊です。それだけに話題にも事欠かず、毎日、
「ポール、ポール」と連呼しています。
先輩の皆様には、これからもお助けを頂くことがあると思います。全くの初心者です。1ヵ月半ほど前には、ポールがストライキをしまして全く散歩に出てくれませんでした。
なかなか難しいものだと、車の操縦とは違う心を持った犬の扱いに
参ってしまったことがありました。
そのようなときにはアドバイスをいただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
《ニューフェイス》
新しく入会された会員を紹介します。
本人の了解を得てそれぞれから寄せられた自己紹介文を掲載します。
3名のみなさん、よろしくお願いします
『皆さんと一緒に』
会計監査委員 古川智恵
はじめまして。この度ハーネスの会に仲間入りをさせていただきました、
古川智恵と申します。
住まいは安曇野市です。
私がハーネスの会の活動を知ったのは、前野さんを通じてでした。
盲導犬の事は知っていましたが、ハーネスの会の活動は知りませんでした。
私のようにこの会の活動をまだご存知ない幅広い沢山の皆さんにも知っていただき、
理解していただける活動を皆さんとご一緒に出来たらと思います。
どうぞよろしくお願いします。
ユーザーさんが、そして受け入れて下さる皆さんにとっても、
住みやすく安心して暮らせる社会になりますことを願います。
『ハーネスの会に参加して』
松本市 吉澤浩子
今年度からハーネスの会に入らせていただいている吉澤浩子です。
ハーネスの会と係わるきっかけは、会長の前野さんにお世話になって、
音楽家の友人達が松本市内の”ふれっ手”で演奏させてもらったことからです。
コンサートの間、私は前野さんの隣で聞いていました。
その時、足元で静かに聞いていたクールの姿が、
その年の初めに亡くなってしまった我が家のラブラドールに重なって、
困っちゃうほど泣けてしまいました。
家に戻り、”ふれっ手”での事を家族に話す中で、クールの話もしました。
「寝てる手がね、こんな感じでさ、グレにそっくりだったんだよ~」と、
思い出し泣きしながら話しました。
家族に「そこなの?同じ犬種なんだから当たり前じゃん」と言われ、
そりゃそうだ!とおかしくなりました。
ペットとして飼われていたグレースとは違って、人ごみの中や会議と、
皆さんの目となって寄り添っている盲導犬達に、犬ながら尊敬の念を抱いています。
その後、ご無沙汰だった前野さんが、
私が働いている所に会議で来られました。
そこで、ハーネスの会の話を伺い、お誘いいただいて参加しております。
この10年くらい、いろいろな病気、障がいのある人達、
心に痛みを抱えた人達とかかわっている中で、
必要な時に必要な手助けを過不足なくするのは簡単なようで、
だれにでも簡単にできる事ではないとわかってきました。
心が通じれば簡単に手助けを頼み、それを必要以上に負担に思うこともなく
流れていくと思うのですが、どうも支援する人とされる人というくくりや、
ボランティアにしても「お手伝いさせていただきます。」というような、
してもらった人が気を使うような・・・、
手助けと言えるのか疑問に思うような支援の仕方がある気がします。
視覚障がいの人たちと深く係わるのは始まったばかりです。
先ず、みなさんと仲良くなり、晴眼者としてハーネスの会が願う所の、
盲導犬の活動しやすい社会への提案や、盲導犬が終生安心して暮らし、
病気になっても病院にかかれるような基金運営ができるように
関わっていきたいと思っています。
『よろしくお願いします』
松本市 大澤里恵子
ハーネスの会のみなさま 初めまして。大澤里恵子と申します。
松本に住んでおります。
知人からこの会のことを聞き参加させていただくことにしました。
ハーネスの会のみなさまについても盲導犬についても、知らないことばかりです。
わからないことはいろいろと尋ねながら
みなさんや盲導犬と親しくなっていくことができればと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
《情報ファイル》
『盲導犬のコート製作ボランティアグループの紹介』
南信州喬木村に、盲導犬のコートを製作するグループが誕生しました!!
盲導犬たちは、仕事中に、遊び毛が飛び散って
周囲に迷惑が掛かってはいけないという配慮から、
洋服(マナーコート)を着用することがあります。
雨の日も、雪の日も盲導犬は仕事を休めませんから、レインコートも必要になります。
そんな盲導犬たちのためのコート作りは、ここ数年、喬木村に住んでいる
清水純子さんが、一人で担当してくださっていました。
しかし、農業をしながらのコート製作は思うように捗らず、
コートの完成に半年から1年かかることも。
12年前、長野県ハーネスの会の存在を知り、
「自分にもできるお手伝いはないだろうか」と会員になった純子さん。
盲導犬ユーザーが、犬の体のサイズに合ったコートを作って欲しいと願っていることが
分かり、「それなら自分にもできるかも」と始めたコート製作のボランティアだったのに、ユーザーさんを待たせてしまうことに申し訳なさを感じて一人で悩んでしまったそうです。
「何とかしなければ」と、純子さんは思い切って地元の社会福祉協議会に相談しました。そこで、「社協だより」で、盲導犬のコートを作ってくれる
ボランティアさんを募集したところ、何と6人の志願者があったのです。
これには、純子さんも、相談に乗ってくださった社会福祉協議会のボランティア担当も
感激。「自分の好きなことで、ボランティアができるなら、やってみたい!」と、
皆さん呼び掛けに応えてくれたのです。
「私はユーザーさんとのコーディネイト役をしながら、デザインを考えたり、
生地選びなどで、楽しい関わりを続けられそう。」と、
純子さんは笑顔で話していました。
こちらのグループが製作している盲導犬コートは、
1頭1頭の体に合ったサイズで、犬が着易く、ユーザーが扱いやすいデザインを
工夫しています。
☆コート注文連絡先・・・清水純子さん
メールアドレス
電話 080ー1037ー8207
(編集チーム 北澤)
《事務局から》
〝その1〟 『ハーネス基金疾病治療費助成について』
本年度のハーネス基金疾病治療費報告の期間は
平成24年1月1日から12月31日です。
この1年間に疾病治療を受けられ治療費を支払った盲導犬使用者と引退犬飼育者は
平成25年11月31日までに「疾病治療費支払い報告書」を事務局までお送り下さい。
〝その2〟 『事務局の住所変更のお知らせ』
長野県ハーネスの会事務局は8月1日から
下記の住所に変わりましたのでお知らせします。
〒390-0871 長野県松本市桐2-4-44-1
携帯:080-1043-7315
fax:0263-35-8024
《編集後記》
連日猛暑が続いておりますが、ユーザーの皆様、ワンちゃん、会員の皆様、
いかがお過ごしですか。先日、首に吸熱スカーフをまいたワンちゃんを見かけました。
暑い中のお出かけはできれば避けたいもの。でも、そうもいっていられない。そんな時は、よく目にする暑さ対策のグッツを試してみるのもいいですね。
ロンドンオリンピックの観戦で、寝不足気味の方もいらっしゃることでしょう。
健康管理には十分気をつけましょうね。
さて、「ハーネスながの38号」をお届けします。
今号もいろいろな情報やお知らせが満載です。
イベントへの参加もお待ちしております。(池田)