【会報】ハーネスながの第22号


ハーネスながの 2006年 5月 第22号
発行:長野県ハーネスの会 会長 原 哲夫
〒390-0304 松本市大村492-3  TEL・FAX(0263)46-9611 
第22号 目次
《報告》
  『ハローアニマルの補助犬支援事業に関するアンケート結果』
  『補助犬健康支援事業について懇談し要望する』
《情報》
  『第2回自然探索会”ネイチャーフィーリング”のご案内』
《お知らせ》
  『ハーネスの会総会と講演会のお知らせ』
《編集後記》
《報告》
ハローアニマルの補助犬支援事業が始まって1年が経過しました。突然の話に戸惑うユーザーの方も多かったことと思います。そこでハーネスの会では、この支援事業をユーザーの皆さんがどのように受け止め、どのような関わり方をしたのか、またハローアニマルの支援事業に対してどのようなお考えをお持ちなのかを知り、ユーザーの皆さんにとってこの支援事業をより有益なものとするように働きかけをしていくための資料にしたいと考え、この3月にユーザーの皆さん25名にアンケート調査を実施させていただきました。ユーザーの皆さん、ご協力ありがとうございました。また、去る4月22日には、今回の調査結果のをもとにハーネスの会の役員とハローアニマルの関係者が懇談会を持ちました。以下にアンケート調査の集計結果とハローアニマルとの懇談の様子を報告いたします。
『ハローアニマルの補助犬支援事業に関するアンケート結果』
(回答者数 25名)
質問①〔全員〕本年度ハローアニマルによる補助犬のための健康支援
 またはサービスを受けましたか
 ア 受けた 7名
 イ 受けなかった 18名
質問②〔受けた使用者〕どんな検査または支援をうけましたか ※複数回答可
 ア 触診・望診・聴診などの内科的診察 7名
 イ 尿検査 1名
 ウ 糞便検査 4名
 エ 血液検査 7名
 オ 混合ワクチン接種 0名
 カ 電話相談 0名
 キ リタイヤ犬ホスピス事業 0名
質問③〔受けた使用者〕検査(血液・糞便・尿など)結果はどのように知りましたか
 ア 結果は知らされていない 6名
 イ 使用者が問い合わせ、電話で知った 0名
 ウ 使用者が問い合わせ、文書で知った 0名
 エ ハローアニマルが電話で知らせてくれた 1名
 オ ハローアニマルが文書で知らせてくれた 0名
 カ その他 0名
質問④〔受けた使用者〕ハローアニマルの補助犬健康支援を受けてどんな点がよかったですか 
 ※複数回答可
 ア パートナーの健康状態がよくわかる 3名
 イ 健康管理に関わる費用の軽減になる 7名
 ウ 自宅に出張してもらえて助かる 7名
 エ 普段はあまり獣医師に診てもらえないので助かる 0名
 オ その他 1名
 ・違う獣医師に診てもらうのも安心のひとつである
質問⑤〔受けた使用者〕改善を要望する点はなんですか ※複数回答可
 ア 事前に十分な説明が欲しい 2名
 イ できるだけ早く実施予定時期を伝えて欲しい 3名
 ウ 検査結果を迅速に知らせて欲しい 6名
 エ 検査結果を文書で知らせて欲しい 3名
 オ 毎年の健康診断の検査結果を蓄積しながら検診を受けられるようにして欲しい 5名
 カ 回数を増やして欲しい 2名
 キ 検査結果を地元の主治医に利用してもらえるように関係作りをして欲しい 5名
 コ その他
 ・年一度ハローアニマルと懇談の場が欲しい
 ・無駄な検査をなくしたり、犬の負担を軽くするためにも地元の獣医師にも結果を利用してもらえるようにしたい
 ・実施時期を早めて欲しい
 ・電話で問い合わせたが担当者不在で連絡が取れなかった
 ・主治医のほうが犬が慣れているからいいと思った
 ・採血がうまくいかなかった
質問⑥〔受けなかった使用者〕受けなかった理由はなんですか ※複数回答可
 ア 支援事業案内と希望アンケート用紙が送られてこず、まったく知らなかった4名
 イ かかりつけの動物病院で受けるほうが安心である 10名
 ウ すでに必要な検査や接種は終わっていた 4名
 エ 事前の説明が十分なくてよくわからなかった 5名
 オ その他 1名
 ・遅れて希望を出したが返事が来なかった
質問⑦〔全員〕平成18年度についてはどのように考えていますか
 ア 実施されれば希望したい 6名
 イ 希望しない 10名
 ウ わからない 9名
 ・主治医との関係が悪くなってしまうのではないかと心配
 ・知らない人に犬を任せるのが不安(近くの獣医師が安心である)
 ・毎月実施して欲しい
 ・11月に引退させたので不要
 ・実施時期、採血方法、検査結果の通知など不備が多い
 ・前もって十分な説明が欲しい
質問⑧〔全員〕県の補助犬支援事業についてどのように考えていますか ※複数回答可
 ア ハローアニマルの補助犬健康支援事業をさらに充実させて欲しい 8名
 イ ハローアニマルと地元の主治医が連携できるような関係を築いて欲しい 15名
 ウ 身体障害者補助犬法で定められている健康管理やワクチン接種に必要な費用を個々の使用者に給付して欲しい 9名
 エ ハローアニマルが地元の獣医師に委託する形で支援事業を行って欲しい 12名
 オ 県障害福祉課が地元の主治医に委託する形で支援事業を実施して欲しい 7名
 カ 県内で盲導犬として働いていた引退犬も支援の対象にして欲しい 9名
 キ 公的機関による支援は希望しない 0名
 ク その他
 ・個人情報の開示がどのような方法で行われたのか不安であった
 ・使用者本人に必要なお金が支払われるようになれば、自分が最も信頼できる獣医に、診察して欲しいときに診察してもらえるので、一番自由がきき、効率的で安心である
 ・地元の主治医に委託するかたちなら使用者が獣医を選択でき、費用負担がなくなったり、軽減されたりするのでそのほうが望ましい
 ・ハローアニマル一箇所が様々な事業を抱える傍らでこの事業を行うとなると、県内各地に散らばる盲導犬の健康管理を最善のかたちで行うことに限界があるように思う
 ・個々の使用者の費用を負担したり、主治医に委託するのが当面難しいのであれば、ハローアニマルが行う支援事業を進めることが重要だと思う
 ・県やハローアニマルは、使用者抜きで使用者のことを決めないで欲しい
 ・使用者と支援者が集まる「ハーネスの会」の要望を受け止め、その参画を得て、連携をとりながら今後の支援事業を進めて欲しい
質問⑨〔全員〕自由意見、要望など
 (1)ハローアニマルへの意見・要望
 ・ハローアニマルとは何なのかよくわからなかった
 ・検査に来る獣医さんや検査のことがよくわからず受けなかった
 ・いきなり通知を受けて驚いた 福祉課の紹介などがあればよかった
 ・自分の犬が初対面の人に身体を触られたり採血されることで負担を感じることが心配だった
 ・受ける使用者が受けやすい支援事業・健康支援を行って欲しい
 ・検診や混合ワクチンは3~4月に行っているので早めに実施計画を伝えて欲しい
 ・せっかく事業を行うのであれば、使用者にも犬にもできるだけ有益な方法で行って欲しい
 ・引退犬への支援をして欲しい
 ・ハローアニマルからの出向診察と地元の主治医のどちらかを選べる形も検討して欲しい
 (2)ハーネスの会への意見・要望
 ・バスハイクを行って欲しい
 ・会報誌前号の写真記事の取材で厳しく本音で話した内容がきれい事にまとまっていて不満である
 ・ユーザー同士の、初心者に対する思いやりが欲しい
 ・ネイチャーフィーリングがとても楽しかった
 ・長野市でも交流会を行って欲しい
 ・松本のユーザーはきらきらしていて総会などへ行くと元気をもらえるが、遠いのでなかなか参加できない
 ・泊まりで総会をやってはどうか
『補助犬健康支援事業について懇談し要望する』
本会は去る4月22日(土)に小諸市でハローアニマル(長野県動物愛護センター)と懇談会を行なった。
これは、ハローアニマルの昨年度の補助犬健康支援事業についての盲導犬使用者のアンケート調査結果がまとまったため、ハーネスの会役員とハローアニマル担当者で健康支援事業への理解を深めるとともに、問題点と改善内容について話し合った。
当日はハローアニマルから大木所長、有賀課長、担当の小林獣医師の3名が、また本会からは原、前野、宇田、田中の役員4名が出席した。
懇談会は大木所長の挨拶と補助犬健康支援事業が開始された経緯や事業内容についての説明があり、本会からは3月に実施した使用者アンケート結果と要望事項についての説明をし、その後率直な意見交換が行なわれた。
懇談の結果、「血液や尿、便などの検査結果は文書でできるだけ早く使用者に伝える」、「使用者の希望があればかかりつけの主治医に対してハローアニマルからコンタクトをとる」、等の具体的な改善策が伝えられた。しかし、混合ワクチンの出張接種については希に起こるアナフィラキシーをはじめとする副反応事例についてハローアニマル側とハーネスの会で見解が分かれた。
最後に、ハローアニマルとハーネスの会で今後の補助犬支援事業の内容などについてお互いに連絡を取り合うことも確認した。
尚、ハーネスの会としては、健康支援事業を希望する使用者が円滑に支援を受けられるようにするために可能な範囲でハローアニマルに協力したいと考えている。
〈本会の要望事項とハローアニマルの回答〉
【要望事項】
(1) 実施計画と時期について
ア.実施計画を年度当初(できるだけ早い時期)に知らせていただきたい。
イ.毎年同じ時期に訪問健康診断を位置づけていただけると予定が立てやすい。
(2) 検査結果の通知について
ア.検査結果が出たら速やかに知らせていただきたい。
イ.最終的な検査結果は文書で通知していただきたい。
ウ.毎年の健康診断(諸検査)の結果を継続蓄積しながら長期的な視野で健康支援を行なっていただきたい。
(3) 混合ワクチンの接種について
訪問によるワクチン接種については、希に生じる事故を心配する使用者も多い。
より安全で確実な接種について検討していただきたい。
(4) 地元の主治医との関係について
ア.諸検査の結果はかかりつけの主治医にも活用してもらうことが望ましい。
イ.ハローアニマルとそれぞれの主治医が円滑な関係がとれるために、使用者と一緒になって検討していただきたい。
(5) リタイヤ補助犬への支援について
ア.加齢や病気などにより補助犬をリタイヤした犬の現状を把握していただきたい。
イ.県内で補助犬として活躍していたリタイヤ犬も健康支援の対象に加えていただきたい。
(6) 今後の健康支援事業の推進について
ア.訪問健康診断などの具体的な実施に当たっては、できるだけ個々の使用者の実情と希望に配慮して行なっていただきたい。
イ.補助犬健康支援事業の全体的な推進については、長野県ハーネスの会とも連絡を取り合って進めていただきたい。
【要望事項へのハローアニマルの回答】(回答:平成18年4月22日)
(1) 実施計画と時期について
・今年度の計画はこれからする。
・ワクチン接種の時期が盲導犬によって異なるので、各盲導犬のカルテをつくって接種時期等を把握したい。
・採血等を行うのに、個々の家を訪問するのは大変なので、日を決めてどこかに集まってもらえると助かる。
(2) 検査結果の通知について
・せっかく行った検査の結果を知らせていないのは、ハローアニマル側の怠慢だ。
・どのように結果を知らせればいいのかわからなかった。
・血液検査の場合、採血がうまくいかないことがあるかもしれないが、ご了承いただきたい。
(3) 混合ワクチン接種について
・ワクチン接種後に起きるアナフィラキシーショックあるいはアレルギー反応については起こることを全く予測していない。よって、もし起きた場合の対応についても全く考えていない。
・ワクチン接種費用を考えると、ハローアニマルで接種したほうが安価。
・安全性を考えるなら、主治医にて接種してもらうしかない。
(宇田としては、アナフィラキシーをはじめとする副反応はありえないと言い切るハローアニマル側にワクチン接種を依頼するのは非常に危険であると考える。ワクチン接種は主治医の判断によって万全の体制で行うのが望ましい)
(4) 地元の主治医との関係について
・県獣医師会理事会での、支援事業に対する承認は得ている。
・利用者がどこの動物病院にかかっているのか知らせてくれれば、ハローアニマルから一報入れて、事業内容を説明する。
・血液検査やワクチン接種は動物病院の大きな収入になるので、ハローアニマルが行うことに反感を持つ獣医師がいるかもしれない。
・健康支援を受けた利用者については、主治医に事業内容を説明し、検査結果の報告を行う。
・事業説明を行って、主治医が必要性を認めない場合は手を引く。
(5) リタイヤ犬への支援について
・今のところ、リタイヤ犬へ健康支援を広げることは難しい。
・リタイヤ犬をハローアニマルで飼育することは2頭なら可能。
・県内にどのくらいのリタイヤ犬がいるのか教えてもらい、その結果で考えたい。
(田中はリタイヤ犬への支援も強く希望。)
(6) 今後の健康支援事業の推進について
・この事業は補助犬の為に特別な予算を取って用意されたものではなく、ハローアニマルにある検査機器や検査器具、ワクチン等を利用して行っているため、拡大は難しい。
・例えばワクチン接種費用の補助等を行う場合、社会部へ要望を出し新たに制度を設ける必要があるため、すぐには実現できない。ハローアニマルには現金補助をする予算はない。
・支援事業の対象は県が貸与した補助犬であるので、他の補助犬について支援を広げることができるかは、即答できない。社会部の意向による。
・県が貸与した補助犬以外は把握できていないので、教えて欲しい。
・障害福祉課と衛生部の間での情報のやりとりがうまく行かなかった事が連絡の不備に繋がったと思う。
・利用者との話し合いを行わずに事業を開始したことは反省している。
・健康支援事業が始まった経緯は、ハローアニマル有効活用プロジェクトを立ち上げたおり、過去の調査で補助犬に対する支援の希望があったため、事業化できないか検討した。
・今後、支援事業を継続していきたいと考えている。
・支援事業を必要としない利用者をあらかじめ知っておきたい。
《情報》
 『第2回自然探索会”ネイチャーフィーリング”のご案内』
来る5月27日(土)、安曇野市で自然観察指導員長野県連絡会(小川朱実代表)主催の第2回ネイチャーフィーリングが行なわれます。新緑の烏川渓谷緑地公園を自然観察員とともに歩いてみませんか。今回は募集定員がありますので参加を希望される方はできるだけ早くお願いします。申し込みは事務局(小川代表)まで。
【日 時】  2006年 5月27日(土) 午前11時~午後2時
(集合: 10:45)
【募集人数】  8名(応募が多数の場合抽選となります)
【場 所】  安曇野市堀金烏川26 烏川渓谷緑地公園管理棟前(水辺エリア内)
【交通手段】  [最寄駅]JR大糸線柏矢町駅/その他の場合はご相談下さい。
【持ち物】  弁当、飲み物、雨具(防寒具を兼ねる)、など各自必要なもの。
※お弁当の手配ができます。希望の方はお知らせ下さい。(500円程度)
【参加費】   無料
※雨天の場合・管理棟レクチャールーム内でのプログラムを予定しています。
〈お問い合わせ先〉 自然観察指導員長野県連絡会事務局(小川さん)
電話・FAX 026-254-2866
《お知らせ》
『ハーネスの会総会と講演会のお知らせ』
運営委員会
2006(平成18)年度の長野県ハーネスの会総会と研修交流会(講演会)を下記の通り開催します。今年の総会では、ハーネスの会のあり方、ハローアニマル(長野県動物愛護センター)の補助犬健康支援事業への対応やハーネス基金の支援内容などについての活発な意見交換を期待しています。
また、研修交流会では北海道盲導犬協会の加藤指導員による講演会を予定しています。一般の会員にもわかりやすいお話をしていただけると思います。講演会には会員以外の多くのみなさんのご来場もお待ちしております。
尚、当日、松本駅から案内を希望する方は事前に役員の丸山までご連絡下さい。
また、JR松本駅では大規模改修工事を行なっていますので遠慮なく案内をご利用下さい。
【日時】 5月28日(日)午後1時~4時
【会場】 国際コンピュータービジネス専門学校 5階
 松本市渚2ー8ー5 (JR松本駅西口から徒歩10分、国道19号線沿)
【日程と内容】
 受付 12:40~13:00
 総会 13:00~14:20
 休憩 14:20~14:30
 研修交流会 14:30~16:00
 〈演題〉 『盲導犬に求められる資質と使用者の心得』
 〈講師〉 北海道盲導犬協会指導員 加藤淳一 氏
※ 当日のお問い合わせは、原までお願いします。
※総会および講演会は国際コンピュータビジネス専門学校5Fで行います
※駐車場はペットビジネス学科棟、国際コンピュータビジネス専門学校、長野銀行横の駐車場(NO.13~20)をご利用ください。
《編集後記》
桜の花も終わり、新緑が美しい季節となりました。好転に恵まれ大型連休となった今年のゴールデンウィークはどのように過ごされたでしょうか?レフレッシュできましたか?
これからは外出に、とても気持ちのいい季節です。
前回参加した皆さんには好評だったネイチャーフィーリング、参加されてみてはいかがでしょうか。
今年度の総会は、この4月から新たにペットビジネス科が新設された国際コンピュータビジネス専門学校一室をお借りして行うことになりました。新しい施設を見学させていただきがてら会員の皆さんとの交流を深めたいと思っております。
是非、皆さんお誘い合わせのうえ多数ご参加下さい。お待ちしております。(池田)
(編集係 原)

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